真の動物福祉牧場を目指して

ラㇺダーンとホーリー

 昨日今日とラㇺダーン(日中断食)しようかと思いますが、世界中のイスラム教徒は4月11日まで30日間ずっとこれを行っているみたいです。

 イスラム教徒はどんどん増えている様で、2030年にはキリスト教徒を抜いて人類の26.4%(22億人)に達する見込みで、インドでは人口の2割ほどがムスリムだそうです。

 特にムスリムはインド北西部に多く、デリーはムガル帝国の都だったのでムスリム勢力が強くて、街中でお酒を売っている店は全く無くツーリスト-エリアのバーでしか飲めません。

 これが元大英帝国の都カルカッタだとずっとフリーで、特にフランス植民地だったポンディシェリーには蒸留酒工場(ブランデーやラム等)が多く在り「お酒観光」のメッカとなっています。

 話をインドのムスリムに戻しますと、彼等はヒンドゥーよりもずっと真面目で、同じインド人とは思えないくらい誠実です。
 外国人からボッタクろうという考えもまず持たないので、お金の両替などはムスリムの店でするコトをお勧めします。

 イスラム教では人はみな神の元で平等と説きますが、ヒンドゥー教では身分と貧富の格差を神の摂理としており、豊かな者には貧しい者に施しをする義務があるとしています。
 日本人はわりと平等主義なので、ヒンドゥーよりはムスリムと気が合うかと思います。

 しかし、お酒は厳しく禁じて葉っぱを良しとするムスリム文化に馴染むには時間を用するでしょう。
 何故ムスリムがお酒を禁じるのかは、それがエゴを助長して神との約束を忘れさせるからで、逆に葉っぱは神との絆を強める作用があるとされています。

 これは一種のパラノイア(偏執)と取るコトも出来、あんまり神との一体感をもち過ぎると人間社会なんてチッポケなモノは眼中に入らなくなる傾向があり、イスラム神秘主義(スーフィー)の強いパキスタンでは経済発展を悪と捉える向きすら伺えます。
 
 神は人にハンブルさ(慎み深さ)を求めており、余りいい気になって欲望を追求せずに、時には断食して神に従う姿勢を示すべきとしています。
 こうした姿勢はヒンドゥー教や仏教にも見られ、結局宗教というモノはみんな同じで、地球環境を破壊しかねない人の欲望をセーブする役目を持つと言えそうです。

 ここで話をヒンドゥー教最大の祭ホーリーに移しますと、これは今日から3日間に渡って行われ、デリーでは既に昨日から小規模なパレードが行われていました。
  

 お祭り道具を売る店も大繁盛で、それを中心としたサダルバザールの賑わいは凄まじく、わたしが観て来た中で断トツ一番の活況でした。
  

 この派手な太っちょの女性はヒジュラー(オカマ)で、彼等は女性に「美のお手本」を示すコトを商売としており、男からは蔑まされるので概ね無視しますが、一部の女性からは篤い支持を得ており良き相談相手にもなっています。

 こうした派手なヒンドゥーのお祭り騒ぎをヨソに、ムスリムはモスクの中で空腹を抱え渇きに苦しみグッタリとしています。
 その状態で土下座したり立ったりを繰り返す礼拝をすると、いつもよりも頭がクラクラして神を近くに感じられる気がします。
 わたしはそうしたパラノイアを神聖だとは思いませんが、車やバイクが増え過ぎて大気汚染が世界最悪と言われるデリーに在って、モスクの中は大昔と変わらない慎み深い空気が漂っており読書には最適です。

 昨日は金子光晴の「どくろ杯」を読破して日本人宿サンタナに寄贈しましたが、この大正時代の日本人放浪者達の極貧旅行を綴った本は、今の裕福な日本人旅行者達にハンブルな気持ちを呼び起こさせる良書だと思います。
 
 
 

 
 

 
 
 
 
 

 
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