映画中毒人のつぶやき

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現在長期放置プレイ中です・・スンマソン。

チェイサー

2009年12月02日 | スリラー・サスペンス



原題:The Chaser 追撃者
監督・脚本:ナ・ホンジン
エグゼクティブプロデューサー:チョン・ウィソク、キム・ソニョン、
チョン・スング
プロデューサー:キム・スジン、ユン・インボム
撮影:イ・ソンジェ
音楽:キム・ジュンソク、チェ・ヨンナク
美術:イ・ミンボク
編集:キム・ソンミン
出演 : キム・ユンソク 、 ハ・ジョンウ 、 ソ・ヨンヒ 、
    キム・ユジョン 、 チョン・インギ 、 チェ・ジョンウ
製作国:2008年韓国映画
上映時間:2時間5分
配給:クロックワークス、アスミック・エース

ストーリー:
街では連続猟奇殺人事件が起こっている頃、元刑事でデリヘル嬢の斡旋を
生業としているジュンホは、彼の元から行方をくらませた2人の女の行方を
探っていた。
その手がかりを握る男を見つけるも、探りを入れさせたデリヘル嬢ミジンも失踪。
だが偶然ジュンホは疑惑の人物ヨンミンを見つけ、捕獲する。
すると警察でヨンミンはとんでもない告白を始めた。
「女たちは自分が殺した。そして最後の女はまだ生きている」と―
(goo映画より)


感想:
実在した連続殺人鬼ユ・ヨンチョルの事件をベースにした映画らしいが
初めから最後まで目が離せない展開で緊張感が持続する。
韓国映画で同タイプの映画『殺人の追憶』も良い出来だったが
今回は犯人を執念で追い詰めるのが現役刑事ではなく
元刑事のデリヘル経営者というのが実に肝。



良識的にこの主人公に感情移入出来るか?と当初は疑問だったが
デリヘル嬢ミジンの娘が絡んできてからは他の刑事なんかよりも
明らかに必死で血眼になる姿には好感すらもてる。
ミジンの娘と接するうちに主人公の心に変化が起きて
失いかけていた人間としての理性や尊厳を取り戻しつつあったのかもしれない。



主人公ジュンホを演じたキム・ユンソクはいわゆるイケメン韓流スター
ではないが中年の渋さと泥臭い程の人間臭さが出ていて
結構身近にいてもおかしくない親近感も手伝ってか
いつの間にか応援の眼差しを送っていた。
流石の演技に2年連続で大鐘賞の主演男優賞を受賞した事は納得出来る。

連続殺人鬼役のハ・ジョンウも不気味な薄ら笑みを浮かべ
更には残酷な殺人に快楽を覚えた戦慄のシリアルキラーを巧く演じていた。
正直見ていて嫌になるほど不快を覚えたのは事実。



警察当局の迷走ぶりに苛立ちを覚え、デリヘル嬢ミジンの安否
が最後まで最悪の事態にならない様に願わずはいられなかった。
そう、愛する娘の為にも助かってほしい・・・。
ミジン役ソ・ヨンヒとても綺麗な女優さんですねぇ、。



重苦しい雰囲気の映画だが主人公と犯人の追撃のシーン
を挿む事により疾走感も生まれテンポが出ていた様に思える。






第45回大鐘賞(デジョンサン)映画祭授賞式で最高栄誉の作品賞など
5部門で受賞したのには納得の一言。
(他に、監督賞・主演男優賞・企画賞・撮影賞を受賞)
初めての長編映画でこの出来だからナ・ホンジン監督の今後の作品は
注目せざるを得ない。
日本でも現在未解決の猟奇殺人が発生している状況なので
下手なホラー映画見るよりよっぽど怖い作品だ。
興味本位で観たらエライ事になるのでご注意を!



お勧め度★★★★★
ラストの衝撃にあなたは耐えられますか?