ＰＳ２版夜明け前より瑠璃色な おまけシナリオのツボ②

　
ＰＳ２版「夜明け前より瑠璃色な」。
今度のおまけシナリオ「天敵～朝霧家最強の生物～」は、リース＆フィアッカとカリスマスキンシップ師の称号を持つ穂積さやかの微笑ましく羨ましい仲良しぶり？を取り上げたお話です。

ロストテクノロジーＶＳ地球のお姉さん。
戦いの幕は切って落とされた！？



おまけシナリオ　『天敵～朝霧家最強の生物～』



『お掃除は～♪　ココロもキレイにぃ～♪』

朝霧邸内に響き渡る明るくも愛らしい歌声。
ミアが掃除を始めると決まって口ずさむ、彼女が作詞作曲した「お掃除の歌」。
今の朝霧家ではミアの歌が日常的であり、聴き心地も良い事だろう。
しかし平日ともなれば朝霧家の人々は学院や仕事の為に家を空けてしまうので、ミアの歌は聴けそうで聴けない場合が多いのかもしれない。

『ふあぁ・・・』

２階にあるさやかの部屋のドアが開かれ、中から金髪の少女が姿を現す。
リースことリースリット・ノエル。
事情があり、今は朝霧家のさやかの部屋で寝泊りしている。
リースは掃除で忙しいミアの足音や物音、そしてあの歌で起こされたようだ。
寝起き時の彼女はいつも不機嫌そうだ。
しかし時間はというとすでに昼下がり。
ミアが家事にいそしむ時間であって当然なのだ。
リースを起こした主のミアは今まで２階にいたが、１階にある固定電話の着信コールを聞き、慌てて階段を駆け下りて行ったようだ。




起きたからには起きる。
ミアに悪気がある訳ではない。
リースは１階に通じる会談を降り始める。
しかしリースは階段で自分の足を滑らせる“トラップ”に遭遇してしまい、見事に引っかかってしまった！！

【突然ですがここでクイズです】
Ｑ１　リースは階段にあった何の“トラップ”に引っかかった？
Ａ：階段にツヤを出す為に施されたワックス
Ｂ：水拭きをする為のバケツからこぼれてしまった水たまり
Ｃ：階段を拭きかけてそのままにされたぞうきん
Ｄ：１階のリビングから漂う食べ物の匂い

『わっ・・・わたたっ！？』
悲鳴というものは普段の声とは一味も違う。
やけに色っぽい悲鳴を上げながらリースは階段から転げ落ちる。
リースの階段から落ちる物音や悲鳴は固定電話で通話中であろうミアには届かなかったようだ。

―ごんっ！！




家庭内事故はいつどこに潜んでいるのかが判らない。
派手な衝撃音が発生した割には主だった外傷は無いようだ。
リースは思ったより身のこなしが素早いようなので、大怪我を免れたのだろう。
だが・・・。




『起きろ。起きろリースリット！』

目立った外傷が無かったがリースは気を失ってしまった。
リースの心の中で何者かが幻聴のようにリースに話しかける。
やがてリースは倒れた自身の身体をゆっくりと起こす。
リースの碧色の瞳が真紅に変わり、目つきが変わる。
瞳の色が変化したという事は、リースの中にいるもう１つの人格が表に出て来たという事でもあった。
よって“本物のリース”は目覚めていない。
このままリースリットに気を失わせたまま放ってはおけない。
家人の誰かが見つけたらパニックにもなりかねないから。
それはもう一つの人格が下した判断。

『まったく・・・』

今のリースはリースにあらず。
リースの中にあるもう一つの人格。
それはロストテクノロジーによって意識だけを他人の身体に代々宿らせ続け、数百年の時を生きて来た技術屋。
名は「フィアッカ・マルグリット」という。
ロストテクノロジーの豊富な知識を保有し、自身がロストテクノロジーのマニュアルとして今まで存在し続けて来た。
ロストテクノロジーは扱いを間違えると非常に危険な為、使用法を書物等に残したりしては心無い者がきっと悪意に満ちて誤った使用をしてしまうだろう。
それを防ぐ目的としてかつての技術屋達は良識のある「生き字引」を長年生かせようとした。
その結果がフィアッカだった。

しかしここではロストテクノロジーについては二の次。
朝霧家の面々はフィアッカの存在は当然知らない。
もし異変に気付かれたら後々面倒だ。
リースの感じた情報はフィアッカも感じ取る事が出来る為、朝霧家の情報は掴んでいる。

『こんな装飾だらけの服を着ているから転ぶのだ。』

【突然ですがここでクイズです】
Ｑ２　フィアッカはこの後何をしようと思った？
Ａ：ゴスロリ服の着心地が悪いので動き易い服に着替えようと思った
Ｂ：リースが目覚めるのを待つ為にさやかの部屋に戻ろうと思った
Ｃ：あくまでリースを装ってミアに怪我が無いか見て貰おうと思った
Ｄ：起きてまだ何も食べてないのでとりあえず腹ごしらえをしようと思った

しかしフィアッカの思惑はある者の出現により、それ所では無くなる。




―さやかがあらわれたっ！
―さやかはこちらがみがまえるまえに、うしろからおそってきた！
―さやかは『たっだいまぁ～♪』とおたけびをあげた！

※ここからは某有名ＲＰＧ風に実況を交えて進む事にしよう

『リースちゃんが出迎えてくれるなんて、嬉しいわ！』

誰が出迎えをしていたというのだ？
しかも後ろから不意打ちとは！
こんなに早くさやかが帰宅するのは全くの予想外だ。
とりあえず今は自己ステータスを確認しておいた方が良い・・・。

なまえ：ふぃあっか
せいべつ：ないしょ
レベル：９９
ＨＰ：１２０
ＭＰ：９９９９

そうび
あたま：ふにふにぼうし
からだ：かわいいふく
そうしょくひん：ろすとてくのろじー

戦いに男も女も関係ない！とフィアッカは言いたげな自己確認だった。
一般の地球人相手にロストテクノロジーを安易に使う訳にもいかない。




―さやかは「おんなのこベタほめ」のじゅもんをとなえた！
―ふぃあっかはせきめんした

【突然ですがここでクイズです】
Ｑ３　フィアッカは自分に抱きつくさやかに対して何て言った？
Ａ：よさないか、サヤカ！
Ｂ：抱きつくな、サヤカ！
Ｃ：やめないか、サヤカ！
Ｄ：カワイイのは当たり前だ、サヤカ！

―ふぃあっかはさやかからにげるため「じたばたのまい」であばれた！
―ミス！にげるどころか16のダメージをうけてしまった（120→104）

『リースちゃん？』

―さやかは「うたがいのまなざし」をおくった！
―ふぃあっかはくちごたえができなくなった
―ふぃあっかはせきめんしつづけている

まずい。
外見はあくまでリースリットだ。
本体が目覚めない今、ここはいつものリースリットとして振舞う以外に方策は無い。
私は子供ではないが・・・。




『は、はなせー』

―ふぃあっかは「じたばたのまい」をおどった

今はリースリットを演じるしかない。
何とかさやかの魔の手から逃れなければ態勢もままならない。

―しかしさやかにはきかなかった！
―ミス！ふぃあっかは18のダメージをうけてしまった！（104→86）
―ふぃあっかはせきめんしつづけている




『あらあら、おイタしちゃダメよー』

―さやかはふぃあっかをしつけた

『や、やめろー』

―ふぃあっかは「ていこうのさけび」をあげた！
―しかしさやかにはきかなかった

『ふにふにー』

―さやかは「ふにふにー」のじゅもんをとなえた！
―ふぃあっかはあたまをなでられて19のダメージをうけた！（86→67）
―ふぃあっかはせきめんしつづけている




―ふぃあっかは「ていこうのさけび」をあげた！
―しかしさやかにはきかなかった

『むにむにー』

―さやかは「むにむにー」のじゅもんをとなえた！
―ふぃあっかはからだじゅうをもまれて25のダメージをうけた！（67→42）
―ふぃあっかはせきめんしつづけている




―ふぃあっかはさやかのこうげきのれんぞくで、たいりょくをしょうもうした
―ふぃあっかはさらに20のダメージをおった！（42→22）

なんというホールド力だ。
さやかは見た目より力がありそうだ。
やはりロストテクノロジーを使うしかないのか？





【突然ですがここでクイズです】
Ｑ４　『あらリースちゃん・・・？』さやかはリースに何て言った？
Ａ：目が赤くなってるわよ・・・？
Ｂ：目がテンになってるわよ・・・？
Ｃ：目がおかしいわよ・・・？
Ｄ：目が充血してるわよ・・・？

『じー』

―さやかは「うたがいのまなざし」をふぃあっかにあびせた！
―ふぃあっかはさやかからめをそらした
―さやかはふたたび「うたがいのまなざし」をふぃあっかにあびせた！
―ふぃあっかはくちごたえができずにしどろもどろになってきた

もはや抵抗する体力も気力も失せてきた・・・。
さやかはリースに本当に異変が無いかを見つめ続けた。
子供のちょっとした異変に気付いてあげられなければ、期間限定とはいえ保護者失格だ。
リースは本当の事を中々口に出さない。
だからスキンシップを図れば言いにくい事も少しは出してくれるだろう。




何とか・・・何とかしなければ・・・。
リースリットよ、早く目覚めてくれ！
今はそれしか解決の方法はないのだ。

『とりあえず一緒に・・・』

―さやかはおうぎまほう「おふろでルンルン」のじゅもんをとなえた！！




『う、うああああぁ～～～っ』

―ふぃあっかはさやかのじゅもんをきいただけで、ちからつきてしまった・・・
―ふぃあっかはさやかに、きょうふのバスルームへれんこうされてはいぼくした

そして30分後。
達哉が帰宅すると、リビングのソファにリースがなきがらのようにうつ伏せで横たわっていた。

【突然ですがここでクイズです】
Ｑ５　達哉はそんなリースを見てどのような表現をした？
Ａ：昼寝中のラッコ
Ｂ：泳ぎ疲れたアシカ
Ｃ：泳ぎ過ぎたラッコ
Ｄ：泳ぎ過ぎたアシカ

『リースちゃんとお風呂に入って仲良しになったのよ♪』
さやかはとても嬉しそうにしている。
良かったね。
達哉はさやかの笑顔に心が和んだ。
おそらくリースはもう目覚めていただろう。
リースは知らない。
気を失った後、あのフィアッカが「穂積さやか」という朝霧家最強の生物と戦い、あっさり敗北した事を・・・。




フィアッカが物事を覚え、忘れる。
半永久的に生き続ける存在のフィアッカに物事を覚えていて貰うという事は、月人にとってとても栄誉ある事。
フィアッカの気に留められる物事は即ち、長年に渡ってその物事の記録が確実に残る事。
もし学者や技術者が栄誉ある発見や開発をし、フィアッカが覚えたとなると多大な功績を残した事と等しいのだ。

「もう、忘れたよ・・・。」
もし過去の物事をフィアッカが忘れたなら、過去に見つけられた物事（知識や技術）の喪失を意味し、下手をすれば文明の回復に支障も出かねない。
あの恐怖のスキンシップは必要無いからこそ忘れるのだ。
フィアッカは本当に忘れられるのだろうか？
さやかのカリスマスキンシップはトラウマに匹敵する程のインパクトがあるのだ。
「忘れたよ」の台詞には、忘れようとしても中々忘れられない悲痛の思いが込められているのかもしれない。




『天敵～朝霧家最強の生物～』　ＥＮＤ




今回は前回よりも時間がかかってしまいました。
使いたい１コマが多いし、ドラ○エみたいな演出も加わったので結構手こずりました。
ゲームだとテンポが早くて直ぐに終るのですが・・・。
簡潔にまとめる事が毎回の課題ですが、始めてみると中々上手く行かないものです。
ＲＰＧ演出はここでは余計だったのかもしれません。

次回ですが、やるタイトルは未定です。
すぐに決められるとは思いますが、今書いている時点では未決です。
今回でおまけシナリオは終わりではありませんので。



























《クイズの答え》
Ｑ１：Ｃ「階段を拭きかけてそのままにされたぞうきん」
Ｑ２：Ａ「ゴスロリ服の着心地が悪いので動き易い服に着替えようと思った」
Ｑ３：Ａ「よさないかサヤカ！」
Ｑ４：Ｄ「目が充血してるわよ・・・？」
Ｑ５：Ｂ「泳ぎ疲れたアシカ」