ついに、3か月ぶりの「50音絵本レビュー」復活です
刈谷市の図書館も5月26日から開館になりました。
「の」の絵本が並ぶ棚の前にしゃがみこんだ瞬間。。。なんか感動してしまいました(笑)
当たり前だと思っている日常こそが本当に貴重なものだなあと思いますね。
それでは5冊、紹介します。
のえんどうと100にんのこどもたち 甲斐信枝 さく 福音館書店
これはもう何と言っても宮沢賢治の『銀杏の実』を思わせますね。
エンドウが、「ノエンドウ」つまり野生種であるところが良いです。人間に栽培されているのではなくてあくまでも自然のサイクルで「こどもたち」である種ができ。。。
ノエンドウとこどもたちを見守る太陽の顔が、兜をかぶったようなちょっと変った顔なのも面白い。
そしてさらに夜なのに太陽がノエンドウのお母さんのところに来るというシーンも意表を突かれました。
考えてみれば、たとえ夜の間、太陽が姿を隠しているように見えても、植物や動物などこの地球上の生き物の命はすべて太陽から力を与えられているのですね
ノコギリザメのなみだ 長新太 フレーベル館
長新太さんの作品にしては珍しく(失礼)ストーリー性があるのを思わせるタイトル(笑)
でも、オバケがノコギリの代わりにノコギリザメにくっつけるものが次々と出てくるあたりは長新太節炸裂という感じで良いです(笑)
おばけがつけたものが一言だけでパッパッと絵が描かれているページが4枚ありますが、そのどれにおいてもノコギリザメは取られてしまった自分のノコギリにしっかりと手(腹びれ)を置いているところがいじらしい。
オバケにしても、結局は悪い奴ではないのが憎めないところです。
のねずみタイニィのだいぼうけん さく マーティン・ウォーデル え ジョン・ローレンス やく いしいむつみ BL出版
灰青と、黄色と、のねずみ二匹の茶色のほぼ3色だけなのに豊かな色彩を感じます。
木版画(だと思う)の作風も温かみがありますね。
麦畑デビューを果たした小さな野ねずみにとって、なにもかもが初体験・初めて見るもの・知るもの・ことにあふれています。
「冒険」というのは危険で怖い思いをすることがあってはじめて冒険なのだなあと思いました。
ノホホンむらのねこたち さとうあや さく 理論社
表紙と裏表紙の見返しにノホホンむらの見取り図が描いてあって、ストーリーを読みながら、時計回りに「ああこの家だな」というのがちゃんと正確にたどれて楽しい。
一番描きにくい黒猫(その名もノアール)を主人公にしたところが作者さんには拍手
それにしてもこの猫の村、食べ物のお店ばかり(笑)
毎日おいしいものを食べてみんなで仲良く暮らす村。。。良いなあ、私もこんな村に住みたい(笑)
村の見取り図で見るとノアール君が訪問していない家がいくつかあるので、それらがどんなお宅なのか気になります。
この村の通貨が「ニャン」なのも可愛い(笑)
ノミちゃんのすてきなペット ルイス・スロボドキン 作 三原泉 訳 偕成社
動物大好きなノミちゃん。それも、とうていペットにはできそうにない大型動物がどれも大好き。
お母さんに相談した末、大型動物は無理だけど、飼うことになった動物は。。。
私も動物が大好きなのでノミちゃんには親近感を感じます(笑) ノミちゃんもきっと、私と同じように、毎日一緒にいてくれるペットがいても、動物園でしか会えない動物たちに会いたくて、この先も何度も動物園に行くのでしょうね。
「な行」最後の「の」がやっと無事に終わりました
次回から「は行」に入ります~
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