今は旅行中ですが、週一でテレビを観る習慣は変わっておらず、「青天を突け」はとうとう終わってしまいました。
これは私的には、これまでの大河ドラマで最高傑作だったと思い、NHKは日本を代表するテレビ局として立派に成長して来ていると思います。
最終回で特に印象的だったのは、関東大震災で中国から義援金が送られ、渋沢栄一はそれに感動して後に恩返しをするシーンです。
こうした、米中両国と「友好の手を握る姿勢」を貫いた渋沢栄一を大河ドラマでは「英雄」とし、それがこれからの日本人の取るべき姿勢だと示してるようでした。
ドラマでは「人と人との絆」も大きなテーマとしてて、栄一の遺言の締めが「どうぞ他人行儀にしないで下さい」だったのも印象的でした。
続いてNHKスペシャルでは、また「中国問題」がフィーチャーされており、日本の立ち位置を真剣に模索している番組でした。
前回のNスペは「ウイグル問題」についてで、これはちょっと中国への「忖度」が感じられ、本などで語られている生々しい証言は放送されませんでした。
これについては「命がけの証言」(メインは漫画)が出ており、ネットで無料公開されてかなり拡散した為に、中国政府の圧力が日本人の作者にまで加えられた曰く付きの本です。
昨日のNスペでは、中国の軍国主義に対する懸念が表明されていました。
近々軍事力でアメリカを上回る中国は、ロシアと手を組んで民主主義勢力と対決する姿勢を強めています。
その引き金と成っているのが「台湾」で、この九州程の大きさの島国は大陸の政府に「歴史の総括」を要求し続けております。
共産革命から逃れたブルジョア(資産家)達によって建てられたこの島国は、日本と同じ様に経済発展を遂げましたが、今正に中国に呑み込まれようとしております。
しかし台湾は香港の様に、簡単に呑み込まれる積もりは無さそうで、いざ戦争となったら日本の立ち位置は相当難しくなります。
日米安保条約によって民主主義勢力を助ける義務がある日本は、「信義」を重んじる故に中国と対決せざるを得なくなるでしょう。
しかしそれは「勝者のない戦争」であり、それに巻き込まれない事が唯一の勝利とも言えます。
幸いアメリカは穏健派の政府になっており、この機会に日米安保条約を解消するのが得策かと思いますが、「イデオロギーの正義」に引き摺られている日本政府にその決断は下せないでしょう。
私が思うに、真の正義とは「人類愛」であり、それは大陸の人民とも結べると信じます。
中国人民が「党(ドン)」の洗脳を受けて育ったコトは否めませんが、人の心は常に変化するモノで、いくらドンの権力が絶大であろうとも、全ての人民の心をコントロールするコトは不可能です。
渋沢栄一の様に、日本人は中国人民の心を掴むコトを目標にすべきでしょう。
前置きはここまでにして「タシの祈り」に入ります。
タシについてはまだ、自閉症であると云うコトしか描いてませんが、年齢としては私と同じ40歳位にしようと思います。
彼は言葉が喋れないコンプレックスから、肉体的な仕事に精力を注ぎ込み、その道で「人物」として認められます。
自閉症の人が「幼稚な拘りに執着する」のは、社会の「光」が彼等に届いていないからで、言葉が解らない(聴覚障害)彼等にも、以心伝心で「光」を届ける「人類愛」がチベット文化には有りました。
タシはヤクと善く心を通じさせ、犬とも善き「群れ」を作ってそのリーダーと成ります。
彼は肉体を鍛え上げ、人民解放軍との戦いでも活躍します。
この物語ではチベット側の善戦を描いて来ましたが、現実には僧院に建て籠ったチベット軍は、砲撃と機関銃とモンゴル騎兵によって無惨に踏みにじられました。
そうした戦渦を生き抜いて来たタシは、優樹国に逃れ着いてからは本業の「僧」に戻り、行善の善き弟子となります。
行善の太鼓のリズムの祈りは、タシの耳にも覚えられる「心の音」として残り、彼はとうとう「言葉」を手に入れます。
それは祈りのマントラ(真言)で、「南無妙法蓮華経」でも「オームマニペメフム」でも、「アーメンハレルヤ」でも「アッサラームアライクム」でも、「七音のビート」で唱えられる祈りは全て彼にとってみんな同等でした。
その「祈りの心」は共通しており、音は違えどその「声」はみな同等にタシには聴こえ、それを出来るだけ真似た彼の祈りの「声」は特別な包容力を持ちます。
これを、宗教を否定する中国政府への人民の「声」として描き、島国と大陸との対決姿勢を緩める「吉祥の祈り」にしたいと思います。