goo流・キャラネタブログ

ニュースなどを扱います。
あと場合によっては小説というかお話を書く事もあるでしょう。

青春の嵐 エピローグ

2015年12月05日 20時55分09秒 | 青春の嵐
埼玉に降り着いた寛一は、早速その大富豪の豪邸に近い住宅団地にある住宅に居を構えるや
近くの銀行に行き口座開設の手続きをはじめ、ありとあらゆる手続きに奔走した。
後は、どこかの学校の入学手続きでも考えてみようかと思った。
そのときである。どうもいじめられていた自分と同世代のヤツが居るようだ。
一部始終を寛一は見ていたが、どうも寛一が目撃していた所によると
この男は、あそこの大富豪の息子がお気に入りとしている
学校に通いながら大富豪の息子の専属の雑用係をしている専属の下男という。

そいつの事をいじめていたのは、どうもそこの大富豪の従者でコイツの朋輩や先輩らのようだ。
これは寛一の想像かつ憶測での事だが、恐らくコイツが大富豪に出すぎた真似をしたのか?
それとも自分らを差し置いて大富豪の受けが良すぎたからこうなったのか?
いずれにせよ、コイツはこの屋敷の中では他の者と関係は殊の外、良くないのはもう理解した。
このときである。寛一の脳裏に正に奸心必迷のとおり
邪な心が走り新しい土地で心機一転するはずだった寛一の思いを迷わせたのである。
(そうだ。コレはいい機会じゃねーか。上手くコイツに貸しを作ってあの家の
下男の一員に加わって貰おう。まあ、表面としてはコイツの顔を立ててやるとしてだ。)
更に、幸いな事にコイツはボコられたばかりで今すぐには立ち上がれまい。
寛一は、通りすがりの通行人を装って近づき介抱してやる。
そこで、傷の手当をしてやり食事をおごってやる。
どうやらこの男は冷遇されているのか、沢山食べているようだ。
そこで寛一は、しばらく親しげに話しお互いの名前を教える。
どうやら、この男の名前は本田祐二という名前らしい。
コイツは元は児童養護施設で捨てられていたらしく、そこの施設長が
ホンダのバイクが好きなため本田という苗字をつけたという。
そして大富豪の息子が小さいときの誕生日に自分の友達のような下男が欲しいという理由で
その施設から大金の寄付と引き換えにこの屋敷に引っ張ってこられ、
そこから大富豪とその子息に気に入られるために、朋輩や先輩らが
どんなに高い賃金を出しても引き受けたがらない事なら何でもやって来たという。

彼らにボコられたのはどうやら、それを主に取り入る追従と見做されたらしい。
そこで寛一は、祐二に自分の事を推挙して貰えないかを迫った。
最初はあまりいい顔をしなかったけど、助けて貰った恩を徒で返すのは如何なモノかという
考えをこの男はしていたのか、遂に考え込む。
(やはり、コイツはオレの生まれ故郷の連中たちとは違うらしい。
このままタダ食いして帰ろうなんて出来ない性格だよなぁ?)
そこで寛一は、夜になってから返事のために落ち合うという約束をしておいた。

(あの、手の男は良くも悪くも上にバカがつくほど真面目で忘恩の出来ぬ性格のようだ。)
そう寛一は踏んだ。そして夜を迎え、寛一は屋敷の鉄の枠塀の所で落ち合った。
その結果、下男が去年から相次いで主と喧嘩になったり息子を息子と思わぬ
事をやってそれが原因で解雇になったりで
人手不足になってるようだ。それで、祐二はその主に、今度の日曜日に
寛一の事を推挙したいと申し出た所、会っても良いという返事を得られたのである。
これを聞いた寛一は、内心を隠しつつ次の日曜日のための準備をしておく。
そして次の日の日曜日、寛一は大富豪、門摩昭三とその息子の昭介父子の前に紹介された。
数々の非凡なスキルの多さの上に他の朋輩や先輩らが、まったく問題にならぬ能力が
気に入られ、特に息子の昭介が今すぐにでも欲しいと気に入った。
その結果、寛一は祐二の側で共に学校に行きながら働くという条件で採用された。
寛一の旅立ちは、今始まったばかりなのである。




        END


コメントを投稿