この頃(平成の初め)は当然SNS、インターネット、携帯電話・スマホは一般家庭にはありません。パソコンも、そもそも一部のマニアのみの趣味で、さらにそのごく一部がパソコン通信と言われていたメール送受信・掲示板書き込みなどのサービスを使っていましたが、当然テキストのみのやり取りだったと思います。
この当時に、例えば子供たちが「明日の天気を知りたいな」と思ったら、とりあえず出来ることは、
・今日の新聞を見る
・177に電話する
・テレビを付ける
上二つはほぼ確実に知れますが、テレビは時間によりますね。
そしてこの当時に、例えば子供たちが「ガイルの連続技を知りたいな」と思ったら、とりあえず出来ることは、
・ゲーメストを見る
・ベーマガを見る
・ガイル使いの気さくな優しいお兄さんに聞いてみる
上二つはほぼ確実に知れますが(情報量・質的にゲ>べ)雑誌に載っている時点でもう誰もが知っている古い技になっているんですよね。その当時はそんなことは考えずに「新しい連続技だ~」「立ちスクリューだ~」と得意気に使っていましたけど。その当時格闘ゲームが上手い人は、自分でオリジナルの連続技やキャラ同士の技の相性なんかを探り当てているから上手いんですけどね。
そんな1992年のとある日、いつものゲーセンでストⅡダッシュの対戦台待ちをしていた時にふと隣のストⅡを見ると、普段このゲーセンでは見かけないお兄さんがガイルの一人プレイをしていました。そしてCPUバルログと対戦中にそれは起こりました。
ヒョーの準備で金網に張り付いたバルログ。なぜかガイルが投げのモーション。え、何でジュードースルーしてるの?
そして金網から強制的に剥がし落とされて、なぜか投げを喰らっているバルログ。は、なんで投げ喰らってんの?
畳みかけるようにさらにガイルが投げのモーション。投げられて倒れているのに、強制的に投げられるバルログ。さらに追い打ちで投げ。倒れているのにまた投げられるバルログ。常連さんも、店員さんもこの光景に釘付け…
真空投げのやり方が、我が町のゲーセンに広まった瞬間でした。
このお兄さんも、知らない人に教えたくて使っていたと思われるので、聞けば出し方を懇切丁寧に教えてくれました、詳しくは書きませんが。
そして、ストⅡの対戦台の筐体には「ガイル真空投げ禁止」のテプラが貼られましたとさ、めでたしめでたし。
今ならSNSで瞬く間に広がって、瞬時にアップデートでバグ対策されるんだろうな、と思ったらプレイステーション4で発売されたストリートファイターコレクションのストⅡで出来るみたいですね、ある意味すごい移植度ですね。エミュレーター?
ちなみに龍虎の拳の龍虎乱舞も、ほとんど同じシチュエーションで我が町のゲーセンに広まりました。