真の動物福祉牧場を目指して

女性の本 5選

 女性は人類の半分なので、全ての本の半分は「女性の本」と言えるかも知れません。 
 そんな膨大な数の中からたった5冊を推奨するのは、無謀なコトは解っていますが「流れ」としてサラッとまとめてみます。

 まずは前回「蒼のマハラジャ」が「苦難の歴史を描いていない」と批評しましたので、それを描いたインド女性の本「緑の革命とその暴力」を挙げます。
 これについては初期のブログで詳しく語ったので簡単にまとめますと、イギリスがインドにもたらした「緑の革命」は綿花栽培を拡大し資本家を豊かにしましたが、農民は搾取されて食糧すら得られなくなりました。
 更にそれは土壌と水源も搾取し、塩害や水争いを引き起こしました。 乾燥地帯のラジャスタンやパンジャブで行われて来た持続可能な農業は壊滅し、農民の自殺率の高さは大きな問題となっております。
 こうした「苦難の歴史」を女性ならではの細やかな配慮と、学者としての冷徹な分析で描いたヴァンダナ-シバ女史は「ライト-リビングフット賞 (光の様に生きたで賞)」に輝きました。

 次にまた、アカデミー肌の女性が書いた「チベットの秘密」を挙げます。
 これも以前に「ある夫婦の闘争」で語ったので簡単にまとめますが、チベット女性の中から優秀な生徒として選らばれ北京で文学者になったツェリンは、文化大革命期に亡くなった父の痕跡を追うコトで「中共の洗脳教育」から脱します。
 彼女の夫となった王力雄も反体制作家で、共に「チベットの秘密」を追う闘争に身を投じて行きます。 二人は現在北京で軟禁されており、その著書も中国では発禁ですが、海外に支持者を多く持っており発信を続けられています。

 もう一冊、毛沢東時代の闇に迫った本で「中国の悲しい遺産」を挙げます。
 これは駐中アメリカ大使の妻になった中国女性の本で、真実を書くことの出来る「選ばれし者」として「苦難の歴史」と向きあっています。
 しかしそれは彼女の親戚みんなに多大な迷惑をかけ、そうした葛藤も女性ならではの正直さで語られています。 
 それは自分の弱さを認める正直さで、悲しみを隠さずに真っ直ぐと向き合っています。

 次に日本の「女性の本」に移りますと、田口ランディさんが好きで去年「パピヨン」を無料ダウンロード(kindle)で読みました。
 これはラダックの優れた旅行記から始まり、彼女の旅行記は「忘れないよ!ベトナム」と「オラ!メヒコ」もお勧めです。
 「パピヨン」はアウシュビッツで亡くなった子供たちの「ダイイング-メッセージ」である「蝶」を追う旅に移り、そこから「アル中」で死んで行く父親をホスピスで観取る話に展開して行きます。
 彼女のテーマは一貫して「死後の世界はあるのか?」で、その道の西洋での専門家キューブラー-ロス(女医)の伝記にもなっており、これだけ充実した本がタダで読めるは喜ばしいコトです。

 最後に再び農業についての本で、吉野せい「洟を垂らした神」を紹介します。
 彼女とその夫(三野混沌)は共に戦中の日本で反体制作家とされ、街を追われて田舎(福島)に移り住みます。
 農地を買うお金は無いので一からの開拓となり、それは物凄く大変な仕事で「赤貧洗うが如し」の生活が描かれています。 
 しかもそんな中で「貧乏人の子沢山」となり、病気の子を医者に診せられずに亡くしながらも、5人の子供を立派に育て上げます。 
 「洟を垂らした神」というのは子供たちのコトで、せいは貧しい中でも自ら子供の教育に力を入れて、それが彼女の人生を支えます。
 これほど心が「洗われる」本は滅多になく、日本農民文学の「草分け」としても価値のある本です。
 

 
 
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