ウルムチを警備している軍隊にはウイグル人も多く含まれていると前に報告しましたが、彼等は立ち上がった同胞達を弾圧するコトに当然躊躇します。
今回の蜂起では漢民族が多数派なので、ウイグル人兵達は彼等にも発砲するよう命じられますが、これも後々の復讐を恐れて躊躇します。
ウルムチに広大な公園は5つ在り、2つは小高い丘の公園で、あとは寂れたウイグル地区に在る潰れかけた水上テーマパークと、郊外に広がる野生的な生態公園、そして街の中心に在る人民公園です。
党の軍隊もいきなりこれら公園群を包囲し殲滅しようとしたワケではなく、まずは密偵を放って農民工とウイグル人達の要望を突き止めようとしました。
その報告によると、農民工には新婚のカップルがとても多く、彼等は単純にウイグルでならば土地がタダ同然で貰えるとか、店を開くのにも補助金が沢山貰えると云った漢民族向けの移住促進政策に惹かれて来たとされました。
これは勿論、新婦に化けた(実際に結婚した女子も居る)闇っ子女子達の演技力に依り、こうした希望に燃える若いカップルを撃ち殺すのは非常に後味が悪いので、漢民族の兵士達も今回の討伐任務には消極的となります。
そのタメ公園群の包囲戦は生温いモノとなり、夜間にこっそり抜け出そうと思えば誰でも出来て、それを手引きする兵士達も生まれました。
その多くはウイグル人兵で、彼等は貧しさから兵士に成らざるを得ませんでしたが、軍隊内でも差別を受けて漢民族に対する対抗心は一般人よりも募っていたので、喜んで革命軍に寝返りました。
このウイグル人兵士達の造反は党が最も怖れていたコトで、「ウルムチ蜂起」は公園群から一気に街中へと拡散して行き、もはや報道規制も追いつかなくなって世界中にネット動画でリアルタイムの報告が成されます。