はらだ健太 草莽記(そうもうき)

前さいたま市議会議員 はらだ健太

スティーブ ジョブズの物語。

2011-10-07 23:56:26 | Weblog
私たちの最高の作品であるマッキントッシュを発表して一年後、30歳の誕生日を迎えた矢先に私はクビになってしまいました。
自分が起こした会社をどうしてクビになるのでしょうか?会社が大きくなるにつれ、私の片腕として経営を担ってもらおうと有能と思える人物を招き入れました。
最初の一年前後はうまくいっていました。
しかしやがて、将来のビジョンが食い違うようになり、ついに決定的な亀裂が生じたのです。
そのとき、取締役会が支持したのは彼のほうでした。
こうして私は30歳にして会社を追い出されたのです。しかもおおっぴらに。
大人になってから全てをかけて打ち込んできたものを失ったわけですから、それは最悪でした。

数か月の間は、まさしく茫然自失の状態でした。自分は前の世代の起業家たちを失望させてしまった。渡されたバトンを落としてしまったと、自責の念に駆られました。
デビット パッカードとボブ ノイスに会って全てを台無しにしたことを謝ろうと思いました。
私が失敗したことは、皆に知れわたっているのです。
シリコンバレーから逃げ出すことすら考えました。
しかし、やがて見えてきたことがありました。
私はまだ、自分がやってきた仕事が好きでした。
アップルでの顛末があっても、その気持ちはいささかも揺らぎませんでした。
私は、拒絶されたわけですが、それでも好きでした。
だから、一からやり直そうと決意したのです。

その時はわかりませんでしたが、後からみると、アップルを追い出されたことは、私の人生で最良の出来事でした。
成功者であることの重圧は、初心者に戻った気安さに代わりました。
何事にも前ほど自信が持てなくなりましたが、それによって自由になり、人生でもっともクリエイティブな時期に入ることができたのです。

その後の5年間の間に、私はNeXTという会社を立ち上げ、ピクサーという会社を興し、すばらしい女性と恋に落ち、結婚しました。
ピクサーはやがて、世界初のコンピューター・アニメーション映画「トイ・ストーリー」を作り、今では世界で最も成功しているアニメーション・スタジオになっています。
思いがけない展開でアップルがNeXTを買収することになり、私はアップルに復帰しました。
NeXTが開発した技術は、最近のアップルの復活劇で中核的な役割を果たしています。
そして、私とローレンはともにすばらしい家庭を築いています。

私がアップルを追い出されていなければ、これらのことは何一つ起きなかったと断言できます。
おそろしく苦い薬でしたが、私という患者には必要だったのでしょう。
人生には時として、レンガで頭をぶんなぐられるような出来事が起こりえるのです。

2005年 スタンフォード大学卒業式でのスティーブ・ジョブズ氏のスピーチから。

「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」ティナ・シーリグ著 翻訳 高遠裕子
 出版 阪急コミュニケーションズ
から引用させていただきました。

スティーブ ジョブズの物語は、これからも多くの人々の中で生き続ける。

スティーブ ジョブズ氏の冥福を、心からお祈りいたします。
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小沢氏、初公判。

2011-10-06 17:49:22 | Weblog
初公判を終えた小沢氏本人の記者会見をみました。

公判と同じことを述べられたとのことです。

国民主権、議会制民主主義の危機といった極めて重い言葉が、ただ自己弁護のために空疎に響いている。

この空疎さこそが、議会制民主主義の危機ではないでしょうか。
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子供の貧困

2011-10-05 11:20:04 | Weblog
「子供の貧困」岩波新書の著者である阿部彩先生のお話を伺うことができました。

阿部先生は、この著書において、精緻なデータの分析で、この問題をあぶりだしました。

その結果、政権交代後、貧困問題において、相対的貧困率の公表を始め多くの前進がみられるきっかけとなったと思っています。

この「子供の貧困」も名著ですが、「子育て世代の社会保障」「生活保護の経済分析」(いずれも共著、東大出版会)もステレオ

タイプの思い込みを痛快に、データを根拠に蹴り飛ばしてくれる素晴らしい本です。

実際の阿部先生のお話は、データをもとに明快にまた、熱い思いを内に秘めた名講義で時間があっという間に過ぎ去りました。
(特に就学前支援の重要性の指摘には、あらためて刮目しました)


その中では、やはり鳥瞰俯瞰することと現場での具体例の双方をあわせ見ることの大切さを感じました。

現場での問題の把握とその解決のための制度設計。

子供の貧困は、ますます深刻化していると感じています。

この問題に関し、貧困問題を抱える子育て世帯に対しては、舵を大きくきって、行政がより後見的役割を果たせるよう、より踏み

込んだ積極的な施策が必要です。
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