真の動物福祉牧場を目指して

五月晴れ 子どもは生まれ 名をさずく

5月はよく晴れ、まだ暑くなくてちょうど過ごし易い頃なので、みんな活発に仕事や勉強に精を出せる季節です。
記念日が多いのはそのためかと思われ、子供の誕生日も一番多い月で、私も憲法記念日の5月3日生まれです。
カソリックでは生まれたばかりの赤ちゃんに洗礼を行い、祝福と聖人の名前が与えられます。イエズス会もそうした儀式を伝えていて、これはお清が主に引き受けてます。

この年の5月には記録的な赤ちゃんが誕生し、これはそれまでの日本では有り得なかった40歳での高齢出産です。 これを無事達成出来たのは抗生物質による帝王切開の安全化もさることながら、妊婦さんの健康管理が特別に優れていたからで、それを実現させたのはフランス人のカップルにします。

まだ名前を付けてませんでしたが、年下のワイフはミシェル、ダンナはピーターとします。
このカップルはもうすっかり日本に馴染んで、最初の頃はスパイ活動なんかで忙しくて子どもを作りませんでしたが、すでにフランスはドイツに占領され、ベトナムをめぐって日本と戦っている場合ではなくなって任務は放棄されました。
そしてなによりも、浦上クリスチャンの暖かいコミュニティーの中にどっぷり浸かっている内に、すっかり人種間で争う事が無益に思える様になり、この融和の土地で子育てしたいという気持ちを持つに至りました。

設定ではトゥルク達が長崎に着いたのは1925年とし、既に20年を日本で過ごしています。 その間このカップルはしょっちゅう日本各地を旅して回り落ち着かず、戦争が始まって自由が効かなくなって浦上に定着して、臨時にお清の学校で音楽を教えながらブラブラとあちこち訪ねて回るうちに、天臣の医院でボランティアをする様になります。

それはミシェルが若さを保つ気功にハマったからで、天臣の元にはそうした女性達のサークルが出来て、そこでは主に内気功という、呼吸と運動を組み合わせる事で体温を上昇させて、免疫力や酵素活性を高める技法を伝授していました。
テレビなどで、気功師が手から発する熱で目玉焼きを作ったりしてるのを観たことがありますが、天臣はそんな熱い手を持った若さを保つ男で、多くの女性を引きつけます。
結局、彼の女房はイメージが浮かばなかったので、彼には独身の道を潔く貫くモデルとなって頂きます。

前代未聞の高齢出産にはピーターも極力協力して、多くの人達に見守られながら産まれた男の子は、教会の聖なる水(ぬるま湯)で洗礼されて名前を付けられます。
それは日本人にとっては渾名みたいなモノになりますが、カソリックの伝統を持つフランス人にとっては本名であり、全ての名前は過去の聖人達から引き継がれたモノとなります。

この洗礼はいわば新生児に名前を授ける儀式で、それによってコミュニティー全体に赤ん坊の名前が知れ渡ります。
こうした村全員で赤ちゃんを面倒みるという象徴的儀式が洗礼で、マリヤはその産婆役を担います。
産湯の中で赤ちゃんは胎内に戻ったかの様に安心して眠り、参式者はそれぞれ自由に祝福を与えて行きます。
ピーターとミシェルの子は大人から子どもまで大勢が祝福を与えられ、この新しい家庭をみんなで応援しようといった空気が浦上中に広がりました。

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