宇宙戦艦ヤマトの物語の基本に流れている考えがある。
それは「運命に立ち向かう生き方」である。
それは、地球が滅亡しゆく運命に立ち向かったのがヤマトであるし、
この森雪のセリフにも、その考え方がにじみ出ている。
イスカンダルにて、スターシャが古代たちに、
「会わせたい地球人がいる」と語った。
それは、冥王星会戦で戦死したと思われていた古代守だった。
古代守は、その後、ガミラスに捕虜として捕らえられた。
しかし、そのガミラスの宇宙船が難破。
スターシャがそれを救出。
しかし、守は、ひどい宇宙病に侵されていた。
スターシャは、おそらく全力で守の治療、看護にあたったのだろう。
その甲斐あって守は回復し、地球に帰れる程元気になった。
その間、スターシャは守を愛するようになっていた。
ヤマトの出航は、スターシャにとっては、最愛の守との永遠の別れを意味していた。
そのとき、雪が語ったこの言葉は、スターシャの心を貫いたことだろう。
「運命を受け入れるだけでは、愛は実りませんわ。あなたは、私たちにおっしゃったじゃありませんか。明日の幸せは、自分の力ででつかむものだって」
人間には、定まった運命などない。
自分の力で運命は変えられる。
人間は運命に屈してはならない。
人間は運命に対し、自由なのだ。
そのメッセージを、今の時代に生きる私たちも、感じながら生きていきたい。