真の動物福祉牧場を目指して

3. Synergy (相乗)

以前、この「共生」「合成」「相乗」の英語での頭文字「Syn」を合わせて、生命現象の核心を表す「Syntropy」という用語が出来た事を紹介しました。

それまでずっとネガティブ(反) エントロピーと呼ばれて来た生命現象は、ようやくネガティブじゃない名称をアカデミーの世界で獲得しました。

この3つのエントロピーを減少させる生命現象は実に複雑で、恐らく人間には全てを理解するコトは不可能でしょう。
それはこの3つが三位一体と成って「生き」ているからで、「生き」るとは複雑系の環境に曝されるコトを意味し、試験管の中で単体培養された微生物は真の意味で「生き」ているとは言えません。

シントロピーの力を引き出すには三位一体が欠かせず、それを農業や医療の現場で活用する研究はようやく注目される様になって来ました。
「人間にこんな複雑系をコントロールする力が有るはずない」と言った悲観論が支配的だった時代は過ぎ去り、Effective Microorganisms (EM)の30年に及ぶこの分野での独走は、進歩的だと評価を受ける時代になりました。

話を「Synergy」に絞りますと、この用語は生命現象から経済現象に波及しております。
これは長いので斜め読みで結構です。

概念の説明だけでは詰まらないので、具体例を挙げます。 実は前にも「シナジー効果について」と題して「リゾ(低分子)レシチン」のシナジー効果を紹介した事があり、「脳」に興味のある方には是非ともお勧めのレシピも紹介しました。

今回はこれと被らない様にし、先日NHKの教育番組「バビブベボディ」でやってた「下垂体」君の活躍からシナジーを語らせて貰います。

下垂体は成長ホルモンと幸福ホルモン「オキシトシン」を分泌する脳の小器官で、オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれています。
成長ホルモンもアメリカでは「若返り薬」として人気で、日本でもネットで簡単に買えます。

今回はオキシトシンに話を絞り、「幸福」と「愛情」が如何に身体にシナジー効果を波及させるかを語ります。
まず、オキシトシンはストレス抑制系の神経伝達物質GABAやセロトニンと相乗してストレスに強くなります。

セロトニンも非常に広い相乗効果を身体にもたらすホルモンで、これについては実用的な本「セロトニン トレーニング」に譲らせて貰います。

オキシトシンはストレスを減らす事で前頭葉の活性化をもたらします。
誰しも強いストレスを受けて頭が上手く働かなくなった経験があるかと思いますが、けっこう日常の小さなストレスでも前頭葉はかき乱されてしまうモノで、幸福ホルモンはそれを防いでくれます。

愛情ホルモンと言われる理由は、肌と肌の接触によって分泌が高まるからで、これが高まらないと母乳が出ないからでもあります。
母乳と言えば牛乳と同じで、母牛でも如何にこの愛情ホルモンを高められるかが酪農の収益につながるので、「動物福祉牧場」ではオキシトシンの分泌を高める飼料を与えたいと思ってます。(高価なサプリメントではなく安価なハーブで)

「シナジー」に話を戻しますと、「幸福」と「愛情」は副交感神経を高めて右脳の活性化、免疫力の向上、毛細血管の活発化などに経がり、全身の細胞への栄養供給と新陳代謝の健全化にまで相乗効果は波及して行きます。
勿論これらの全てを理解するコトはヒトには出来ませんが、少しずつでも「知る」取り組みは進んで来ております。




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