水を求めて長蛇の列ができる、あそこの水は良いこちらの水も良い、良いと聞けば町なか、道端、山の中、スーパーにもである。ペットボトルを何本も下げて、ちょろちょろと滴る魔法の水をお構いなしに車に積み込む。美味しい水を手に入れるには“認”の一言につきる。
美味しい水を汲みに知人の家を訪ねる、いまここには住んでいないが土地と古家が有る。彼は定年で野菜を作りに町から上がってくる。この家の裏に石の間から滾々と湧き出(いずる)自慢の水がある、水質検査証の説明に力が入る。
私は、あまりこだわらないが妻が「まろやかで美味しいと絶賛する」。湧き出てくる石組が良い、自然にできたものだと言うがその上に石垣が築かれている。苔むして小さく溜め池が有り、柄杓が添えてある。美味しさが一段と引き立つ。
庭にできたトマトを冷やして食べる、“認”のできない私には極楽極楽!
この古家のトイレの明かり取りの土壁がまた良い