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fleurs et lapins(フルーレラパン)yukitake日記

お花とうさぎと、お出かけの記録など

「へ」からはじまる絵本と、『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』

2020-07-30 | 読書

「へ」からはじまる絵本は、1冊を除いて日本人作家さんのものが4冊になりました。

 

へいきへいき 内田麟太郎・文 竹内通雅・絵 講談社

オオカミと子分のイタチがユーモラス。いろんな「木」が出てきて、面白いのもあれば不気味なのも。

招き猫はあれっ、「木」じゃないじゃんと思ったけどよく見たら根っこのようなものが。

お化け屋敷の「き」と「きをうしなう」の「き」は「木」じゃないけど、それでもうまくまとまっているオチだと思います。

 

ベルとブゥ おいしいいちにち マンディ・サトクリフ さく ひがしかずこ やく 岩崎書店

ベルはまだ小さな女の子だと思うがしっかりしている。

ブゥという名のうさぎがかわいいねえ。うちのてびちゃんもこんな風に人間の言葉をしゃべったらどんなに良いだろう~

せっかくおいしいスープと焼きリンゴができたのに食べない、というブゥは意地っ張りな子供そのもの。でもやっぱり食べたいブゥはとある策略を。。。

それにしてもどうしてこの作品は、絵を担当したマンディ・サトクリフさんの「さく」になっているのかな?奥付を見ると文章はジリアン・シールズという人が作者のようですが。

 

ベルナルさんのぼうし いまいあやの BL出版

ファンタジックな表紙の絵が気に入って、ぱっと見てすぐ借りようと思いました。

友達も家族もなくても、ひとりぼっちで構わないという人、世の中にはいるものですね。

でもそんな、心の世捨て人みたいな人の心をほぐし、優しさや「情」に目覚めさせるものは何か。

それは、その人が最初は嫌がることかもしれない。

この作品でいうと、鳥たちはベルナルさんが嫌がってもお構いなし。逆に、ベルナルさんが喜んだとしてもお構いなしだったかもしれない。

とにかく、鳥たちは自分たちの好きなようにやっているだけに見えます。好きなように巣を作り、冬になったら旅に出て。。。

でも春になってベルナルさんのドアをノックしたのがキツツキだったことからも、やっぱり鳥たちのほうでもベルナルさんでなければだめ、だったのでしょう。

 

ペンギンきょうだい バスのたび 工藤ノリコ ブロンズ新社

大好きな工藤ノリコさんの作品。

工藤さんの、ノラネコぐんだんシリーズでない絵本は、このペンギンきょうだいシリーズでは他に『ふねのたび』を読んだことがあります。

ピヨピヨシリーズでは『はじめてのキャンプ』と『もりのゆうえんち』を読みました。

ノラネコぐんだんシリーズでは、懲りずに毎回何かをやらかしてくれるノラネコたち(笑)に笑ってしまいますが、これらのペンギンきょうだいシリーズやピヨピヨシリーズでは、何の憂いもない幸せな子供たちの世界が、私には、リンドグレーンの『やかまし村』シリーズを思い出させます。

リンドグレーンの作品では、大人の読者である私は二度と戻ってこない自分の子供時代を思い出しながら、何の心配事も悲しみもない、完璧なまでの子供の世界の「幸せさ」に涙が出てきたことがあります。

大げさかもしれないけど、その憂いのひとかけらもない世界は、天国・極楽に近いかもしれない。

そしてこの『ぺんぎんきょうだい バスのたび』の優しいストーリーを読んで思ったのは、この幸せな世界が絶対に壊れませんように、ということ。

こういう作品を読むだけで、この幸せな世界を私にもほんの少しだけ分けてもらえる気がします。

 

ペンギンホテル 牛窪良太 アリス館

絵がかわいいです。

ペンギンたちの、白い縁取りのある黒い目に萌え~(笑) 本物のペンギンだと、アデリーペンギンがまさにこれですね。

ペンギンがいるのは南極。。。でもこの作品ではオーロラが見えるしシロクマやゴマフアザラシも出てくるからこのホテルがあるのは北極かな?という細かいことはさておき。

お客たちは極地方にすむ動物たちが主ですが、最初に出てくるのはなんとライオン

クジラが泊まりに来たあとの、ホテル全体が見渡せる見開きページの絵で、6号室がまだ空いているのに気付いたけれど、6号室を予約していたのは。。。なるほどのお客さん。

ペンギンスタッフたちの中で、シルクハットをかぶったコンシェルジェのペンギンだけはちょっと大きな従業員室で寝ているのが面白い(笑)

そういう細部もじっくり楽しめる絵のクオリティーです。

 

おまけで、「ふ」の絵本で紹介した『チョコレート工場の秘密』の続編のレビューです。

ガラスのエレベーター宇宙にとびだす ロアルド・ダール 田村隆一 訳 評論社

「チョコレート工場」のほうは新版でしたが、新版の翻訳者さんの訳はもう読みたいと思わなかったので、古い閉架のをリクエストして借りました。

いやはや、「チョコレート工場」に勝るとも劣らないはちゃめちゃストーリー(笑)

宇宙で、アメリカの大統領らを巻き込んでの騒動のあたりはちょっとたるく感じましたが、クネクネ・クニドという化け物は面白かった。

そして舞台がチョコレート工場に戻ってくると何となくホッとしました(笑) 愛すべきウンパ・ルンパもまた出てきたし(笑)

上下左右、ものすごいスピードでどこにでも行ったり来たりするガラスのエレベーターのように、老人3人のお歳も行ったり来たり。。。

 

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