冬桃ブログ

出雲の旅 その1

 今年のことは今年の内に…と、11月の末に行った
旅のことを、今頃になってアップ。

 11月21日、羽田を発って米子空港へ。
 旅の道連れ…というより、足弱で体力のない私を
承知の上で同行させてくれたありがたい友達は
とんでもナース系OLひーちゃんと、真面目行政マンsky氏。

 sky氏の運転するレンタカーでまず向かったのは
松江市美保関にある美保神社。


 ここは全国にある恵比寿神社の総本宮である。
 恵比寿というのは、釣竿持って鯛を抱えてにこにこしてる
あの、えびっさんね。海の神様、豊漁の神様。
 大国主命の息子の事代主神だという説もあるが、
私が好きなのは蛭子(ヒルコ)説。

 日本のアダムとイブとも言うべきイザナミ、イザナギが
初めて交接して生まれたのが蛭子。
 体がちゃんとしてなかった…つまり身体障害児で、それゆえ、
葦の舟に乗せられ、流されてしまうのだが、でもその子を、
「不完全だったから捨てちゃいました」じゃなくて、
神様にしたところが日本神話の素敵なところ。

 もうひとつ。海の向こうからの漂着神であるという説もある。
 つまり、異文化を持ち、それを日本に伝えた異国人。
 笑顔がいいだけじゃなくて、大きなロマンのある神様だ。

 その関連で漂着死体を「恵比寿」と呼んだ時代もあったようだ。
 以前、横浜・本牧に伝わる漁業のことを調べた時、
水死体を発見した時は「恵比寿さんがあがった」と言い、
それが見知らぬ人間であろうと丁重に葬った、という話を聞いた。

 美保神社から境港の水木しげるロードへ。
 道沿いに妖怪がずらりと並ぶ。


 松江に入った時は、もう夕方。
 「怪談」でお馴染みの小泉八雲が住んだという武家屋敷。


 出雲駅近くで泊まったのはビジネスホテル。
 ホテルの朝食は、お握りに申し訳程度のおかず、という
一見、貧相なものだったが、お米のおいしさは抜群だった。 

 まずは、国引きで知られる稲佐の浜へ。


 この浜には爪の先くらいの桜貝がいっぱい落ちていた。
 貝殻に目のない私は、いさんで拾い、持ち帰ったが、
じつはこのような由緒ある砂浜から勝手に何か持って行ったりすると
祟りがあるんだそうな。(もう遅い。桜貝は我が家に)
 

 さて、出雲大社へ。同行のsky氏とひーちゃん。


 今年は出雲大社国造の千家と天皇家の婚姻があったので、
お祝いムードいっぱい。 


 出雲大社にまつられているのは、大黒様こと大国主命。
 美保神社と出雲大社に詣れば、恵比寿、大黒、一挙に参拝。
 なんだか大船に乗った気分に!

 大国主命が太陽(アマテラス)に「国をお譲りします!」
と、ひれ伏しているシーンかと思いきや、これは「みたま」を
授かっているところだとか。


 今回の旅におけるハイライトのひとつは、あとから合流する
まちづくりプロデューサー、福井功さんに教えていただいた八雲の滝。
 ひとけのない出雲大社の裏山を上ること約20分。


 深閑とした山中に、細く清冽な滝が出現する。
 なんとも気持ちの良い場所だった。


 出雲大社に隣接する出雲歴史博物館へ。
 複数の有名建築家によって復元された古代出雲大社模型。

 
 ランチは博物館のレストランで。
 sky氏とひーちゃんは、席に座るやいなやそれぞれ
タブレットとスマホにとりつき、せっせとフェイスブックに写真をアップ。
 一人、アナログな私は、「ねえ、せっかくの旅なんだからさあ、
いま観てきたものについて語り合おうよ、目の前の人と話そうよ」
 という言葉を、むなしく飲み込むのであった。

 この日はさらに日御碕神社へ。
 神社のそばにある砂浜には、ハングルや中国語の漂着物がいっぱい。
 いにしえ、この浜には、物だけではなく、人も多く流れ着いたことだろう。
 また、ここから流れて他国へ行った人も多いはず。
 そこで繰り広げられたドラマを想像すると胸が躍る。
 いつまでも、漂着物と海を眺めていたい心持ちになった。
 しかし、旅はまだ続く。





 
 
 
 


 



 

コメント一覧

冬桃
ですよねえ。
http://members2.jcom.home.ne.jp/noa411/
酔華さん

 私もそれを思い浮かべました。
 黄泉の国へ行ってしまったイザナミを、イザナギが
追いかけていき、姿を見ちゃいけないというのに
見ちゃった話はギリシャ神話のオルフェとユーリディケ
ですよね。世界の神話伝説は、多くの共通点があります。
酔華
なるほど
http://blog.goo.ne.jp/chuka-champ
蛭子というのは、
ナイル川に流されたモーセとダブるような気がします。
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