冬桃ブログ

秘密の頓服

 楽しいことがあれば、いやなことも起きる。
 人生は糾える縄のごとし。
 このところトラブルに次ぐトラブル。
 
 ★奥歯の詰め物がいきなり外れた。
  大きな穴がぽっかり。
  あわてて歯科に電話するも、治療は五日待ち。
  さいわい会食などの予定は入っていなかったが、
「オンライン・トーク」の収録という仕事があった。
 マイクに向かって喋らなければならない。
 とりあえず発声に異常はなく、無事に終わったが、
食事はずっと「おかゆ」だった。
 詰め物を戻してもらった今も、ものを食べるのが辛い。
 嚙む動作がみっともなくて情けなくなるのだ。

 ★自宅電話がいきなり通じなくなった。
  ネットでサービスセンターの電話を捜すも
まったくみつからない。トラブルはネットで解決しろ、
ということなのだ。
 それができるなら電話番号なんか捜さないよ! と溜息。
 さいわい当該の会社に知り合いがいたので、そこへ電話して
サービスセンターの番号を教えてもらう。
 修理の人が来たのは一週間余り後。
 しかしその間、電話がいきなり通じたりする。
 なんだかわからないまま、コンセントがどうので直りました、
と言って修理の人は帰ったのだが、それから三日後、
また通じなくなっていた。かと思うと通じたりもする。
 数日後、別の修理の人がやってきた。
 「たしかに、おっしゃる日は電波が入っていませんでした」
 彼の手元には通信会社のグラフがあり、私の言葉が
嘘ではないことが証明されている。
 しかしどこが悪いのかわからないらしく、彼は床に正座して
電話機をぼうっと眺めているだけで微動だにしない。
 座禅か? 

 だいぶたってから立ち上がり、「すみません、原因が
わからないので、数日間、様子を見てください」と言って帰っていった。

 ★メールが届かなくなった。
 ブラウザとかサーバとかいう言葉でさえ、何がどうなのか
いまだに覚えられない私だが、ともかくまたメールの会社の
サービスセンターを捜して電話をする。
 平板な声の、いつ終わるともしれないガイダンスとやらを
根気よく聞き、ようやく終わったかと思うと、「ただいま
電話がつながりにくくなっております。このままお待ち
いただくか、おかけ直しいただくか……」このアナウンスを
千回くらいも聞いた気がする。
 で、結局、申し訳ないなあ、と心で手を合わせながら
救世主O氏に電話。なんとか解決。

 ★そしてゆうべは、パソコンを立ち上げたら、下部の
タスクバーが真っ白。アイコンが待てど暮らせど出てこない。
 こういう時、ネットで誰にともなく問題を提起してみると
同じ悩みの人がやはり「誰か教えて!」という発信をして
いることが多い。が、そのインターネットを立ち上げるための
アイコンも消えているのでどうにもならない。
 ついでにウインドウズマークも消えているので
アイコンの元に辿り着くこともできない。
……と思ったら、デスクトップにクロームのアイコンが
幾つかあった。
 メール添付でよく書類など送られてくるのだが、
前はダウンロードしたらワードかJPEDで出てきた。
 でも、最近はなぜかクロームマーク。クリックすると
インターネット画面にアップされた書類が出てくる。
 で、そのアイコンをクリックして、検索バーに
質問を打ちこんでみた(少しは賢くなったのだ、私も)。
 「タスクバーが消えた。どうしたらよいのでしょう」と。
 やはり同じ質問をしている人が数人いて、返答も
幾つかあった。
 しかし、その返答の文章が見事に理解できない。
 最初から最後まで日本語で書いてあるのだが
私の辞書にはない言葉ばかり。
 ネットの世界では、私など、どこかに降りるあてもなく
宇宙にぽかりと浮かんでいるポンコツ・エイリアンなのだろう。
 再起動か終了をしたいのだが、電源ボタンも消えているので処置なし。
 適当にデスクトップを右クリック、左クリックしてみても、何も出てこない。
 強制終了しようと電源ボタンを押しても、画面は消えない。
 夜の10時だったが、ついにまたO氏に電話。
「いま出先だから掛けなおします」という返事だったので
ネットなど見ながらぼうっとしていたら、あら不思議、
いつのまにかアイコンの並んだタスクバーが出現している!
 もうなにかに翻弄されているとしか思えず、夜中だというのに、
いただきもののお菓子を次々と食べてしまった。

 先日、あるところで聞いた。
「昔、家電が次々と登場した時、大人は子供に、
その使い方を教えることができた。でもいま、
パソコンは大人が子供に教わるしかない」

 ご長寿社会なんてちっともありがたくない。
 この先だってストレスまみれで生きるだけではないか。

 いよいよこれを開ける時が来たのかもしれない。
 何年も前に、友達からもらったもの。
 ストレスから逃れられなくなった時、
取り出して使おうと大事にとっておいた。



ちゃんと封をしたまま。


 そうっと、そうっと封をはがして、中を覗いてみた。

 なるほど。

 またしっかりと封をする。

 もうちょっと我慢しよう。
 もっと「いざという時」が来た時のために……。

 
  

コメント一覧

yokohamaneko
ちゃめごんさん

 悲しいかな、私はストレスがひどくなると
過食します。頓服でなんとかしたいのですが、
この先、生きていればまだまだストレスは増えるので
取っておきます。ひとつしか持ってないから、
分けてあげられないのですよ。ごめんなさい。
ちゃめごん
>もうなにかに翻弄されているとしか思えず、
夜中だというのに、
いただきもののお菓子を次々と食べてしまった。

ここの所がなんとも言えず、可愛らしいです、先生。
この頓服、欲しいなあ!
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