冬桃ブログ

野毛大道芝居の本が出ました。

 野毛大道フェスティバルの出し物として
十年くらいも続けられた「野毛大道芝居」。
 
 第一回は1994年に上演された。
 野毛の狭い路上で。
 わたしがまだ「野毛」という場所の存在すら知らない頃だった。
 
 この町に足を踏み入れたのは、その翌年だった。

 それまで食べるために忙しく仕事をし、
人と知り合うと言えば名刺交換から始まり、
いつのまにか周りは、友達というより
利害関係のある人ばかりになっていた。
 それが崩れたのがこの年。

 夫が癌になり、私自身も体調を崩し、経済的なことをはじめ
もろもろのストレスから「自殺マニュアル」ばかり読んでいた。
 先の見通しはたたず、利害関係のある人は離れていき、
孤独のあまり、雑踏の中で足が動かなくなり、
人にぶつかられながら棒立ちになったりしていた。

 そんな時、ふとしたことで、野毛の人たちと知り合ったのだ。
 そこは名刺交換など意味のない、闇鍋みたいな世界だった。

 1996年の野毛大道芝居から参加させてもらい、
毎年、桜の咲くころから稽古が始まり、
真剣に(おバカな)路上芝居をやり、
友達がいっぱいできた。
 その人たちが「ほんとの横浜」を教えてくれたおかげで
その後、すっかりこの街にもはまった。

 大道芝居は2005年で幕を閉じたが、
いまも大事な仲間。
 昨夜は、当時から溜まり場だった「一千代」で
出版記念フグ鍋大会。

 なにが出版されたかというと、山中企画という
会社をやっておられる山中さんという方が
「横浜・野毛大道芝居の日々」という本を出してくださったのだ。

 出演者たちの思い出話をインタビュー形式で
集めたものだから、関係者以外、あまり興味はないかもしれない。
 でも、私達には懐かしくて嬉しい贈り物。
 当時はひたすらどたばた動き回っていたので、
どの芝居でなにをやったのか、さっぱりわからなかった。
 それが「ああ、こうだったんだねえ」と、この本で甦った。

 どんぞこから再生へと、私を導いてくれた年月。
 いくら感謝してもしたりないほど。

 平岡正明さん、永登元次郎さん、高秀秀信さんなど
亡くなった仲間たち、千葉や東京などからわざわざ観に来てくれた
大勢の友人たち(これまた利害関係のない人たちばかりだった)。
 ほんとうにありがとうございました。

 

 いつも、せりふが二言三言のチョイ役だったが
一度だけ、思いがけず主役に抜擢された。
 「二十四の瞳」の、おなご先生役。



 大汗かきながらフグ鍋を堪能。
 今年最初で最後のフグかも。



 仲間の一人、ひーちゃんがプレゼントしてくれた
新しい私の家族。

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