冬桃ブログ

肩に水

 結局、また「異教徒!」とののしられるのがいやで
続けてG整形外科に行くことはなかった。
 とはいえ、痛みは消えないし、なんらかの治療を
しないといけないのではないか、ほんとうの病名は?
 と、不安はつのるばかり。
 降圧剤を服んでいるというのに、
これでは血圧だって下がらない。

 一人で落ち込んでいるところへ
ほんとうに思いがけなく、救いの手を
差し伸べてくれた人がいる。
 「ブログを読みました。信頼できる先生を
紹介します。一緒に行きましょう!」
 と、連絡をもらったのだ。
 M子さんから。
 
 M子さんは、30年も前に仕事でお世話になった女性だ。 
 
 30年前、彼女はまだ20代だった。
 その頃、30代後半だった私は、
新しい仕事の世界に飛び込んだばかり。
 右も左もわからず、10歳以上も若い彼女に
なにもかも助けてもらった。
 やがて彼女は結婚し、なかなか会うこともなくなった。

 なのに、連絡をくれたばかりか
一緒に病院へ行ってくれるというのだ。
 泣きたくなるほど嬉しかった。
 ちなみに彼女は、夫も息子も医師。
 彼女自身も立派なキャリアウーマンだ。

 今月の半ば、彼女は仕事を休み、
朝早く家を出て、私をその病院で待っていてくれた。

 定評のある総合病院である。
 いよいよ結果が出るのだと思うと、
期待とともに不安がつのる。

 そのせいで、受付を済ませ、
待合室の椅子に腰掛けたとたん、
周囲のものが凄い速さで斜めに流れ始めた。

「め、めまいが……!」
 動転する私。
「大丈夫ですよ。ここは病院ですから。
なにが起きても、すぐに手当してくれます」
 M子さんの落ち着いた声がそう言った。
 そうだ、病院なんだ、と思ったとたん、
安心して目眩が停まった。

 彼女は診察室にまで一緒に入ってくれた。
 レントゲンを撮り、MRIの予約をした。
 医師は、とても明晰で親切だった。
 こちらの話もきちんと聞いてくれた。

 二度目はもちろん一人で行った。
 レントゲンとMRIの結果を、ていねいに説明してもらった。
 MRIの画像で見ると、肩に水が溜まっているという。
 なにかで炎症を起こしたのが原因らしい。

 注射を定期的に受けることで炎症を治し、
それで、水がなくなるかどうか様子をみましょう
ということになった。
 これまで右往左往したのは、
どこがどう悪いのか、はっきりしなかったことに加えて
「してはいけないこと」「してもいいこと」の
明確な説明がなかったから。
 それが今回ははっきりした。
 ラジオ体操もマッサージもオーケー♪

 痛みが早急に消えることはないが、ともかく
原因がはっきりしたこと、治療方針が決まったことで、
精神的にはずいぶんと楽になった。

 地獄に仏という言葉があるが、M子さんは私にとって
地獄でマリア様だった。
 30年前に頼りなかった私は、いまも頼りない。
 M子さんは相変わらず、聡明で美しかった。
 身に過ぎたご縁に、心から感謝。


 
 

 

コメント一覧

冬桃
ほんとに!
おでさん

 ありがとうございます。
 私も、誰かに「親切」のお返しができたらと
お願っています。ありがたいですね。
おで
お大事に
http://odesamaryu.exblog.jp
良きご友人がいらしてよかった!冬桃さんのご人徳ですね。どうぞお大事になさって、1日も早く快適な日々が戻りますように。
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