真の動物福祉牧場を目指して

深遠なる第九

第9番目の栄養素は、いわゆる菌食がその地位を占めるかと思われます。
これはクロレラ(光合成細菌の集合体)やキノコから発酵食品全般、更には免疫ミルクや乳酸菌生産物質などの、微生物や免疫細胞が作り出す様々な生体物質を含みます。
我々の腸内細菌は明らかに免疫細胞とコラボしており、免疫細胞の7割は腸管免疫に割り当てられていて、これは食物(異物)が体内(血流)に入る場所です。
免疫系の司令塔であるT細胞は腸内フローラ(花園)によって育まれ、このフローラが崩れると免疫系の制御が上手く効かなくなり、花粉症などの自己免疫疾患やガンなどにも繋がります。
また、腸管のバリア機能が損なわれると様々な有害物質が血流に入ってしまい、それらは体内で炎症を引き起こして色々と厄介な事になります。

近年この腸管免疫を高めるプロバイオティクス食品と言うのが、主にヨーグルトとして開発されております。
これは腸内フローラで活躍する微生物をそのまま取り入れる方法で、胃酸で死なない様にカプセルで飲む方が効果的です。
また、腸内フローラの有効菌に活力を与え増殖させるプレバイオティクス食品と言うのも開発されており、これが乳酸菌生産物質です。
更に、腸内の免疫細胞(マクロファージ)を刺激して免疫物質(抗ガン物質など)を沢山作らせる方法も確立されており、これは菌体成分(乳酸菌や酵母の死骸)が効果を発揮します。

ヨーグルトについて補足しますと、これは色々な乳酸菌が活用されてますが、腸内に定着、増殖するのは稀で、3~4日で腸内を通過します。しかしその間に様々な代謝産物(抗生物質など)を作り出し、菌体成分も利用されて腸管免疫を高める事が出来るのです。
さて、この腸管免疫を担う有効菌というのは既に100種類程が分かっており、それぞれ個性的な働きをしております。
これを一番良くサポートするのが乳酸菌生産物質である事も分かっており、その効率的な生産方法も確立されております。 それはシンバイオティクスと言う微生物共生技術により、16種類の乳酸菌と酵母を豆乳中で共生培養して生み出した製品などが開発されております。
こうした非常に先進的な薬(食品)は、実はブッダの時代からインドで活用されており、その作り方が仏典に載っております。 その一節を抜粋しますと、「善男子、たとえば牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より蘇を出し、蘇より醍醐を出す。醍醐は最上なり。もし服する者あらば衆病皆除く。あらゆる諸薬はことごとく其の中に入るがごとし。」と在ります。
これに触発されて、浄土真宗22世法主・大谷光瑞は昭和7年に大連にて醍醐の製作に取りかかり、これは戦中に重要医薬品菌製剤として治療に用いられ、多くの支持を集めたようです。

因みに酪と言うのは乳清のことで、牛乳から脂肪分とカゼインが自然に分離した黄色い液体です。これは栄養価がとても高く、これから作ったチーズは最高級品とされます。
私が考えるに、蘇とは乳清を培地に有効微生物群を共生培養させた物で、これを長年かけて熟成させると微生物生産物質が分解されて低分子化し、吸収性が高まって最上の醍醐になるのかと思います。
実はこうした醍醐に相当する飲料は、EM研究機構でも開発しておりまして、30年ほど前から世界中で販売して経営を支える大きな柱となっております。
薬事法の関係からその効果を伝えるのが難しいのですが、乳酸菌生産物質についての本「スーパーサプリメントへの挑戦」で、多くの医者と研究者が発表している効果と同等かそれ以上と言えます。(超ミネラルの要素も加わっている)
それは小さな微生物が生む栄養素なので低分子で脳の血管を通過出来てニューロンまで届き、神経系を元気にして血流と内分泌系も改善します。これは正に「あらゆる諸薬は其の中に入るがごとし。」と言えそうです。


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