真の動物福祉牧場を目指して

傑と知花の修行時代

今回はいきなり物語から入ります。

まずは名前の並び通り傑(ジェ)の修行時代から描きますと、これはかなり血の滲むモノに成らざるを得ません。
傑はもちろん戸籍など持たないので、「黒い子等」と同じく最底辺のブラックな仕事にしか就けず、そこで伸し上がるタメにはどうしても武力が必要でした。

傑の場合、特に武術を習得しなくても、母親の「稲妻のケチャ」から受け継いだ雷の様に電子を集める気迫によって、現場で「最強伝説」を作るのは簡単なコトでした。

これは福本伸行の「現場最強伝説 黒沢」から着想を得ており、チベットからウイグル、モンゴル、満洲と働きながら流れて行った傑は、社会の底辺で揉まれながら成長します。
これはゲーテの「教養小説」とタメを張るモノにしたく、もう一度「ヴィルヘルムマイスターの修行時代」を読み込んでアイデアを頂こうと思います。

次に知花(チーホァ)の修行時代を描きますと、これは前回述べた「脱北者シェルターを運営する」という行動からだけで描けそうです。

脱北者は中国で警察に捕まったら「北」に強制送還されてしまい、そこでは地獄が待ち構えています。
そんな危険と隣り合わせの脱北者を匿って、韓国や日本に逃れさせるのが知花の主な仕事でしたが、これにはもちろん給料などは出ず、それでありながら中国政府からは反社会組織と見なされ検挙される恐れがあり、「北」の秘密警察から命までも狙われる危険な仕事でした。

そんな危険を犯してまで知花が脱北者を匿ったのは、彼女の両親が共に脱北者だったからとします。
そんな彼女は「北の内実」を知り尽くしており、そこから命懸けで逃れて来る人々の心を善く理解します。

それは「たった一度の人生を、狂った独裁者の奴隷で終えるのはイヤだ」と云った心で、知花はそれに深く同調します。


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