ジャマイカに来て、まずは最初の一歩ということで
ホテルでいったん休憩した後、お金をジャマイカン・ドルに換金しに行きがてら、僕らは散歩に出たんです。
するとほどなく黒人二人組が、陽気に近づいてきて、僕らが行こうとするところに、ずっと付いて来たんです
やたらと握手してきて、『俺たちは、これで友達だ』 などと、のたまってたんです
僕らも、『そんなに害はないから、まあええかー』 ぐらいに思って、適当に相手してたんです。
近道を教えてもらって、その通り山の中腹ぐらいにさしかかると
一気に大勢の連中に囲まれて、換金前のアメリカン・ドルを脅し取られたんです
僕は頭に来て、連中をどつきまわしたろう、としたんですが、友人が僕をつかんで、
『よしわ ここは日本と違うから、やめとけ
命あってのことやから、今は素直に引き下がろう
』
と言うので、仕方なくくれてやりました
出鼻をくじかれる事になったんですが、ただまさかの用心のために、財布にはほんとに少額のお金しか入れてなかったんです
実は二人とも、大半のお金を靴下とか、パンツの中に隠し持ってたのが、功を奏しました
だからナイフをちらつかされても、うまく逃げ切れたんです
( ホテルの庭師のマービンと )
夜、彼女達の誘いで夕食に出かけたんですが、そこのレストランで不思議な光景に出会いました。
レストランの隅にあるレコード・プレイヤーのまわりに、多くの人がうずくまってたんです。
彼らに何をしてるのか、聞いてみると
地元の若者は、レゲエが好きでいっぱい聴きたいんだけれど、お金が無くて、レコードが買えない
だからここへ来て、お客さんの迷惑にならないようにするから、という事で店の主人に頼んで、おとなしく聴かせてもらってるとの事
昼間にお金を脅し取られたけれど、なんか彼らがちょっとかわいそうになりましたね
( 同じ連中では、ありませんが )
そのあと、同じホテルのお客さんに、ドラッグストアに連れて行ってもらい、酒を購入
彼女達と一緒に、憂さ晴らしのための宴会をして、ジャマイカでの一日目が過ぎたのです・・・
つづく