真の動物福祉牧場を目指して

十五年 続く戦争 どう描く

物語としては第二部の初めの章、「芯」の終わりからこの十五年戦争が始まり、「辛」の章に突入します。
それにはまず、この日本人にとっての「最後の戦争」がどの様な経緯によって起こったかを描く必要があり、これは学校で教えるのが非常に難しい歴史です。

直接的な開戦の要因は中国に居る日本人へのテロであり、それを行ったのは中国共産党です。
中国革命は清朝を倒した後に分裂し、理想主義的な農民と労働者の国を目指す共産党と、勝利を勝ち取った軍があくまで主導型を握ろうとする国民党に別れ、激しい内戦を続けて来ました。
共産党は一時根拠地を全て失い、長征という敗走によって辺境の地に追い込まれましたが、当時共産主義革命がロシアからモンゴルにも波及していて、その援助によって息をつなげます。

共産党が国民党を倒すには、当時モンゴルまで進出して来ていた日本軍を内戦に巻き込む必要があり、テロで挑発して国民党と戦わせます。
この経緯は「農聖サイオンの伝説」で紹介した物語の方で詳しく描く積もりで、ここではテロのニュースとして伝えるまでにとどめます。
その訳は、これが子供向けのアニメには余りに過酷な事件で、それは共産党の日本軍への毒ガステロ(ロシア製のサリン)に対する報復として、付近の村をマスタードガスで全滅させた歴史の汚点が在るからです。
これは当然、中国の歴史教科書にはずっと書かれ続けておりますが、日本の教科書に書かれた事はありません。私はこうしたギャップは望ましくないと思うので、この全滅させられた村から奇跡的に生き残った少年を主人公として、物語を描こうと思っております。

こうしたテロは中国各地で起こり、上海事変もその一つで、日本山妙法寺の上人が街頭修業中に殺害されたのが戦争のキッカケとされます。 因みに日本山は日本統治下の満州で生まれた宗派で、仏教を通した日中友和を追い求めましたが、その夢は政治に阻まれて未だ実現しておりません。

こうした内戦に巻き込まれた日本は、一方的な被害者であったかと言うとそうでは無く、大陸での権益を拡大するチャンスと捉える政治が優勢を占めてました。
ではその大陸進出政策は如何にして世論を掌握したのかと言うと、それは明治維新の後にずっと引きずった士族の不満が、急進的な資本主義の元で労働争議に発展し、農村での政府に対する争議も同時に加熱して、外にガス抜きをする必要に迫られた事が要因だと考えられます。
この農村争議の原因は大凶作にもあり、それは中国南部から飛来して来たトビイロウンカの食害によります。
これは貧しい東北地方の農民を離農に追い込み、朝鮮半島に移住させる事でなんとか争議を治めました。しかしこのトビイロウンカは何故、大陸から日本にまで飛んで来て甚大な被害を生んだのか、それは当時の中国の動乱と無関係では無いような気がします。

それはともかくとして、この物語ではこの日中戦争としての十五年戦争のスタートが、日本で最初の日中友好協会を浦上に立ち上げたお清と光珠に、如何に深刻な悩みを生じさせたかを描きます。
それはすぐに子ども達の世界にも悩みを生じさせ、それに打ち勝つ子ども達の活躍を次回に描こうと思います。


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