夢実現研究会2009

団塊世代の生き方を考えよう。

健康維持:頭の健康:マーケティング

2009-03-16 11:46:38 | 健康維持:頭の健康
あの商品はなぜ売れたのか:杉村貴代
ヒット商品の舞台裏にあるマーケティング+プロモーション戦略に学ぶ

<<要約>>

● 売れない商品の売れない「本当の理由」を探すのは、意外と難しい。
● →だったら、売れた商品のやり方を取り入れよう。
● →ヒット商品を生み出すカラクリが見つかります。

〇ヒット商品に共通したものは何か?
① 商品の価値を、正しい顧客に、正しい方法で伝える。
② このやり方を慎重に、計画的に、根気強く実行して、成果を上げている。
③ 実行のための手段と技術があります。
④ これは、誰でも取り入れることができます。

〇この技術は、どんな人が応用できるか?
① 商品やサービスをつくる、販売する、コミュニケーションする人
② 今、抱えている課題のソリューションを考えるのに役立つベーシックな知識であり、明日から使える技術です。

■ソリューション
〇企業は、何に取り組むべきか?
① 最初に取り組むべき課題は、ソリューション発想です。
② 企業が提供する製品やサービスを単独で捉えるのではなく、顧客の問題解決を実現するソリューションとして捉えるのである。
③ 一つ一つの製品はコモディティであっても、複数の製品やサービスを組み合わせたソリューションとなれば差異化が実現しやすくなり、価格競争を回避できる。
④ 特定の機能や目的を満たそうとする視点ではなく、「ある状況や場面などを一括して解決する」という視点が求められる。

● 第1章 最近のヒット商品で、ヒットの理由に探る。
● 第2章 それらの商品を顧客に結びつける仕掛けを考える。
● 第3章 商品の価値を適切なターゲットに伝える手法を考える。

第1章 ヒット商品の舞台裏
〇〇任天堂 脳を鍛える大人のDSトレーニング
〇何が、爆発的にヒットさせた要因か?
■ゲーム市場そのものを拡大するような商品開発が行なわれた。
① 中高年や女性は、これまで、ゲームとは縁遠かった。
② 脳を鍛える大人のDSトレーニングは、そのコンテンツのおかげで、中高年や女性を取り込んだ。
③ その商品が、とても使いやすかったのが要因。
④ 使いやすくした理由は、強者(ソニーやマイクロソフト)にパワーゲームで挑んでも勝算がないと判断。同じ土俵で勝負することを避けた。
■潜在的ニーズ(中高年者は脳力低下を防止したいという欲求がある)に対して、科学的な根拠で応えた。
① 中高年者は、加齢に伴い記憶力低下などの脳機能低下を実感し、それを防ぎたいと思っている。
② そのようなニーズに対して、「計算と音読が脳の前頭連合野の活性化に効果がある」という川島教授の研究成果を踏まえてつくられた。
③ ゲームに科学的な根拠を持っている。
④ 川島隆太:東北大教授で人間の脳の働きを調べる最先端「ブレイン・イメージング」研究の第一人者
⑤ かつて、ゲームは「ゲーム脳」という言葉で科学者から批判された。しかし、このDSトレーニングは、ゲームは悪であるという社会認識に対して、「いいゲームもある」ということに科学的根拠を提示することになった。
⑥ 消費者は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」から「脳は鍛えることができる、と科学的に証明された」という新しいメッセージを受け取った。
■脳年齢というコンセプトを提示して、見えないものを「見える化」する。
① 脳年齢、とは脳の活性化の度合いを表現する言葉で、消費者にとってこれまでに使ったことがない新しい言葉。
② 脳に対する関心が高まるなか、「自分の脳はどうなっているの?」という疑問に、科学的に裏付けられたエンターテイメントというわかりやすいアプローチで応えたのが「脳年齢」です。
③ ゲームで脳年齢を測定します。あなたの脳年齢は52歳、などと表示されれば、誰でもびっくりします。実年齢に比べて若ければ嬉しいし、年をとっていればくやしい。再挑戦して年齢が若返っていれば嬉しい。
④ さらに、目標をクリアするという単純な楽しみもあります。
⑤ みんなが知りたかったことを、誰もがわかるような形で「見える化」したこともヒットの要因。
■商品ベネフィットはネガティブでもポジティブな思考へと導く。
① プロモーションの手法のなかには、人々の恐れの感情に働きかけるものもあります。
② 脳を鍛える大人のDSトレーニングも、人々の老化や脳の衰えに対する恐れ、認知症への恐れなどに働きかけるコンテンツなのでヒットした、といわれている。
③ しかし、ただ恐れに働きかけるだけでは、これだけのヒットには結びつかなかったはずです。
④ 脳を鍛える大人のDSトレーニングの凄さは、脳の衰えを止めることから脳を活性化することへと、商品ベネフィットを転化させたことです。
⑤ 消費者をネガティブな思考からポジティブな思考へと導くことで、消費者はより心地よく商品を購入できる。
■自己鍛錬を好む女性(特に20代)に見事にフィット
① 男性は、競争者を破って勝者になる、ことに価値を見出し、
② 女性は、自分の個人的なベストを達成する、ことに価値を見出す。マーサ・バレッタ説
③ この女性の、自分に勝つ、ことへの喜び、達成感に「脳を鍛える大人のDSトレーニング」が見事にフィットした。
④ また、女性は男性よりも口コミに依存して購入することが多い、といわれています。特にブログなどの口コミツールを駆使する20代女性に好まれる商品であったことが、よりヒットを生んだ一因となっています。
■プロモーションの適切さ
① 松嶋奈々子のTVCMが好感度ランキング上位→プレイし、はじき出された脳年齢に52かよ!と自分でツッコミをいれ、まじめな顔つきで、もう一回やろ!と口にします。
② 新宿コマ劇場でのプロモーションもスマートだった。小林幸子などの歌謡ショーに訪れた人に試遊を働きかけ、興じた。
③ 敬老の日プレゼントとして、脳を鍛える大人のDSトレーニングが選ばれ、9月に急激に出荷が伸びた。


第2章 マーケットと商品を結びつける仕掛け
 マーケティングの主流=需要創造型マーケティング戦略
■需要創造型マーケティング戦略
〇ターゲット・マーケティング
① 1970年代までは、特に売るための努力をしなくても、作れば売れる状態でした。したがって、TVやラジオを通じて、ただ単に商品名を連呼するような画一的な「マス・マーケティング」が行なわれました。
② 80年代に入ると、他の人と違うものが欲しいという欲求が生まれてきました。そこで消費者をグルーピングして特定のターゲットを設定し、その属性に合わせて考えるマーケティングが行なわれた。
③ 90年代からは、バブル崩壊により、企業はより安く商品を提供するために、コスト削減に全力を注ぎました。
④ また、ニッチ市場の創出や、新しいマーケットの創出を働きかけることで、企業は生き残りを図りました。
⑤ 現在も、需要創造のためのマーケティングが行なわれています。
■ターゲットを明確にした商品
① 需要創造型マーケティングでは、消費者の潜在的なニーズを探り、新たなマーケット創造に向けた商品開発や流通、販売を行ないます。
② この一連の活動の中で基礎となるのが、ターゲットを明確にすることです。
■部屋干しトップ:ライオン
① ターゲットは、部屋干しする人、どうしても部屋干しになっちゃう人
② 独身者などは、部屋干しが一般的だが、問題は「生乾きの臭い」です。
③ 部屋干し時の生乾きの嫌な臭いを防ぐ、という機能が明快にわかる商品名で売り出したところ爆発的に売れた。
〇消費者の購買行動の多様化
① 消費者が購買にいたるまでの行動パターンが大きく変化してきています。
② グーグルやアマゾンの出現、
③ ブログやSNSによる情報発信と情報共有、YouTubeなどの動画配信サービス。
④ そしてセカンドライフ。これらコミュニケーションツールの変化にあわせて、プロモーションも大きな変化を遂げているのです。
■消費者の購買行動を考える
① 消費者の購買行動の変化。AISASという流れ。
② AIDMA、これは購買行動をプロセスに分解して、プロセスごとに必要なマーケティングやプロモーションを考えようというものです。
③ 90年代になり、インターネットを介した新しいモデルAISAS。
④ インターネットが登場し、消費者は自分自身で簡単に情報を集めたり、発信できるようになりました。AISASは、この情報収集や発信と言う行動を踏まえ、情報の検索と共有というプロセスが加えられています。これがWeb2.0的な購買行動です。
■情報を共有する、というのは何を意味するか?
① 情報共有が一般的になってきた理由は何か?
② 共有するということは、自分の個人的な消費体験について他の人に情報発信することであり、それを可能にするコミュニケーション・ツールが充実してきたから。
③ その中で、一般的なことがブログとSNSです。
④ ブログは、Webサイトへのかかわり方を「見ること」から「情報を発信すること」へ急激に進展させたのです。
⑤ SNS、マイページの開設。豊富なパーツが口コミ・マーケティングを可能にする。ブログの投稿。感覚的に近い人の輪が、訴求効果を高める。内部コミュニティへの参加。より「一つのテーマ」に関心を持った人たちの訴求力。
⑥ YouTubeは、自己表現のツールとして、今やはずせない動画配信サービスです。
⑦ セカンドライフ。これは究極の自己表現ツール。

■Webの動きをどういう形で生かすか?
〇PRを活用したプロモーション
〇消費者のマーケティング活動への参加
① 商品などの情報は、企業から一方的に発信されるものではなくなりました。
② 消費者は、仲間が発信するお奨め情報など、体験に基づいた信用できる情報を受け取って買い物をします。そして買い物後には、自分が感じたことを仲間に伝えます。
③ 企業のマーケティング活動も、この変化に合わせて、買い手発想を取り入れたものへとシフトしつつあります。
■消費者のプロモーション活動への参加
① アットコスメJewelBox:化粧品の口コミサイトとして草分け的存在。店舗の入り口にはタッチパネルが設置。そこでアットコスメの口コミ情報を見れます。
② ロッテ・クーリッシュ:ネット上の口コミを生かし、路線を変更。「ながら食べる」などに消費者が感じる価値を前面に出し成功。
③ バイラルプロモーション:従来のメディアでなく、Webプロモーションツールを使ってネット上に口コミを起こし、それがウィルスのように広がることで広告宣伝効果をあげる方法。


第3章 ニュースになる効果的なPR術
■情報が、マスメディアからニュースという形で発信されると、その情報は社会的な信用を得て、消費者に安心して受け入れられます。このような情報発信をPRといいます。
■信用力や客観的な好評価をつけて発信する。
〇広報・PRとパブリシティ
① パブリシティ→マスメディアに働きかけてニュースの形で情報発信するという活動。
② 第三者の立場から、客観的で信用できる情報として消費者に伝えることができるのがPR.
③ PRとは、情報をニュースにすること。
■メディアと消費者を納得させる方法
① 物語があるものはウケやすい。プロジェクトX、サントリーの伊右衛門など
② 商品のいいところばかりでなく、駄目だったところをどのように乗り越えたかという切り口は、物語を生み、マスメディアの露出につながります。
③ 体験・経験をしてもらうことで期待させる。ラウムのユニバーサルデザインの勉強会。
④ ティーザー→新商品の発売前に小出しに商品の情報を出していくことで、新商品への期待を醸成する方法。
⑤ 科学的実験データを使って安心感を与える。トクホと花王「ヘルシア緑茶」



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