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ケミカルエンジニアの絶対音感

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シナプスの閃光 海馬のエクスプロージョン

現代化学への招待

2009-04-21 23:53:59 | books

 図書館で借りてきた本読んでます…。Nature Chemistryは3割くらい読んだ…。

以下、図書館の本

 ・三洋電機が出版してる珍しい本、電池の本(今手元に無い、名前わすれた…)
 古くはイラクのつぼから、ダニエル電池、新しくはリチウムイオン電池、太陽電池など、蓄電・放電デバイスを各種類2ページづつ紹介している本
 電解液の研究をしているわたくしとしては、ま、知っておきたい内容ばっかりなのですが、いまいち面白くなかったなぁ…。

 ・大学生の有機化学 大野惇吉著 三共出版
 さび付いた頭には丁度よい読み物でした。高校有機化学から大学有機化学へのステップアップのために書かれているので、簡単な内容しか書いてないのですが、知識の再確認に加えて、スペシャライズされているアタマにとって視野を広げる効果と、基礎から反応機構を見直す良い契機となることでしょう。
 著者の方も、なかなか粋な性格をしているようで、面白い表現が沢山ありました。共鳴構造の↑の使い方や、電子対、ラジカル表記などの正確な部分は、ハッとさせられるものがありました。まぁ、小生がその程度のレベルということですね…w

 ・現代化学への招待 廣田襄, 梶本興亜編 朝倉書店
 何故か各章すべて京大の先生が執筆されてる本。内容は読み物としては非常に楽しい。専門的な内容を門外漢にも分かりやすく説明してくれてます。化学という分野が実際に現代では、どのように研究に使用されているか、またはどのように研究されているかが書かれてます。2001年出版ですから、若干古くは感じますが、まだまだ未開というか興味を引かれる分野が盛りだくさん。宇宙空間に存在する星間分子の解析、NMRの研究、表面化学の不思議、高温超伝導体の探求、有機導電体の開発、触媒的不斉合成、生体高分子の3次元的構造解析、生命を分子の動きの観点から観察、地球温暖化。非常に幅広い内容で満足っ。

 2000年導電性ポリマーの白川教授、、2001年不斉触媒の野依教授、2002年生体高分子構造解析の島津製作所田中様。
 この時点で本の中に日本人のーべる化学賞受賞者の研究分野が3つも入ってるのは先見の明があるのでしょうかねぇ。それとも偉い学者サマの間では当たり前の感性なのでしょうかね。


 構造生物学、分子生物学の分野は、むづかしいようぅぅぅ(泣

 タマネギ剣士→ナイト→風水師→バイキング→サムライ→ニンジャって感じで、たくさんクラスチェンジして基礎力・スキルを積んで、やっと太刀打ちできるような気がします

 恐るべしバイオケミストっ!


森博嗣Ⅰ

2008-10-14 00:36:38 | books

 仕事が早く終わったので、森博嗣さんの「カクレカラクリ」を読んでしまいました。先日読んだ「すべてがFになる」も含めて感想をば。

 あくまで個人的感想と、感覚的独り言なので、悪意はありませんし批評するわけでもありません。
表現に正確さを欠く部分もあります。自分に出来ない事をする人を批判することはできませんが、まあ感想くらいはありますさ。ご了承ください。

まずFのほう。

 孤島のソフトウェア研究所に少女時代から天才博士と評価されている、真賀田四季という工学博士が、外界とほぼ隔離された部屋で15年間生活&研究を行っている。その研究所に、2名のお客さんが来て、しかもそこで起きた事件に首を突っ込むことで話が進んでいきます。1名は、結構イケメンぽい理屈の塊、N大助教授(今は准教授と言うのか)の犀川先生(32歳くらい)。もう1人は、犀川の恩師である西之園教授の娘で、計算能力が突出している、ひらめきときめきお嬢様N大生の西之園萌絵(19歳くらい)。この二人の妙コンビが事件を解決していくというお話ですね。

 以下、内容知りたくない人は読まないでくださいませ。

 そもそも、天才という定義は人それぞれ、時代によってそれぞれだと思います。萌絵さんのように5桁と5桁の掛け算が瞬時に出来てしまうのもある意味天才だと思いますし、絵をだれも感じ取れることの出来ない感性で表現してしまうことも天才、曲をきいただけで同様に演奏してしまうのも天才、ろくに練習もせずにテニスが強い王子様も天才…。他の個性と比較して、類似したものが無いもしくは、類似しているがその分野にて並ぶものが無いほど突出した能力を発揮する、またその能力に辿り着くまでに他の人間よりも短時間でいける、天才とはこんな人たちのことでしょうか?
 さて、真賀田四季、読み始めて80%くらいのところまで、非常に魅力的な存在でした。物語の序盤に死んで(死んだのは本当は娘)たってのがさらに良かったのですが、本当は生きてました。そして、彼女のこれまでの実績としては天才と呼ばれるほど素晴らしものを残してきたかもしれませんが、どうしてもこの事件のトリックに関しては、私は天才的なものを感じ取れませんでした…。その理由いくつか。

①隔離した部屋からの脱出方法:娘の死体を自分のダミーとしたこと。

②山根副所長を殺害した理由:殺す以外になんかあるだろう。

③娘に自分を殺させようとしたけど、娘が天才じゃなかったので仕方なく殺して自分が生きた。

 他にもありますが、主なのはこの3っつ。①に関しては、真賀田四季が生きていたっていうストーリーを完成させるために別の生命体が隔離された部屋に必要だった、森氏はそう考えたために、娘が出てきます(たぶん)。でも、真賀田さん、いくら天才だからって15年間も隔離された部屋のなかで娘を育てることはできますか…。天才というより異常人格に思えます…。人間的感情を少しでも持っているならば娘だけでも外界へ出して幸せに暮らせるように願うものでしょう。しかも、外に出さない理由は自分の計画のためです。つまり自分の娘を道具としてしか見ていなかった。自分の計画の達成のためには、新しい命の存在意義など全く意に介さない、非人間的な行為を行うわけです。人間としてある一線を越える行為は、大いに興味深い行為で、驚きのトリックの一因ともなりますが、やはり、ある一線を守ったテリトリーでトリックは考えたほうが、より深みのある物語になるのかなあと勝手に思いました。
 まあ、対案のない批判は良くないので… 

①天才なんだから、バイオテクノロジーにも明るくて、自分の死体とそっくりの肉や内臓をつくれるようにiPS細胞などを培養して、死体の偽物を作り、花嫁衣裳を着せてそれで人前にお披露目すればどう?

②やっぱこれも天才なんだから、そのへんの材料で急性の睡眠薬を合成しちゃうとか、デボラを使って山根の推理を間違っていると勘違いさせるとか、チャットを使って誘導催眠をかけるなどなど、いくらでもあるだろう!殺した理由が15年待ったからだと?娘の部屋の鍵を開けるのに開錠ロボを製作するくらいの発想を持っているなら、殺す以外にも簡単であとくされの無い方法がいくらでもあるかと。

③、やっぱり娘は生かそうぜ… ①の理由で娘の存在が物語上不要…。また居たとしても生きてだせるかと…。

 とまあ、ミステリーには、あまりリアルな人間的な思想や感情は持ち込んではいけないのですねぇ。私みたいな考えの人はミステリーを読むのには向かないのかもですね。
そもそも私は、ミステリーという分野はあまり好きではないのです。ミステリー=殺人ってのが昨今の常識なんですよね?殺人はイヤですよ。何故って?怖いし、悲しいし、非生産的だし、野蛮だし、血が出るし、肉が腐るし、臭いし、面倒だし、インテリジェンスやソフィスティケーティッドとかけ離れた行為ですよ。

 おう、気の向くまま書いてたら、まとまらないわ、眠いわ、「カクレカラクリ」の話題は書けないわで、てんてこ舞いですな!そうそう、ミステリー≠殺人という小説には、「カクレカラクリ」がありましたね。そういうミステリーなら大歓迎なのですがね!人の死なないミステリーで面白い本があったら是非紹介していただきたいものです。では、寝よう