真の動物福祉牧場を目指して

教育は 勇気を与える ものであれ

子どもが大人に一番教えて貰いたい事は、生きる勇気であろうかと思います。それを与える為に大人は勇気を示す必要があり、その役はジョン先生に担ってもらいます。

その前に当時の教育システムについて、ザッと背景として述べておきます。
それは勇気を与える教育、という意味ではかなり成功したシステムでしたが、欧米人と仲良くする勇気ではなく、戦って打ち勝つ勇気なので、良い教育とは言えません。
また、日本人はアジア人を率いて導く存在だ、との教えはやはり、勇気は持てますが反感を買うので良くありません。

この、日本をアジアより上に考える教えは、現代でも経済性を第一に考える学校では、暗に子ども達に伝えられているような気がします。
確かに経済性は大事ですが、私はそれよりもっと大事な教えが学校には必要かと思い、それは個人や一国の経済性の追求よりも、貧しい国々の人々と富を分かち合う教えが望ましいと思います。

こんな当然の事をくだくだと書いた訳は他でもない、人類が今世紀中にも遭遇するとされる、石油とリン資源の枯渇による食糧難の時代を見越してです。
それはまだ日本では深刻に捉えられていませんが、このままの石油化学農法では人類が行き詰まる事は目に見えており、欧米では代替農法が真剣に模索されていて、このブログでもこれについて最初からたびたび触れています。

話が逸れましたが、ジョン先生の教育方針に戻ります。
彼はカルカッタのスラムで育ち、そこには学校が無かったので、母親のメアリーとラクシュミーが開いた寺子屋で学びます。 これは現代のホームスクーリングに近く、欧米では十把一絡げの教育よりも高等なものとして、富裕層の間で広まっております。
アメリカでそうしたホームスクーリングの少年(十代前半)と何人か一緒に行進しましたが、彼等はやはり他の少年とは明らかに違い、良い面では自立心、自尊心が強く、それは社交性が低いという悪い面としても取られがちでした。でもアメリカ社会では、彼等のような少年が大人になって活躍できる風土があるような気もしました。

ジョンの場合はかなり特殊な環境で、周りのインド人の大人は彼を叱る事が出来ず、子どものジョンはそんな立場を利用してガキ大将となりますが、思い上がりはメアリーにちゃんと躾られます。
母親からの教育は四六時中一緒なので強烈であり、彼女の正義心はジョンにそっくり引き継がれます。
ジョンが子ども達に一番教えたい事は、人間はみな兄弟である、という事に尽き、帝国主義国は必ず近い内に崩壊すると教え、その後に来たるべき平和共存世界のヴィジョンを描き伝える事が教育方針となります。
それが本当の勇気を浦上の子ども達にもたらし、周りの帝国主義教育を受けた子ども達と対決して行く。
そんな展開を次回に描きます。


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