いよいよ発刊です！ 当初の予定と形態が異なり
上下巻に分かれましたが、その分、充実感も増したと思います。
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『横浜寿町～地域活動の社会史～』を上下巻で刊行します
横浜市ことぶき協働スペースを拠点に、2021年4月から活動してきた
「寿歴史研究会」が、このたび上下巻２冊の図書を編集し、まもなく
上巻を刊行します。12月1日より購入のご注文を受け付けるにあたり、
図書の内容と寿歴史研究会の活動経過をご紹介します。
『横浜寿町～地域活動の社会史～』上下巻の構成
1945年から現代までの77年の寿町を、俯瞰的・通史的に、寿地区で
活動した当事者が綴る序章から終章まで全９章の記録です。
寿町が形成された背景には、大きく戦争の爪痕があり、その後の
高度経済成長、バブル経済とその崩壊、格差社会の進行へと時代ごとに、
命と暮らしを守る市民の連帯を描きます。住民主体の活動に、
労働や福祉の政策に携わる行政の向き合い方が深く関わってきたのも、
寿地区の歴史を読み解くポイントです。また、下巻に配した巻末の資料では、
「寿の歩み」と「社会の時事」の対比年表により、戦後77年の地域活動を
総覧できます。
「寿歴史研究会」の発足について
「寿歴史研究会」は、2021年3月に開催したことぶき協働フォーラム2021
「寿に学ぶ、寿から伝える～『異なる』ゆえに『事成る』共生のまち～」
でのゲスト同士の再会が発端となりました。基調対談「寿の人々の軌跡と奇跡、
その魅力に包まれた日々」、トークセッション「障害があっても活躍できる
社会を目指して」に登壇し、30数年ぶりの邂逅に互いの志気を交換したところ
から始まります。現在、70～80代となるそのメンバーは、野本三吉こと加藤彰彦さん、
大友勝さん、村田由夫さん。寿生活館で、寿福祉センターで、また、住民懇談会や
自治会や寿アルクで、生活者の暮らしとともにあった方々です。
「若い世代に伝えていきたい」と意気投合し、研究会がスタートしました。
横浜市の元職員、寿町の史実や文化を研究する大学教授、作家などが加わり、
約10名の研究グループとなりました。
寿歴史研究会が目指したもの
寿歴史研究会は、毎月１回メンバーが集合し、資料収集や読み込みを重ね、
時代区分と執筆構成を進めました。そして、地域の活動者の皆さんのご協力を
いただくことで、図書刊行を目指すことができました。
寿歴史研究会の活動目的は次の３つです。
１．寿地区の歴史を俯瞰的、通史的にとらえた図書により、
これからの地域づくりを考察し、社会に発信する。
寿地区で築かれた自治や連帯の記録は多数の文献に残されています。
個別の資料を体系的に捉えた歴史書を編むことを第一の目的としました。
２．寿地区の地域活動の歩みを、当事者自身が体験や資料を基に執筆し、
後世に伝える。体験を伝えられる人が少なくなる中で、次の世代に
伝えることを意図しました。
３．寿地区で活動する人々に執筆を依頼し、活動の輪を広げる。
活動に関わった多くの人が参加する市民運動的な要素を
盛り込みました。
そして、その内容をとおして何を届けるのか、図書編集に込めた思いは、
「寿町とは何か、未来社会の原型づくり」です。
１．社会・経済の動向や政策のはざまで、人々がどう生き抜いてきたかを学べる。
２．戦後77年の歴史から、地域活動に必要なものを考察できる。
３．多様な実践から寿町とは何かを学び、地域を超えた社会づくり
へのメッセージとする。
このように、寿歴史研究会は、横浜寿町の形成を社会的背景から俯瞰し、
地域を支えた人々の活動軌跡を、当事者自身が執筆し、また、多数の
記録や資料を基に編集してきました。戦争がもたらした廃墟や貧困の
中で交差した人々、そこで生まれた地域活動を18人の書き手が綴る全650頁。
ぜひお読みいただきたいと思います。未だ戦争や差別が繰り返される社会で、
私たちが歴史に学ぶことの意味を、寿の実践と研究の書から多くの人に
届けられればと念じています。
『横浜寿町〜地域活動の社会史〜』注文フォーム
書籍のご注文はこちらのフォームで受け付けています。下記に必要事項を入力し、送信してください。
ご注文フォーム
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