それはもちろん物語のバトンを引き継ぐ形で述べ、十年後、二十年後と捉え易く紹介する為に、ジョンが90歳まで、天臣が100まで生きるとして、その最期に焦点を当てます。
この2人も歴史ロマンの主人公として描く以上、人生の最期までを描かなければ片手落ちになる気がし、自分が生まれ育った時代を良く認識したいというモチベーションは昔から持っていたので、それにかぶせて書きます。
ジョン-ジョード氏はダライラマ14世と共に世界を巡った後、チベット亡命政府のアドバイザーとして迎えられて最期まで北インドのチベット圏で暮らします。
彼にとってインドは生まれ故郷であり、チベットとの関わりも青年の頃からずっと続いており、トゥルクを娶る事は出来ませんでしたが最期まで彼女を支え続けます。
彼はトゥルクを連れて日本にも再訪し、その復興と発展を見届けます。それはちょうど私が生まれた頃の日本にしようかと思い、平和主義が発展を齎した好例としてポジティブに描き出したいと思います。
また、 前世のトゥルクが残した土壌(「浦上の復興を陰で支えたモノ」)が広がり発展している事も見届ける価値があります。
日本の復興を土台から支えたのはその豊かな土壌であり、それが世界でも稀な生物多様性に恵まれた土だったお陰で、日本人は健康と豊かな精神を育めて発展しました。
ジョンには日本と英国とインドを経ぐ(物理的な繋ぐと区別したい)架け橋にも成って欲しく、当時の日本での英国ロックブームなんかにもコメントして貰おうかと思います。
80年頃では日本語を操る外国人タレントはかなり貴重だったので、ジョンはテレビやラジオなんかにも売り込みをして、かつて長崎で大家族を築いた英国人として、日本人に特別なエールを送って貰います。
チベット亡命政府の世界的な広がりについても紹介する価値があるかと思い、鎖国同然だったチベットから多くのディアスポラが世界中に散って行った事は、人類全体にポジティブな作用を齎した面もあると思います。
チベット人亡命者はアメリカと欧州で特に歓迎されており、彼等は物質主義に染まり精神性が堕落した欧米の人々(この自覚が強い)から、精神的な豊かさを齎す存在として珍重されております。
トゥルクは女性の転生活仏として特に珍重され、ダライラマに次ぐスポークスマンとして世界を飛び回るようになり、ジョジョは高齢にも関わらず常にそれに付き従います。
そうして得られた視点から、ジョジョは最期までジャーナリストとしての天職を全うし、私が生まれた頃の世界を広く総括して貰おうと考えてます。
一方、天臣はカンボジアでの共産革命の悲劇に向きあった後、鎖国同然だった中国に帰ります。
彼が活躍し見届けた95年までの中国については、次回に書きます。