真の動物福祉牧場を目指して

毛沢東のバルドゥ(審判)

このウィキペディアのページは読み切れない程の評価が記されており、これ程評価の別れる人物も稀かと思います。

毛沢東が歴代最多の殺人者であることは、恐らく揺るがせない事実でしょう。
その数は8千万人に登るとされ、ヒトラーやスターリンを遥に凌ぐ記録です。

こんな人物が聖人君子と奉られて、中国の全てのお札の顔になっている現状は問題だと思います。
これは台湾の反体制作家ポー-ヤン(故人 オンライン現代中国作家辞典)も問題視し、毛沢東が紙幣の顔である限り大陸中国には戻らないと意思表明していました。

この20世紀最悪の独裁者に審判を下す仕事は、アートの分野では重た過ぎる嫌いがあるかとは思いますが、その重荷を背負うキャパシティがこの物語には有ると信じるので挑戦します。

沢東(ヅェドン)と希聖(シーシェン)のバルドゥ(49日間の中有)がちょうど同じ時に重なって、それが一つに合体する構想は前に述べましたが、こうしたミラクルを引き起こすパワーは行善の法力だけに依らず、打ち拉がれたチベット人達の最期に残された矜持が集ってもたらされたモノとします。

そうした多くの声援(実際に励ましの言葉が懸けられる)を受けるシーシェンのバルドゥは、明るく心強いモノとして描けますが、ヅェドンの死には何の導きも無く、肉体こそ永久保存されて天安門広場に奉られていますが魂へのケアはおざなりだった事でしょう。

ヅェドンの来世を考えると、それは魔界(地獄、餓鬼、修羅の3悪道)への転生が避けられないように思われますが、シーシェンが革命同志の誼から手を差し伸べることによって、せめて畜生道には救い上げてあげたいと思います。

それは私が沢東になんら個人的な怨みを持たないからで、実際に会った事もない人を勝手に魔界へ落とすような事は出来ないからですが、それでも人間界に舞い戻って来られるのは歓迎出来ないので、犬か蛇にでも(彼は蛇年生まれなので)成って貰うのが適当かと思います。

因みに、薬物依存により精神を損傷させた人間が逝く来世は畜生界とされており、ヅェドンは睡眠薬中毒でしたが阿片には手を着けなかったとされています。
それは地主階級だった彼の親族の多くが阿片により空に溶け込んで逝ってしまったからで、その事から彼は阿片戦争から始まった太平天国の乱を支持しており、その革命を引き継ぐ気概を持っていました。

しかし投機主義者(革命に乗じて権力を握ろうとする輩)だったヅェドンは、熾烈な権力闘争から不眠症に陥り睡眠薬に溺れ、いつも午後にならないと目覚めなかったと伝わってます。

睡眠薬中毒について私は実体験がなく、二十代の頃によく読んだ中島らも(故人 中島らも - Wikipedia)がそれを詳しく描いておりますが、それは夢と現実が混ざり合う混沌とした境地みたいです。

そうした経験がバルドゥ(夢)にどう作用するかは想像し難いのですが、阿片中毒で死んだ親族達のカルマも彼に被さるので、やはり畜生道に堕ちるのは免れないとします。

そんな惨めなバルドゥの旅を見かねたシーシェンが、彼のパワフルな旅路にヅェドンを巻き込んで、いよいよ最期の審判を迎えようとします。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る