このブログではこれまで、微量栄養素による方法、つまり微量ミネラルと植物ケミカルと微生物生産物質の、免疫系への大きな貢献を紹介して来ました。
今回は睡眠の質を上げる事で免疫力を高める方法を紹介します。
これは100歳まで現役の医者として活躍された日野原重明さんの寝方で、座禅にも通ずる本格的な呼吸法を身につける方法でもあります。
早速その寝方に入ります。それはうつ伏せ寝で、ポイントは敷き布団から頭が上にはみ出す(首が持ち上がらない様にする)事と、お腹の下に枕を入れる事です。
この枕は手でも良く、ある程度厚みが要るので、ちょうど座禅の印を結んだ形が適しています。しかし印を結んだまま寝るのは困難なので、眠りに入る時には枕にした方が楽です。
枕を当てる位置はへその所が良く、日野原先生は腸の脈動が全身に響くように大きな枕を勧めております。
この脈動は、初めての人はビックリするほど大きく響きますが、リラックスするに連れてゆっくりとした穏やかな脈動に変わって来ます。
これは腸もみマッサージと同じ効果があり、副交感神経を高めて免疫力を強くします。(「なぜこれは健康にいいのか」)
また、枕は横隔膜を刺激して呼吸を深くする働きもし、元々うつ伏せ寝は気道が真っ直ぐになって息がし易いので、血中酸素濃度を高める事が出来ます。
この濃度が低いと頭がボーっとして集中力が続かず、痴呆の原因にもなるのでお年寄りには特にお勧めです。
うつ伏せ寝は手足を使って動き易く、起き上がり易いという利点もあり、床ずれも出来ないので介護、医療の現場でも推奨されております。
また、腰にかかる負担がまったく無く、気道が塞がる危険性も回避できるので、その意味でも長生きには必須の寝方だと言えます。
唯一の難点は、机に突っ伏して寝た時の様に涎が出る事です。まあこれが仰向け寝では、気管に入って肺炎を起こすのに比べれば、頭受けのマット(柔らかいほど良い)が濡れるくらい大した問題ではありません。
また、口にテープを貼る方法も有効で、当然よだれは垂れず、口内が乾燥せずに虫歯予防にもなります。
鼻呼吸は口呼吸に比べて細菌やウィルスの侵入を防げ、リラックスした深い呼吸になります。うつ伏せ寝では自然に鼻呼吸になりますので、テープは必要ではありません。
うつ伏せ寝は慣れるほどに、自分に合った姿勢が掴めて来ます。始めはシムスの体位というのがお勧めで、これは左肩の下にも枕を敷き、心臓の圧迫を減らせると共に、首を自然に横向にして安定させられます。左肩が持ち上がると左足も持ち上げたくなり、これは股から曲げる形で安定します。それによって枕は左の方に拠ってきて、これは排便を促すS状結腸を刺激するのでお通じを良くします。
私の経験から言うと、床に入った始めには真っ直ぐなうつ伏せ寝で、腸もみマッサージを強めにやって副交感神経と呼吸を深め、眠りに入る時にシムスの体位になって枕の圧迫も減らすのが良いと思います。
きっと一度うつ伏せ寝の深い休息感を味わったら、もう仰向けで寝ようとは思わなくなるでしょう。
因みに動物はみんなうつ伏せ寝で、牛に至っては仰向けにすると内蔵に肺が圧迫されて窒息し直ぐに死んでしまいます。
人は二足歩行で骨格は変わりましたが、内臓の位置まではそんなに他の動物と変わってないので、うつ伏せ寝が一番適しており楽に呼吸が出来ます。
ところで以前、超小食で健康的に生きる人達のことをブレサリアンと呼ぶと言いましたが、私はこれは祝福(bless)された人達の意味だと思ってましたが、どうやらbreath(息)の方の意味らしいです。
つまり超小食は特別な呼吸法によって可能になるとされていて、それは体細胞の数の10倍いる腸内細菌達に影響を与える呼吸法と考えられます。
うつ伏せ寝の呼吸法は腸との一体感を強く感じ、これは座禅の「腹から全身で呼吸する」に通じます。
腸内フローラが元気でいてくれる事を願い、彼らのお陰で生きてる事を感謝して、鬼滅流に言うなら「花園の呼吸」を探求して行こうと思います。