ギャンブル
仕事仲間で、鳶の親方が居た。鳶とゆうのは、高い所の作業をする、専門の仕事人であり、縁起を担ぎ、気が荒く、一つ間違うと、今日は、仕事やめた!と、即帰る。そして、朝から、酒の匂いを、ぷんぷんさせて、現場に現れる様な、一団。気分の良い時は、馬鹿話をして、笑わせていた。親方は10人位を、引き連れて、纏めていた。袖口からは、色鮮やかな、入れ墨も見え、皆そうであった。休み時間、待ち時間の間、サイコロ、花札、果ては、通りを通る、次の人間は、男か、女か、を、かけるのである。親方は休みの日、ボートレース、競馬場へと通う。賭け事に関しては、流石と思わせる。競馬やレースがある日は、必ず。競馬予想、新聞競馬欄、を見、気に入らなければ、絶対買わない。一点買いオンリー。検討に、検討を重ねるのだ。通には、「銀行レース」とゆう、言葉がある。月曜日、「鳶の一団は」非常にナゴヤかな、空気で、仕事現場に。夕べ、親方が、BARを貸し切って、飲ましてくれたと。後に、親方から、話を聞いた。【あんちゃん、あのね、勝負のコツは】、チマチマ買うのもいいが、「俺は銀行レース」一本。これだ、思ったら一本だけに、100万、200万とかける。例え、配当が、150円でも、100万買えば、50万、200万買えば100万の、配当になるやろう。【私は腑に落ちた】後に、親方は、数年して、亡くなったと聞いた。太く短く、酒、女、ギャンブル、の人生。人、掌握術の、天才でもあった。【合掌】御機嫌よう🐫
「橋の建設風景」