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青春の嵐 第6話「貧者であることからの独立のための教え」

2015年11月15日 12時37分49秒 | 青春の嵐
一応ながら周囲との和解が成り立ってから少し経ち、二学期の終わりを告げようとしたある日。
家に帰って見ると家に見知らぬ男性が居た。しかも年齢は非常に若く、年の頃からして二十代半ば過ぎと
いったところだろうか。
「坊や、ただいま。」
「お兄さん、誰?」
「僕かい?僕は君のお母さんの知り合いなんだよ。ほら、こういうモノさ。」
そういうと、この青年は名刺を見せる。
その名刺は証券会社に所属している佐藤隆弘と明記してある。
この人の証券会社での仕事は、営業もさることながら
フィナンシャルプランナーの資格も持っている上に、所属している会社では
毎週の週末、普段働いてて株式市況を見る時間があまり取れない方向けに
来週の海外の為替と株価と日本の株式市場との因果関係の有無とか
海外の経済情勢が日本の経済に具体的に何をどう影響するのかという事を
自らが集めてきた情報を元に分析して今後の株式市場はどうなるのかという
解説をするアナリストという役職でもあるという。
そしてそれをメールマガジンを情報発信している。

このとき寛一は脳裏で何か閃いた。
「ねえ、お兄さん?」
「何だい?」
「どうしたら、相場に強くなれるのかな?」
「ははは。君はこういう世界に興味があるのかい?」
「うん。どうしたら、相場の流れに合わせられるのかなって。」
寛一は隆弘に、人懐っこく訊いてみる。
「そうだなぁ。まずはチャートってヤツを読めるようになる事だな?」
「チャート?図面の事だね?」
「さすがは頭がいい坊やだ。お母さんとしては、さぞ誉れ高いだろう。
だが、それだけではダメだぞ?チャートには色んな意味があるんだ。」
「へえ~。色んな意味があるんだ?例えば、どの図面のどの辺りを理解したら
いいのかな?」
寛一が訊ねると隆弘は鞄の中からとある東証一部上場企業のチャートが印刷された
一枚の紙を取り出して説明して見せる。
「例えば、これを見て。よく見ると黒いロウソクや白いロウソクがお互い上下に向くように
並んでいるだろ?」
「ホントだ。まるでロウソクで山と谷を描くように並べて楽しんでいるようだ。」
寛一はロウソクチャートというモノを理解した。
「でも、その中に手裏剣のような十字やキリスト教のシンボルのような十字架のような
モノがあるよ?中にはダガーナイフや西洋の剣にも見えるのもあるし。」
寛一は隆弘にこの点を訊いてみる。
「これは相場の転換点って言ってね?相場の価格が最底辺に近いと最低価格の更新の終わりを
知らせてくれるし、最高値に近づくと、もうすぐ頭打ちでもうすぐ下がるからねと
知らせてくれる役割をしてくれるんだよ。」
「そうなんだ。これを理解すればいいんだね?」
「これだけじゃダメだよ?テクニカルというモノもチャートの中にはあるんだよ。」
「テクニカル?」
「そう。例えばRSIっていう指標がここにあるとしよう?これが世間一般じゃ30以下では
この株価は二束三文で売られすぎているから、もう買い戻すべきだとされて
値上がりに転じる事になるんだ。逆に70以上になると、そろそろ潮時だとされて
売り時に転じて下がるようになるんだ。」
「そうなんだ?それを覚えれば大概は負ける事は無いんだね?」
「だけど、これはあくまでもチャートの上での流れであって、そうなりやすくなるには
その会社の四季報情報と日経平均株価と、外国との為替レートが日本にとってポジティブになれば
会社の株価にプラス補正が加わるしニュースによっても株価にプラス補正が加わるんだよ。」
「んじゃ、それを覚えれば大抵の役に立つんだね?」
「まあ、そうなるのだが君はもしかして将来、個人投資家になりたいのかな?」
「もし、それで貧しい生活を何とか出来て幸せな家庭に出来るのなら
どんなに高いお金が必要だろうが、そんなのバイトしてでも稼いでみるよ。」
「ははは。君って頼もしい男の子だね?ウチのニートしてばっかの弟に
君の爪の垢でも煎じて飲ませてあげたいほどだ。」
こうして二人は、加奈子が家に戻ってくる二時間半の間に
すっかりと意気投合した。その間にも隆弘は寛一に個人投資家として大事な知識や教養は元より
お金に対する哲学とかいろいろ教えられた。



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