さいたま市の水道事業は、最新の決算ベースで、約50億円の黒字です。民間企業でいえば、税引き前利益が50億残っている状態です。
一方で、下水道事業は、経費回収率が8割ほどで、約30億円ほどの構造的な赤字体質でした。
その中で、下水道料金のみ20パーセントを超える値上げが行われました。
しかし、上水道の黒字の一部を、下水道の赤字に回せば、この下水道料金の値上げによる住民の負担増をさけることができました。
この理由で、ぼくは下水道料金の値上げに反対してきました。
こういった縦割り行政の弊害を防ぐためには、上水道の経営と下水道の経営を一体化して効率化していくことが必要です。
民間企業であれば、黒字の子会社と赤字の子会社があれば、合併などの方法で両者を統合することで、黒字の子会社の税負担の軽減と赤字の子会社の経営の健全化を図るといった手法が検討されることになります。
しかし、行政ではこういった力学が働かないため、上水道の黒字はそのままで、下水道の赤字については料金を引き上げるということになります。
この解決策としては、やはり、政治的なプロセスで、上水道の経営と下水道の経営を一体化して行くことが必要です。