これはちょっとイレギュラーですが、女性トゥルクの場合はあまり形式張らず、成長してからの器量と実力で選ばれる傾向があり、秀祥はその点で申し分なく転生者の器を備えていました。
因みに男性トゥルクの場合は形式を大事にし、幼少の頃から政治的な役割を担うべく英才教育を施します。
しかしこうした伝統も、亡命チベット人社会では本国にトゥルク捜索隊を派遣するコトが出来ないので途絶えてしまいそうです。
しかし女性トゥルクが途絶える心配はなく、それは民衆にとって大きな心の支えなので、求めに応じて融通良く転生が認められます。
こうして秀祥は19歳にしてトゥルクと成り、伝統によって護衛が2人付けられます。
この構図は最初の物語「Syn」で描いたのと共通にし、2人の護衛はデカとチビとして区別します。
その名前も共通させるコトとし、チベット名をフィーチャーしている「風の谷のナウシカ」から取って、大柄で貫禄のある方をミト、小柄で機転が効く方をユパとします。
この2人は「ナウシカ(原作)」では、メーヴェで飛び回る姫様に追い付けずに後方支援しか出来ませんが、なかなか味の有る護衛役として描かれています。
しかし「ナウシカ」のミトもユパも老人なので、キャラを被せられず独自に描く必要があります。
私がこうした「戦いキャラ」をイメージする場合、やはり漫画のキャラクターから取るコトになります。(漫画喫茶のヘビーユーザーなので)
デカイ方のミトは、「村上海賊の娘」に出てくるライバル(恋愛対象から敵になる真鍋海賊の頭)が相応しく、この漫画はなかなかリアルに戦国時代の戦いを描いています。(信長vs本願寺の戦いがメイン)
もう1つ、リアルな戦いを描いている漫画として「ゴールデンカムイ」は白眉かと思います。
そこでは珍しくチビでも強い兵士(月島)が描かれており、彼の様なガッツのある護衛としてユパを描こうと思います。
また、ユパは戦いだけでなく智略にも優れているとし、そうしたチビのヒーローを描いた漫画では本宮ひろ志の「僕いますよ」を最近読んで気に入りました。
このヒーローは市役所の職員で、停滞していた地方の市に活を入れて蘇らせます。
なかなか新しく登場人物を創造するというのは大変ですが、日本で暮らす恩恵として漫画で多くのキャラクターを味わえるので、それらをアレンジし組合わせて使わせて貰い、次回にこの2人を物語の中で描きます。