冬桃ブログ

きもののちから~高島屋の呉服と歩んだ50年。


   神奈川新聞社刊 1500円+税

 池田喜政さんがこの春、
「きもののちから~高島屋の呉服と歩んだ50年」
 という本を上梓されたた。
 五月に出版記念会の予定だったのがコロナ禍で延び
11月15日(着物の日!)に開催され、私も
お招きをいただいた。
 さすがに美しい着物姿の列席者も多かったが
なにより感動したのは、横浜で生まれ育った
池田さんが、小学校の時から今に至るまでの友人達に
愛され、自身も大事に付き合っておられること。
 だから列席者も、企業の偉い方から、本牧で
若者文化の最先端を担った人達まで、じつに多彩だった。
 2014年、横浜高島屋で
「ヨコハマグラフィティ ザ・ゴールデン・カップスの時代展」
 というイベントが開催されたが、池田さんは幅広い人脈をもとに、
それを実現させ、大成功させた立役者でもある。
 私も金田賢一さんとのトークショーで出していただいたが
途中でエディ潘さんの飛び入り参加があったりして、
デパートではありえないような楽しい雰囲気だった。
 
 高島屋の呉服プロフェッショナルとして
真面目な会社人生を歩んでこられた人……というイメージが
このころから変わり始めた。

 ご著書の内容は含蓄に富んでいる。
 驚きに満ちていて、あたたかい。
 池田さんは高校を出て高島屋に入社したものの、
これまでまったく縁もなく、興味を持ったこともない
呉服部に配属された。
 なんでこれやらなきゃいけないの?
 自分の将来はどうなるの?
 落ち込み、悩むが、そこからが素晴らしい。
 いやもおうも言えないのなら、ともかくこの仕事に
興味を持ってみよう、やれるところまで全力を尽くしてみよう。
 そう思ったのである若き池田君は。

 そして、おそらくは日本にそうはいないであろう
「繭からわかる和服のプロフェッショナル」になった。
 日本を、世界を周り、和服という日本文化の真髄を
我が身に取り込み、広めた。
 いまもその活動は継続中である。
 
 ぜひこの本を、若い人、そして若くなくても
なにかを始めてみようかなと思う人にお勧めしたい。



 
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