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静岡地元クワガタ採集飼育記

主に静岡のクワガタの記録。silenthill.stagbeetle@gmail.com M

大型のヒメオオ

2016年06月06日 | 高山性クワガタ
採集を予定していた月曜日、残念ながら昆虫ショップのオーナーは体調不良により行けなくなってしまったが、天気も良く絶好の採集日和になった。現地駐車場に約束の時間に着くと、森の中から昆虫館館長が現れた。



早速前回下見していた場所へと向かう、大きな立枯れが途中から折れた比較的新しい倒木である(写真忘れ)。削っていくと大型の蛹が出た。



続いて脱出失敗の♂



この木には成虫がいそうなので館長にバトンタッチ。出遅れの救出をお願いするが少し遅かったようで出るのは死んだ蛹や成虫ばかり。しかしまだ新しく、標本にするにはいい個体ばかりなので持ち帰った。


この蛹はいい顎をしていただけにもったいない・・・・・


私は少し離れたまだ調べていない材を調べる事にし、いくつか幼虫を見つけ小枝を幼虫に挟ませて取出す等していると「成虫出ました!」との声が。「でかいですか!?」と言いながら向かうと・・・


大型のオスの成虫である。深い所にいるの個体は☆になっているので、場所を表面に絞って狙うという館長の作戦が見事的中したようである。


非常にナイスガイな48mmの♂。この個体を取り出すのに館長は自分の指を挟ませて取り出すという荒業を使っていた。恐るべし館長。



先ほど調べていた材に戻り、削っていくと小さいながらもいくつか成虫が出た。


大型のメスの蛹残念ながら死亡していた。


アゴの擦れ等から越冬していたと思われる♂の個体。やはり自然界での越冬は厳しいようだ。

この後館長が47mmの♂を出し譲ってくれた。


少し場所を変えもう一つの倒木を見に行くが、出てくるのは2令ばかりの若い材で少し削って終了。新たな場所を探すことにした。
館長はほとんどの昆虫に詳しいので、林内を鳴いているヒメハルゼミ等の名前を教わり、珍しいカミキリ等もいれば聞きたかったのだがこの日は見つけることが出来なかった。そんな話をしながら下って行き、館長は立ち枯れを見つけ、私は比較的綺麗な倒木を見つけた。


少し削ると成虫がいそうな部分が出てきた。思い切って割ってみると・・



出た!!先ほどと同じくらい大きいオスである(48mm)。急いで館長を呼び一緒に削ることにした。


このサイズになるとカッコよさも断然違ってくる。


幼虫もこのでかさである。

館長はこの木を細くするんだと意気込んで削り始めるが、なにせ硬いもので前半アクセル全開だった館長のガソリンは著しく減っていく。

隣の木は水分が多く☆になっているものが多かったが、成虫もいくつか出すことが出来た。
時計を見ると12時半であったがガス欠の為、昼食をとって撤収することに。私はうっかりバイクの中に昼飯を忘れてしまった為館長におにぎりを1つ分けてもらったのだった。(かたじけない)

わずか4時間ほどであったが十分な数を得ることが出来、それだけ今日は運のいい日であった。
お土産用のペアを残して、大型の♀(37mm)以外のメスはリリース(いっぱい産んでくれよ!)


本日採った死亡個体の中の一つは53mmの大型個体であった。私が出したものもアセトンで洗い、汚れを取り綺麗な形の標本にしていただいた。館長どうもありがとうございます。




ヒメオオとツヤハダを取りに行きました

2016年05月23日 | 高山性クワガタ
昆虫館館長と高山種を狙いに行ってきた。

前回はヒメオオ幼虫狙いだったが、本種の成虫の出し方がわかったので喜んでもらおうと思い、事前に下見をしての採集となった。



下見時よさそうな木や死骸をいくつか見つけるが、「今出してしまっては意味がない」とその時削りたい気持ちを抑え、この日を迎えたのである。



そのおかげで当日は10分としないうちに、メスの成虫を割り出した。



続いて2匹目のメスの成虫を割り出したが、自分の削っている所に成虫がいそうなので館長にバトンタッチ。

程なく館長がオスの成虫を割り出した。この個体は脱出直前で、蛹室から外に向かって掘り進んだ黒い跡がわかるだろうか?もう一日遅ければ採れなかったであろう。



この木に見切りをつけ、この先に「こりゃおるで!」という材がありますとそこまで案内することに。

目的の木は自分の後に誰かが削ったようで少し不安だったが、削り始めてすぐに館長が大型の♀を割り出した。



自分は土中に埋まっている材は死骸が多いので、取り残されている奴がいないか調べていたが、生きている幼虫が多数出てきたので館長に救出していただいた。
続いて館長は♂、♀と成虫を出しそこそこ数を確保できた様なので自分も探すことにした。

地面に接していないよさそうな部分を削ると、40mmオーバーの♂が出てきた。



なかなかいい形である。


館長がぶよぶよになって死んだ蛹を発見した。土中でなくても蛹での死骸が多くみられる。


今回最大の44mmの♂


ヒメオオは十分な数が採れたので、次は前もって探してあったツヤハダマンションを襲撃することにする。



ツヤハダマンションを削り始めると思ったより個体が少なく、さらに生の部分が多い今まさに分譲中のマンションであったようだ。

こんな硬い材を削っていては手が「?」になってしまうので、少し先のツヤハダポイントを見てみる。すると地面に落ちているボロボロの枝から大型の♂を発見。館長を呼び一緒に崩すことにした。
館長は慎重に材を崩していくが、私はマダラ方式の崩した材の上を歩いているものを捕まえることにした。

この材からは前蛹も多く大当たりだったようだ、しかも全て19mmオーバーで最大21mmの大型の個体が多い材であった。



館長が姫6ツヤ20、私が姫3ツヤ15の大量だった。ここのツヤハダはあまり持ってないとの事だったので案内してよかった。


ヒメオオのいる場所

2016年05月15日 | 高山性クワガタ
ヒメオオのいる場所に確信を持ちたかった私は、前回思ったことを実践してみることにした。




写真の様な材から多く見つかった、といってもわかりづらいがスイーツのマカロンの様な、外はカリッと中はしっとりとしたキノコ(本当にそういうキノコがある)が生えている木がいい。
それも材はふんわりした所ではなく、てぐわを打ち込むとしびれるような硬さの場所に成虫が多い。




一発で出現した♂の新成虫




写真からわかるように、食痕はあるがほぼ白い部分である。
続いて♀



同じようなところから出現した。逆に表面を削ってみて黄色く食痕が無数にあり、少し柔らかめな所は既に出てしまった跡が多く見つかる。



これは少し大き目のメスの蛹の死骸だが、地中に埋もれていた水分のかなり多い材から出したもので、地面に接している小さめの上記の様な材にいるものは、今のところ全て前蛹や蛹の状態で死亡している。



これも同じ材で羽化不全で死亡していたメスの個体と、越冬しようとして死亡したと思われるオスの個体である。



これは蛹室にお風呂をためてしまっていたオスの個体、いい湯だったかどうかは定かではないが、気持ち良すぎて蛹のまま昇天してしまったようだ。



表面を少し削ってこのような感じなら当たりと思われる。食痕はあるが隣が真っ白、穴まで開いていたら後は慎重に取り出すだけだ。



出てきたのはかなり小型のオスだった。



こちらはぎりぎりの場所に蛹室を作っていた♂。蛹室も黒くなり始め、他の死亡個体と同じ運命を辿ろうとしていたのではと思った。

そして



出られなくなって死亡したばかりの♂。

帰宅後またいつもの「オレヒメオオクワガタ採った!」が始まったのでした

静岡県産ヒメオオクワガタ

2016年05月09日 | 高山性クワガタ
静岡県産ヒメオオクワガタの採集に成功した。この日は先日昆虫館館長にヒメオオ幼虫が多数採れたことを話し、ご同行していただける事になった。
軽く渋滞にはまってしまい、待ち合わせの時間8時30を10分程過ぎての到着となってしまった。駐車場に到着し「すみません、待ちましたか?」と言うと、なんと館長は早く出すぎて6時30についていたらしい。
私ももっと早く出る予定だったが、起きれず申し訳ないことをしてしまった。

早速そこからポイントまで移動し、何頭かの幼虫を割り出せたので他の場所も調べてみることにした。林内を歩いていくとヒメオオがいそうな材が結構あり、太い材を調べてみると無数の食痕があったが全て去年の脱出後のようだった。
そのすぐ後に他の材で館長が成虫♀を割り出した。館長は「欲しいですか?」と聞いてきて私は静岡産の成虫は初めてなので「いらなければ・・・頂きたいです」と答えた。優しい館長はいらないよと言ってその個体を私に譲ってくれた。

その後はホソツヤを探すがコルリとツヤハダが少し出ただけで、時間も15時になり館長は下山することに。オスが出たら持っていきますと言って別れ、私は何とか借りを返したい一心で探し、根性で2♀採集。一匹は館長が出したものより大きく後日その個体をお渡しすることが出来た。

画像は後程

後日少し離れた場所へ調査しに出かけた。大き目の倒れたばかりの倒木があり表面を削ってみると蛹室らしきものが



蛹の様なものが見える



残念ながら死骸であったがここにもヒメオオがいることが判明した。同じ材からは越冬していたと思われるメスの死骸や



脱出できずに?死亡した個体が見られた。



この個体は持ち帰り、胴体をつなげ計測した所51mmの大型個体であった。



その後写真の様な倒木から小さめの♂を割り出し、調べてみたが他は幼虫ばかりだったので次のシーズンの為に残しておくことにした。ヒメオオの産卵マーク



少し場所を移動したがよさそうな倒木や立枯れが無く、落ちている小さいがヒメオオが入っていそうな材を割ってみると蛹室を発見。



さらに二頭を追加し下山した



赤みの強い個体は脱皮直後と思われる。また今回成虫のいる場所、幼虫のいる場所をテーマに探したが、成虫はやはり表面に近いところで蛹室を作っているものが多かった。
材中央には大型幼虫や脱出できずに死亡した個体が多くみられた。幼虫が10匹程出てしまったが、前回までの採集で得たものにビンを投入してしまい、誰かにあげるにも温度管理をしなければ死亡しやすい種の為、近所のショップに相談した所快く引き取ってもらえた。

また館長にオスが採れたら持って行くと言ってあったので、この日取れた1♂を前回の♀のお返しとして持って行くことができた

今回で成虫、幼虫のいる場所がわかった気がするので次回は成虫のみを狙おうと思う。

家に帰ると女房に今度は「オレヒメオオ採った!」と言い始めるのでした

高山性クワガタの標本と姫オオ

2016年05月02日 | 高山性クワガタ
高山性クワガタの標本を作りたいと思い、昆虫館館長から小型の箱を購入し制作していたのだが、採集が難しいと思われる種類(ヒメオオ等)は館長の余品を安価にて譲っていただいていた。
しかし譲っていただいたヒメオオは有名産地の福島県産だった。自宅に来た子供たちなどに「これが静岡県の山にいるクワガタだよ」として見せたい気持ちと、さらに全て自己採集品で揃えたいという小さな野心に取りつかれた私はヒメオオの情報収集を始めた。



ありがたいことにPEF装着、そしてラベルまで作って頂いた。
譲っていただいたのが右上のヒメオオ(メスは静岡県産)右下ミヤマ、左上マダラが館長。中央下のいいサイズのスジは偶然某山で出会ったUさんから譲っていただいた。
スジのメスはいいサイズを飼育中だがオスが小型しかいなく困っていた所だった。ミヤマは今年採るとして問題はやはりヒメオオである。
(ホソツヤは惨敗中だがいつか採れると思っている)

ヒメオオは10数年前に山梨県で柳キックにて採集したのみで、標本としても残っていない。私にとって未知なクワガタであった。
一般に採れにくいと言われているクワガタはオオクワガタだろうが、私の近所にはクワガタの飼育をしている人が多いのか、または人気ゆえに一番手に入れやすい種類になって放虫されたのか、車にひかれてる個体を見つけることがある。
小さい個体なら可能性は0でないにしても、70mm付近の個体が成長する環境は、この辺では人の家くらいだろう。

要するに野外でとれたとしても、よほどいそうな場所でない限りそれが天然なのか放虫か私にはわからないのである。
それに比べヒメオオはそれほど人気もないからか、飼育方法も確立されておらず、採れたものはほぼ間違いなく天然だと言える。小さい個体でも大歯系の様なあごとスマートな体、それに長い脚は私のなかで採集クワガタの最高ランクなのである。



有名産地に赴く予算のない私は、GWにガソリン代が約1/3以下で済む原付にまたがりヒメオオのポイントを探しに出かけた。初めての地は下見に時間がかかり思うように成果が出ず、アカアシの新成虫等を割り出し終わった。(メスは1以外リリース)



翌日予定を合わせていただいたUさんと採集に出かけ、蛹室から出れなくて死亡したヒメオオの死骸を見つけ、どんな木にいるのかを確認しネットの情報と照らし合わせた。

その後はUさんの好きなオサムシやゴミムシを採集し、ツヤハダの木を見つけ二桁ほどと、標高を上げた所でコルリも3匹採り、気づけば15時を回っていた。Uさん付き合っていただきありがとうございました。

次の日も女房とドライブがてら行くことになり、昨日の様な木を調べるとヒメオオの死骸や幼虫を採取でき、確実にこの場所に生息していることがわかった。