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fleurs et lapins(フルーレラパン)yukitake日記

お花とうさぎと、お出かけの記録など

「の」からはじまる絵本

2020-06-09 | 読書

ついに、3か月ぶりの「50音絵本レビュー」復活です

刈谷市の図書館も5月26日から開館になりました。

「の」の絵本が並ぶ棚の前にしゃがみこんだ瞬間。。。なんか感動してしまいました(笑)

当たり前だと思っている日常こそが本当に貴重なものだなあと思いますね。

それでは5冊、紹介します。

 

のえんどうと100にんのこどもたち 甲斐信枝 さく 福音館書店

これはもう何と言っても宮沢賢治の『銀杏の実』を思わせますね。

エンドウが、「ノエンドウ」つまり野生種であるところが良いです。人間に栽培されているのではなくてあくまでも自然のサイクルで「こどもたち」である種ができ。。。

ノエンドウとこどもたちを見守る太陽の顔が、兜をかぶったようなちょっと変った顔なのも面白い。

そしてさらに夜なのに太陽がノエンドウのお母さんのところに来るというシーンも意表を突かれました。

考えてみれば、たとえ夜の間、太陽が姿を隠しているように見えても、植物や動物などこの地球上の生き物の命はすべて太陽から力を与えられているのですね

 

ノコギリザメのなみだ 長新太 フレーベル館

長新太さんの作品にしては珍しく(失礼)ストーリー性があるのを思わせるタイトル(笑)

でも、オバケがノコギリの代わりにノコギリザメにくっつけるものが次々と出てくるあたりは長新太節炸裂という感じで良いです(笑)

おばけがつけたものが一言だけでパッパッと絵が描かれているページが4枚ありますが、そのどれにおいてもノコギリザメは取られてしまった自分のノコギリにしっかりと手(腹びれ)を置いているところがいじらしい。

オバケにしても、結局は悪い奴ではないのが憎めないところです。

 

のねずみタイニィのだいぼうけん さく マーティン・ウォーデル え ジョン・ローレンス やく いしいむつみ BL出版

灰青と、黄色と、のねずみ二匹の茶色のほぼ3色だけなのに豊かな色彩を感じます。

木版画(だと思う)の作風も温かみがありますね。

麦畑デビューを果たした小さな野ねずみにとって、なにもかもが初体験・初めて見るもの・知るもの・ことにあふれています。

「冒険」というのは危険で怖い思いをすることがあってはじめて冒険なのだなあと思いました。

 

ノホホンむらのねこたち さとうあや さく 理論社

表紙と裏表紙の見返しにノホホンむらの見取り図が描いてあって、ストーリーを読みながら、時計回りに「ああこの家だな」というのがちゃんと正確にたどれて楽しい。

一番描きにくい黒猫(その名もノアール)を主人公にしたところが作者さんには拍手

それにしてもこの猫の村、食べ物のお店ばかり(笑)

毎日おいしいものを食べてみんなで仲良く暮らす村。。。良いなあ、私もこんな村に住みたい(笑)

村の見取り図で見るとノアール君が訪問していない家がいくつかあるので、それらがどんなお宅なのか気になります。

この村の通貨が「ニャン」なのも可愛い(笑) 

 

ノミちゃんのすてきなペット ルイス・スロボドキン 作 三原泉 訳 偕成社

動物大好きなノミちゃん。それも、とうていペットにはできそうにない大型動物がどれも大好き。

お母さんに相談した末、大型動物は無理だけど、飼うことになった動物は。。。

私も動物が大好きなのでノミちゃんには親近感を感じます(笑) ノミちゃんもきっと、私と同じように、毎日一緒にいてくれるペットがいても、動物園でしか会えない動物たちに会いたくて、この先も何度も動物園に行くのでしょうね。

 

「な行」最後の「の」がやっと無事に終わりました

次回から「は行」に入ります~

コメント欄閉じています。読んでくださってありがとうございます。


再読中 ナルニア国物語

2020-05-13 | 読書

50音絵本レビュー、「ね」の次の「の」に進めるまでにずいぶんお休みが入ってしまっています

6月初めから、今度こそ、刈谷の図書館も再開されると思うんですが。

図書館の本が借りられないので、自分の本棚にある本を読むしかなく。。。

新しい本もいくつか読んでいますけど、今、再読中なのが「ナルニア国物語」。

そもそも、2年位前から(かな?)、子供の頃に読んだ児童文学の再読をはじめて、『床下の小人たち』はじめ「小人の冒険シリーズ」、「ムーミンシリーズ」、『星の王子様』、『トムは真夜中の庭で』、『はてしない物語』、「ドリトル先生シリーズ」、「エリナー・ファージョン作品集」、「メアリー・ポピンズシリーズ」などなど、読んでしまいました(笑)

で、次に読もうと思ったのが「ナルニア国物語」。

そうだ、原作も持っているからどっちも読もう、ということになりました。

日本語版では第一作が『ライオンと魔女』ですが、原作(この分厚い一冊で7作全部入っています)では The Magician's Nephew(『魔術師のおい』)から収録されているので日本語もそれに合わせて読み始めました。

私は、本を買ったら奥付ページに買った日の日付を書くのですが、岩波少年文庫は1991年4月20日購入、原作は2001年12月22日購入となっています。

あ、1991年というと私は17歳ですから「子供の頃に読んだ本」ではない、ということになりますが違うのです。まず、小学生のころに学校の図書館でハードカバーのを読んだのが最初でした。

すごく気に入ったから、ティーンエージャーになってあらためて岩波少年文庫で7冊買いそろえたというわけです。

  

さて、再読。。。まず英語のほうを読んでから日本語、という順で読むと、気づくこと。。。瀬田貞二さんの訳は素晴らしい

こまかい所も飛ばしていないし、それでいてわかりやすい日本語。

同じ個所を英語と日本語両方で読み進めているのでストーリーがしみ込んでくる感じがして良いです。

でも、7作全部が一冊になったお得版なせいか、英語のほうは挿絵が少ないことに気づきました。。。

どちらもポーリン・ベインズさんの挿絵なのですが、英語のほうは挿絵が間引かれている

なので挿絵はもっぱら、岩波少年文庫のほうで楽しんでいます(笑)

7作全部再読するまで、これはまだまだ長く楽しめるぞ~ 

急ぐ必要もないし。。。毎月一作ずつでも、11月までは楽しめます(笑)

     

コメント欄閉じています。読んでくださってありがとうございます。


「ね」からはじまる絵本

2020-03-10 | 読書

「ね」の棚にならぶ絵本は、予想通り「ねこ・・・」が多かったです。

「ねずみ・・・」もちらほらありましたが、せっかくなので5冊全部、猫で選んできました 猫祭りです

2月22日の「猫の日」に間に合わずすみません。

 

ねこぼん はやしますみ 偕成社

「ねこのしま」でのお盆の話です。

この「ねこのしま」は、猫たちが関西弁を話しているのを見ると関西のどこかにある島かな?

ニャアニャアじゃなくてみょうみょうという鳴き声が面白い(笑)

本文の、活字部分とは別に手書きでいろんな猫のセリフがたくさんあるのが「せ」で紹介した『せかいかえるかいぎ』と似ていますね。こういうの、適度な量だと良い効果ですが多すぎるとちょっと。。。

自分にはおかあちゃんがいないとおもっていた「くろべえ」という黒猫にもちゃんと、あの世からおかあちゃんが帰ってきたのが胸にじーんときます。

みょうみょうみょう、と踊りまくって混沌としてきたクライマックス、一体どうなるのかと思いましたが、最後はしっとりと切なく終わるのがとても良いです。

絵も魅力的。前半の、暗くなってきたところへ勢ぞろいした猫たちの目が「ぴかぴかぴかぴかぴかーん」という見開きの絵が私は一番好き。この見開き、なんかしばらくじーっと見ていたい(笑)

 

ねこになりたい 作・絵 山口哲司 出版ワークス

絵が描かれている地が、布みたいだなあと思っていたら、この作家さんは「綿麻混合の布に手書き染めした「手染絵」の作品を制作」されているそうです。

布ならではの優しい雰囲気の絵が素敵。

ハチワレ猫が迷い込んだ世界の、春夏秋冬の美しいこと。

カエルを追いかける棚田の里山の風景、こういうところに住みたいなあ~理想の風景だな~憧れだな~(笑)

「土」のあるところが好きなのです。自分の住んでいる環境で、コンクリートと土の比率で、土のほうが多ければ多いほど良い(笑)

それにしても「まあ、いいか」はある意味、魔法の言葉だと思う。バカボンのパパの「これでいいのだ」に通じるかも(笑)

 

ねこのオーランドーたのしい日々 キャスリーン・ヘイルさく こみやゆう やく 好学社

絵が、カラーでないページもあるのが残念。

オーランドーというのは一家まるごと人間に飼われている猫の、その猫一家の長(お父さん猫)なのですが、主人公にしてはちょっと影が薄いかな。

ストーリーもあちこちに行ってしまうような印象なのが惜しいです。でもこねこたちは可愛い。特に、真っ白い猫その名もブランシュが、鏡の上でまるまって<重なったメレンゲケーキ>になるという一発芸?は実際に見てみたい(笑)

 

ねこくんいちばでケーキをかった ロシアのわらべうた ユーリー・ワスネツォフ 絵 たなかともこ 編訳 岩波書店

ロシアのわらべうた、なのでストーリーがあるわけではありません。数あるわらべうたのなかから選ばれて「ねこくん・・・」がこの絵本のタイトルになったおかげで私が「ね」の棚からそれを選びました(笑)

ロシアのお母さんはこれらのわらべうたにあわせて子供の身体を触る、とのことですが、沖縄の「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」の歌と同じですね。夏川りみさんも歌ってらっしゃいます。

ロシアの絵本なので、さすが、絵の可愛さは満点です。

 

猫の事務所 宮沢賢治 作 小林敏也 画 好学社

ずばり職場における、いじめ問題。

四番書記のかま猫に同情し、かま猫を応援しながらこの作品を読む人は、自分はいじめる側になどならないぞ、と思っているはずですが。

いじめる、とは行かないまでもどうしても合わない人・避けたい人はいるものですし。。。人間関係(猫関係?)は難しいですよね。

猫にとっての親分ともいえるライオンの一言で、このいじめのはびこる職場は解散に。

でもそんなに簡単に解散できない人間の職場はなかなか悩ましいですよねえ。

  

年に一度の蔵書整理で長期休館中の刈谷市の図書館は3月12日から再開。。。のはずが新型コロナのせいで、15日まで休館が延長に(涙)

16日(月)は普通の休館日なので、17日から開館される予定ですが。。。ひょっとすると、休館がさらに延長になるかも。。。

まあ、図書館の本でなくても私の本棚にまだこれから読む予定の本も、再読したいと思う本もたくさんあるから良いんですけど。

絵本レビュー、「の」ではじまる絵本も次回は気長にお待ちくださいね


「に」、「ぬ」からはじまる絵本

2020-02-17 | 読書

「に」の絵本の棚でどれにしようか悩んでいたら。。。その隣の「ぬ」の絵本が、全然ない

「ぬ」を通り越して「ね」の絵本ばかりが並んでいる

ぎゃー、これは一大事だ

と思ったら、一冊だけ「ぬ」の絵本がありました。なのでそれは四の五の言わずに貸し出し決定(笑)

いつものように5冊選んできた「に」の絵本と合わせて「ぬ」もご紹介します。

  

にんじんケーキ ナニー・ホグローギアン さく 乾侑美子 やく 評論社

この絵本、子供の頃に読んだことがあります。学校の図書館で借りたのかな。たぶん、表紙のうさぎに惹かれたのでしょう(笑)

タイトルの「にんじんケーキ」をめぐって何かが起きるというよりも、夫婦のありようについて、なかなか考えさせられる深いものがあります。

何も話さなくてもただ一緒にいればいい、というのはなんだか日本人夫婦のようで面白い(笑)

 

2ひきのかえる にいみ なんきち 作 しまだ・しほ 絵 理論社

新美南吉は、現在の愛知県半田市の出身です。

この作品で、他の出版社からの、他の絵の作家さんによるものがいくつかありました。

緑のカエルが黄色のカエルにとびかかったときの緑色の太い線、黄色いカエルが緑のカエルに砂を蹴飛ばした時の黄色い飛び散りがとてもダイナミック。

かと思えば、春が来た野原のオオイヌノフグリや、キラキラ輝く池の美しいこと。

最後の見開きで描かれている景色に赤い電車があって、名鉄みたいだなあと思ったのですが、新美南吉の教え子の方が裏表紙のカバーで言葉を寄せてらっしゃるのを読んで、ああきっとこれは知多半島か、西三河を走る名鉄に違いないなと思いました。

ちなみに絵には白っぽい電車も描かれていますが、名鉄は車体がシルバーのもあるので(笑)

『にんじんケーキ』も『2ひきのかえる』も、仲直りするというのが奇遇にも共通していておもしろいです(笑)

 

にんじんばたけのパピプペポ かこさとし 偕成社

久しぶりにかこさとしさんの作品を借りてきました。

現在日本各地を巡回中のかこさとしさんの展示会が、今年の4月25日から、いよいよ名古屋で開催されるので本当に楽しみです。

この作品では、見分けのつかない20匹の子豚たちが可愛い(笑)

にんじんの良さに気づいた子供たちが畑を整備し、ニンジンを育て。。。この一連の健康的な生産活動、そして初めに子豚たちをだましたもぐら、ねずみ、うさぎにも優しくしてあげるところがまさにかこさとしワールドですね。

 

人形の家にすんでいたネズミ一家のおはなし マイケル・ボンド 文 エミリー・サットン 絵 早川敦子 訳 徳間書店

文は、パディントンシリーズの作者さん。この本の初版がでた2016年にはまだご存命だったようですが、2017年に亡くなられたんですね。

表紙のカバーに書いてある、「英国の香りあふれる絵本」というのがまさにぴったり。

確かに、表紙見返しの絵はウィリアム・モリスのデザインを思わせます。

一つ上で紹介した『にんじんばたけのパピプペポ』の、20匹の子豚ほどの多さではないけれど(笑)、13匹の子ネズミが生き生きとしていて賑やかなネズミ一家。

さすがに、人形の家のTVは画面が動かないらしい(笑)ですが、人形の家で暮らすネズミたちの幸せそうな生活がとても微笑ましいです。

「に」の絵本の棚に、このネズミ一家のもう一つの作品も置いてありました(『人形の家にすんでいたネズミ一家のおるすばん』)

 

ニニのゆめのたび アニタ・ローベル さく まつかわまゆみ やく 評論社

サバトラの雌猫ニニ。サバトラって英語で何というんだろうと調べてみたら、トラ猫のことは全部 tabby というんですね。

サバトラは silver tabby または silver mackerel tabby(mackerel はずばり「サバ」)、茶トラは orange tabby、キジトラは brown tabby、だそうです。

さて、この作品のニニはキャリーバッグに入れられて、ずっと警戒しているどころか、寝てしまうところが良い(笑)

そして夢を見て。。。猫は街中でも田舎でも似合いますね。裏表紙の白い後ろ姿は最初別の猫だと思っていたけれど犬らしい。

移動中の夢と違い、田舎で夜を迎えて眠ったニニはどんな夢の旅をするのかな。

これも、「に」の絵本の棚に、もう一冊別の作品がありました(『ニニ、まいごになる』)

 

ぬぬぬぬぬ 五味太郎 偕成社

はいこれが、唯一置いてあった、「ぬ」からはじまる大変貴重な絵本です

「ぬ」からはじまる絵本はこれしかなかった上に、この作品の中のことばも、「ぬ」しか出てきません(笑)

たいていはお化け?にびっくりさせられている人ばかりなのに、後半ではお化けは抵抗されたり棒で叩かれたりしていて面白い。

小さな子供はこういう絵本、好きだろうなあ。

  

刈谷市の図書館は2月の終わりから3月の初めにかけて、毎年、蔵書整理のために10日間くらいお休みが入ります。

一人が貸し出しできるのは上限10冊までなのですが、この長期休館の間に読むためにMAX10冊借りてこなくては。

そのうち、「ね」からはじまる絵本を5冊選んできます(笑)


「な」からはじまる絵本

2020-02-10 | 読書

今回もいろいろ迷った末、5冊選んできました。

  

なまえのないねこ 竹下文子 文 町田尚子 絵 小峰書店

どこかでこの絵本の表紙を見たことがあり、こちらを見上げる猫の緑色の目がとても印象的で、迷わず借りました。

名前のない野良猫のストーリーが切ないです。

文を担当した作家さんも絵を担当した作家さんも、どちらも猫飼いさんのようで、猫に対する愛情があふれています。

猫というのは毛色・模様も様々ですが、個性も様々で、そして飼われている猫たちの名前も様々ですよね。

この絵本に出てくる猫たちも「ああうちの近所にこんな野良猫いるいる」という感じ(笑)

ただ、この作品の主人公のノラちゃんと違って、たいていのノラちゃんは警戒心が強いですね。私は動物が大好きなので野良猫を見かけると「わ~可愛い。元気?」とでも声をかけたくなってしばらくじーっと見ているのですが、野良猫のほうも私をじーっと見ながら。。。警戒してる(笑)

寒い冬も暑い夏も、名前がなくても。。。ノラネコちゃんたち、たくましく長生きしてね。

 

ながいながいよる マリオン・デーン・バウアー 文 テッド・ルウィン 絵 千葉茂樹 訳 岩波書店

夜の場面の絵は、3色の絵の具だけで描かれているそうです。

長い冬の夜、自分こそ太陽を連れ戻す、と意気込むカラス、トナカイ、キツネ。

同じパターンが3回繰り返されるのはよくある昔話や神話・民話のパターンを思わせます。

小鳥のひたむきな鳴き声で、太陽がまた姿を現す。。。寒色ばかりだった世界に広がる夜明けの色がとても良いです。

まぶしい黄金色や朱色、バラ色でもなく、サーモンピンクをうんと薄くしたような色。木々の間から見えてくるこの色がとても自然で良いなと思いました。

 

なんでもないなつの日 「夏の夕ぐれ」 ウォルター・デ・ラ・メア 詩 カロリーナ・ラベイ 絵 海後礼子 訳 岩崎書店

絵本の途中で、文字のない絵だけの見開きがあるととても効果的ですが、この作品はそういう文字のないページのほうがメインで、文章はとても控えめ。

それが全体的にゆったりとした夕ぐれの雰囲気を演出していて良いです。

「夏の夕ぐれ」なので、黄色やオレンジが占める風景でも良いと思うのですが、ぱっと見、どうしてもこれらの色だと秋のほうをイメージしてしまう気もします。

ちなみにこの作品は「お」で紹介した『おぼろ月のおさんぽ「銀色」』と同じ絵の作家さんと訳者さんです。

 

なかよしの水 タンザニアのおはなし ジョン・キラカ作 さくまゆみこ訳 西村書店

いかにもアフリカらしいはっきりしたカラフルな絵に惹かれて選びました。

賢いうさぎが重要な役を演じているのがうさぎ好きとしては嬉しい。

訳者あとがきによると、アフリカの昔話では、弱い立場ながらも天敵に負けずに生きるうさぎは英雄とみなされているそうです。

作者のキラカさんにはぜひ、たくさんのタンザニアの昔話を収集して、素敵な絵本として後世に残して欲しいです。

 

ないたあかおに 作 浜田廣介 絵 野村たかあき 講談社

タイトルは聞いたことがありましたが、ストーリーを知らなかったので借りてみました。

ただ、道徳の教科書に載っていたりもするそうなので知らなかった、というよりは覚えていなかったのかも(汗)

主人公のあかおによりも、あおおにのほうが気になる。。。

あおおには、人間と仲良くしたいという気持ちはなかったかもしれないけれど、友達であるあかおににこんなに優しいなんて、あかおにと同じくらい良いおにじゃないですか。

あおおには今どこでどうしているのだろう。。。

ひょっとすると、あかおには、あおおにを探しに旅に出たかも。。。その旅の途中、行く先々で、あおおにが残したメッセージのとおりに、人間と仲良くしたのかもしれない。

それにしても「鬼」ってなんだろう???

節分で「鬼は外」と豆を投げつけられる鬼。桃太郎に退治される鬼。「鬼のような形相」という表現もあるし、サンゴを食い荒らすヒトデは「オニヒトデ」です。

大きくて怖くて乱暴者、というのが一般的なイメージですね。

でもなんとなく、日本人なら「鬼」のことを100%悪者だとは思わず、「鬼」に対してどこか愛着を持っているものではないでしょうか。

  

いつも絵本のレビューを読んでくださってありがとうございます。


「と」からはじまる絵本②

2020-01-22 | 読書

「と」からはじまる絵本は特別に2回、合計10冊ご紹介します。今回は後半の5冊です。

 

どうぶつたちのオーケストラ イーロー・オーリンズ/文 ティボル・ゲルゲイ/絵 小池昌代/訳

とにかく絵が最高。輸入物の可愛いお菓子(チョコとか)のパッケージに描かれていそうな雰囲気の絵ですが、こういう絵を描くのは東欧やロシアの作家さんかなあ?と思って調べてみたらやっぱりそうでした。

絵を描いたゲルゲイさんは1900年ハンガリー生まれで1939年にアメリカに移住したそうです。

この作品はストーリーは単純だけれど、オーケストラを演奏する動物たち、観客の動物たち、どの動物たちも本当に可愛い。服を着ている動物も、裸の動物もいます。

観客席の最前列でちょこんと座っているネズミの可愛いこと。フクロウは「どれ、お手並み拝見」とでも言いたそうに腕(羽)を組んでいます。

もう全部可愛い 全部好き(笑)

オーケストラの絵を見ると、とらが吹いているのは形からするとホルンでなくてチューバで、ぞうが吹いているのはらっぱでなくて丸いからこちらがホルンかな、という気がしますが、そんな重箱の隅をつつくようなことはどうでも良いのだ(笑)

フルートはサイのイメージでないけど(笑) すらっとした鹿とか、フルートに合いそう(サイさんごめんなさい)

自分だったらどの動物とどの楽器をマッチングさせるか、考えてみるのも楽しそう。

それにしてもこの作品で一番素敵なのは、オーケストラの前後を見比べると、観客の動物たちの顔が、演奏を聴いた後は一斉に「笑った口」になっていること

それと、演奏後に指揮者のかばさんがお辞儀をしている姿も良いなあ。左右対称で、ぴしっとしてる(笑)

動物好きな私には、いくらでも「絵の細部」が楽しめる一冊です。

 

とおいまちのこと 植田真・作 nakaban・絵 佼成社出版

この絵本にはもう一冊、『みなとまちから』という姉妹作品というか、互いに入れ子のようになっている作品があり、文を担当した人と絵を担当した人がそちらでは逆になっているようです。

紅茶を飲みながらとおいまちのことを考える。外では優しい雨が降っている。。。ただそれだけで良いな、と思う作品ですが、『みなとまちから』のほうも読んだら、この先の展開があるのかな?

「み」からはじまる絵本を紹介するとき、忘れないようにしないと(笑)

 

トラのナガシッポ 富安陽子 作 あべ弘士 絵 福音館書店

あべ弘士さんは「く」で紹介した『雲をつかむはなし』の作者です。

しっぽが長いトラとの冒険。絵の中に入っていくということ自体が冒険の舞台としての定番ですね。

それにしても、画用紙のすみで昼寝をしていたのはナガシッポというトラなのか、まなぶ君のほうなのか?

 

とらさんおねがいおきないで 作・絵/ブリッタ・テッケントラップ 訳/木坂涼

テッケントラップさんは、「い」ではじまる絵本で紹介した『いのちの木』の作者さん。

どうして、とらさんに寝ててもらわないと困るのか、最後になるほど~が待っていました。とらさんが起きないようにとらさんの頭をなでたりお腹をやさしくたたいている絵も、あると良かったかなあ。

 

とうだい 斎藤倫 文 小池アミイゴ 絵 福音館書店

灯台というのは「心の要素」のある場所ですねえ。以前、本屋さんについてもそう書きましたが、いろんな本を売っている本屋さんにはいろんな心の要素があるのに比べて、灯台というのはなんかこう、シンプルな心というか。

『ムーミンパパ海へ行く』でムーミン一家が住むのは、とある小島の灯台だし、『マリアンヌの夢』でマリアンヌとマークがたどり着くのも灯台。

ヴァージニア・ウルフのずばり『灯台へ』という作品もありますね。

この絵本『とうだい』は、ストーリーが気に入りました。

どこにも行けない灯台の気持ちはよくわかります。灯台ははっきりと言わないけれど、どこかへ行きたい・いろんな世界が見たい・どこへでも自由に行ける人がうらやましい。。。

ありきたりな日常から離れた旅や冒険にあこがれる気持ちはだれにでもありますよね。でも、自分がいるべきところにいて自分の役割を果たすことが、自分以外の人のためになる。そしてそれが自分にとって、幸せなことだと気づく。

灯台の役割はただシンプルに、灯りを投げかけること。

くるくるぴかぴか、灯台の灯りは希望の灯り。

他の絵本でも時々ありますが、文字のない、絵だけの見開きページが途中であるのが、とっても効果的です。

  

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「と」からはじまる絵本①

2020-01-09 | 読書

「と」から始まる絵本はってもたくさんあってびっくり

なので特別策として(笑)、「と」からはじまる絵本は①と②の2回にしたいと思います。

まずは1回目の5冊。。。なんと、うち4冊が内田麟太郎さんの作品

2020年最初の絵本レビューは、内田麟太郎さん祭りです(笑)

   

ともだちできたよ 内田麟太郎・文 こみねゆら・絵 文研出版

割と美人さん(だと思う)なうさぎの子が、なぜか友達がいない。

りすもキツネも、うさぎをてんで相手にしないとは。。。なんてタカピーな(笑)

うさぎの子に届いた手紙の差出人が誰なのか、最初から予測ができましたが、最後にやっと登場した差出人の、寡黙なキャラクターが良い味を出しています。

 

とってもいいこと 内田麟太郎・文 荒井良二・絵 クレヨンハウス

タコの男の子が桜貝の女の子のことが好きでもじもじする様子が可愛い。

ユーモラスなお話です。どんどんと「より強いもの」が出てくるのは「け」の絵本で紹介した『ケンカオニ』に似ているかな。

「いいことがある」と教えてくれた声の主は。。。確かにこのひとより力持ちなものは、この世にいないでしょうね。

 

とびますよ 文 内田麟太郎 絵 にしむらあつこ アリス館

ポップな絵が文とあいます。「とびますよとびますよ」の字体が少し違うのも良い効果。

単純なストーリーだけど、「たまには」という最後の一言でぐっとしまりがつく感じですね。

 

とおいほしでも 文 内田麟太郎 絵 岡山伸也 絵本塾出版

全体が父と息子の会話で進んで行きます。

これだけ広い宇宙なのだから、こういう「双子の星」というかパラレルワールドみたいなのがあっても不思議ではないかも。

最後に「おやすみ」のページで終わるのかと思ったら。。。次の見開きのもう一枚の絵が、それまでの悲しい内容から新しい希望を感じさせてくれます。

さて、内田麟太郎さん祭りはここまで(笑)

 

トキのキンちゃん いもとようこ 岩崎書店

私はNHK BSの「美の壺」という番組が大好きなのですが、録画しておいたトキのエピソードの際、この、日本で最後のトキ・キンちゃんのことがちらっと出てきたので、図書館でこの絵本をみつけて迷わず借りました。

キンちゃんが死んだのが2003年10月10日。。。私が結婚したのが2001年だから、それほど昔のことでもないのですね。

キンちゃんを保護する役目を負った金次郎さんの胸中を思うととてもつらいです。

トキの学名が Nipponia nippon なのは有名ですが、私は動物園などでトキを見たことはないです。もちろん、いつか見てみたいと思うけれど、それ以上に、トキがもっと増えて欲しい。

この絵本の中で、保護されたキンちゃんが「空を飛ばなくなって36年」という言葉に涙が出そうでした。キンちゃんは、保護されて良かったのだろうか?動物園の動物たちは確かに、過酷な野生の環境からは守られた状態で長生きするでしょう。でも、それと引き換えに自由が奪われて良いのかというのは難しくて答えが出ないです。

私は動物が好きなので、いろんな動物に会いに動物園に行くのも好きですが、この「動物たちの自由」ということを心のほんの小さな片隅ででも感じずには、ケージや柵の中の動物たちを見たことはない気がします。 

  

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「て」からはじまる絵本

2019-12-25 | 読書

今年最後の五十音絵本レビューです。

 

てぶくろ いもとようこ 講談社

シンプルなストーリーですが、言われてみればなるほど

ほのぼのと心温まる作品。最後の、ぐるっと輪になった生き物たちを一つずつ眺めていくと楽しい。手というより翼だったりヒレだったりもしますが(笑)生き物はみんな仲間だもんね。

 

手と手をつないで マーク・スペアリング=文 ブリッタ・テッケントラップ=絵 三原泉=訳 BL出版

思わず、Queenの Teotoriatte (手を取り合って)を思い出しました。

 手を取り合って このまま行こう

 愛する人よ

この二匹は親子なのか、兄弟なのか、友達なのか?想像をめぐらすのが楽しいです。

日本語訳のリズムも心地良い。どんな季節の時も、どんなお天気の時も、手と手をつないで仲良しでいられたら幸せですね。

 

でも、わすれないよベンジャミン エルフィ・ネイセン 作 エリーネ・ファン・リンデンハウゼン 絵 野坂悦子 訳 講談社

親より早く子供がなくなってしまうというのは親にとって筆舌に尽くしがたい悲しみでしょう。残されたきょうだいたちにとってももちろん。

この作品では、葛飾赤十字産院の院長先生が述べられているように、主人公の少年ロビンの周りの大人たち(祖父母、学校の先生、おばさん)がロビンを支えてくれて良かった。

Mourning work(喪の仕事)によって、残された人は自分の未来に向かってまた前を向いて歩いて行けるのですね。

 

でこぼこホットケーキ 作 よしだあつこ 絵 川副真佑実 世界文化社

かわいいふたごのハリネズミが巨大なホットケーキを焼くシーンは、『ノラネコぐんだん パンこうじょう』でノラネコたちが巨大なパンを焼くシーンを思い出しました。

でもこの作品ではどかーんとはならないので大丈夫(笑)

りすやうさぎの一口ならまだしも・・・クマのがぶりは笑ってしまいました(笑)

惜しみなく、優しい心で人に与えれば、ちゃんと自分に返ってきます。目に見えるものも、見えないものも。

 

てるてるぼうずとふりふりぼうず せなけいこ/作・絵 金の星社

今秋、うちから激近な「刈谷市美術館」にて、せなけいこ展をやっていたのですが、忙しかったので行けずじまいでした。

 雨組対晴れ組、犬対猫の攻防が面白いです。最後はてるてるぼうずとふりふりぼうずが7体ずつ、弧を描いて飛んでいくのできっとこれは。。。と予想した通りに(笑)

犬さんみたいに雨の日に泥で遊びたいとは思わないけど、雨の日も良いですよねえ。

  

コメント欄は閉じていますが、いつも読んでくださって、良いねなどのボタンを押してくださる皆さん、ありがとうございます。励みになっています。

2020年は「と」から始めて、引き続き頑張ろうと思いますのでどうぞよろしく


「つ」からはじまる絵本

2019-12-15 | 読書

「つ」で始まる絵本は、5冊全部、日本の作家さんのを借りてきました

そして5冊のうち3冊が「月」関連です(笑)

 

つまんないつまんない ヨシタケシンスケ 白泉社

ヨシタケシンスケさんは人気のある絵本作家ですが、私は初めて読んだかも。

この作品の感想は。。。「哲学的(!!)」 なので、子供より大人のほうが読んで面白いのではと思うけど、どうなんでしょう。

「つまんない」ということについてこれだけ思考を巡らせられたらすごいと思います。

なるほどと共感できたのは、「なーんにもかんがえていないとき」のことと、「べつにおもしろくはないけど、つまんないわけでもない」ときのこと。結局、こういう刹那の積み重ねが「日常」なのであって、私にとっては「つまんないことは、平和であり幸せである」かな。

 

つきよのくろてん 手島圭三郎 絵本塾出版

くろてんに狩られるももんがたちを応援する気持ちが、一瞬にして今度はしまふくろうに狩られるくろてんを応援する気持ちに。。。

この、狩るもの・狩られるもの、の永遠のつながりも、手島さんの淡々としたドキュメンタリー的な作品で美しさを感じます。

そして、例えばとても心が落ち込んでいたり、寂しかったりするときに、この、大自然の中で生きる動物たちの物語を読むことでその「淡々と展開される、自然界の事実」になぜか心が癒されるような気もします。それは、TVの動物ドキュメンタリー番組などよりも、こういう「絵本」であるからこそ、効果があるような気もします。

 

つきよのうた はせがわ さとみ 文溪堂

「森の動物もの」とでも呼んで良いかなと思うジャンルです。

こぐま、たぬき、リス、うさぎ、やまね、きつねなどなど。。。お互いが「こぐまくん」「たぬきくん」などと呼ばずに呼び捨てしているのがちょっと新鮮(笑)

それと、こぐまの家が人工的な家でなく、自然な「ほらあな」っぽいのも個人的に好き(笑)

この作品で出てくる歌にはメロディーがついていて奥付ページに楽譜が載っており、それを出版社のサイトで聴くことができます。

 

つららのぼうや 青木新門 原作 西舘好子・渡辺あきお 作 新日本出版社

カラス、スズメ、トチの木、そしてつららにも命がある。。。つららが落ちるのは「死ぬ」ことのように思えますが、そうではなくて、落ちても雪と一緒に水になる、そして水蒸気になったり雲になったり雨や雪になったり。。。というのはポール・ギャリコの『雪のひとひら』を思い起こさせます。

そしてトチの木がつららの坊やに言う「知らないでみんなのためになっているのが一番いい」というのは、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』の詩を思い出させます。

美しい命の循環や利他の心についても優しく諭されるような作品。

 

月とあざらし 小川未明/作 古志野実/絵 小川和美/編 架空社

なんとも悲しい。

悲しくて悲しくて、なんというか、新見南吉の『でんでんむしのかなしみ』も悲しいんだけど、そちらはどこか透き通ったような美しい悲しみのような気がする一方、このあざらしの抱えている悲しみは「壮絶」な感じ。

青みがかかった灰色と白、黒だけで描かれている北方の海の光景がさらにその悲しみを増します。

太陽が、にぎやかな楽しそうな世界を見下ろしているのに対し、月は寂しい世界・哀れな人間や獣の世界を眺めている、というのはなるほどと思いました。

太陽の光の下でも、悲しんでいる人はいるし、月の光の中で幸せいっぱいな人もいるけれど、例えば日中、いわゆる社会の中で責任をおってなんとか気丈に頑張っていても、夜、一人になったときは寂しくて悲しくて、という人も多いと思う。

そういう本当にたくさんの悲しみを、月は優しく見てくれているのだと思うと月に対してありがたい気持ちになります。

ところで悲しみというのは根本的には解決しない悲しみもあるわけで、このあざらしに月が与えてくれた太鼓のように、根本的に悲しみがなくならなくても何とかして「慰め」や「心のよりどころ」を得て生きていくしかない、でもそうやって生きていくことのなんという強さ。。。このストーリーには魂に触れるものがあります。

  

追記・・・

2019年12月14日 秩父宮ラグビー場にて

豊田自動織機シャトルズ 45-18 釜石シーウェイブスRFC

わ~い、連勝だっ

次はいよいよ、パロマ瑞穂スタジアムで観戦予定。。。

頑張れシャトルズ

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「ち」からはじまる絵本と、ノラネコぐんだん

2019-11-29 | 読書

50音絵本レビュー、今年中に「て」くらいまで行けるかな

 

チコときんいろのつばさ レオ・レオーニ さくまゆみこ 訳 あすなろ書房

『スイミー』で有名なレオ・レオーニさんの作品です。

金色のつばさを手に入れたチコは、みんなと違っているのは悪いことなのか?と孤独を感じてとまどう。チコの仲間たちの嫉妬の気持ちも、わからないではない気がする。

そして2度目に読み返してみて気づいたのですが、そうだ、こころまでは変えられない、というチコのその心が、翼の代わりに金色になったのですね。

 

ちがうちがう さく:accototo ふくだとしお+あきこ 大日本図書

「く」で紹介した『くるぞくるぞ』では「何が来るんだ?」と知りたくてたまらず借りましたが、こちらでは「何が違うんだ?」という好奇心で借りました(笑)

満月の夜、ベッドの中でいろんな音におばけの存在を感じながらも、家が持ち上げられてしまう以降の部分は夢うつつかなと思われるようなシーンが面白いです。

そして最後の絵の後。。。この子はもうおばけのことを気にせず、きっとぐっすりと眠れるでしょう。

 

ちへいせんのみえるところ 長新太 ビリケン出版

長新太ワールド、もう何も言うことなし(笑) 何も考えずに、感じれば良い一冊。

眠れない夜など、自分なりに自分のちへいせんに何が「でました」と言えるか、自由な創造力を解き放って、一日の心と頭の疲れをほぐしてみるのも面白いかも。

あるいはトイレの中でも散歩中でも。。。私だったら何がでてくるかな(笑)あくまでも考えずに、ね。

 

ちいさなメリーゴーランド マーシャ・ブラウン 作 こみやゆう 訳 瑞雲社

馬が引いて来たくるまに乗っていたとは、かなり小さなメリーゴーランドかな。

私は、遊園地によくある「ティーカップ」とか、くるくる回る乗り物があんまり得意でないのでメリーゴーランドも特に記憶がないかも。

レトロな感じの絵が可愛いです。こみやゆうさんは「う」で紹介した、『うさぎたちとふしぎなこうじょう』の訳者さんでもあります。

 

チップとチョコのおるすばん どい かや 文溪堂

横からのも、正面からのも、チップとチョコの顔がとっても可愛い。

「なしもぎ」のお誘いを受けたのに行けず、泣いてしまうチョコに対し「留守番だから仕方ない」と冷静なところはさすがお兄さんのチップ。

上記の『ちいさなメリーゴーランド』と同じように、最初は楽しいことを経験できなくて寂しい思いをしている子が、後でちゃんと望みをかなえてもらってハッピーになる、というストーリーは微笑ましいですね。

おりこうさんにしている「良い子」は、報われるのですね。。。(笑)

  

さてここで、五十音絵本レビューではないですが、大好きな『ノラネコぐんだん』シリーズの最新作のレビューです

ノラネコぐんだん カレーライス 工藤ノリコ 白泉社

最新作は、ワンワンちゃんのカレー屋さんが舞台。チキンでもポークでもビーフでもなく、えびとさかなカレー、ってのが良い(笑)

懲りないノラネコぐんだんはワンワンちゃんを見てカレーのつくり方を覚え。。。そう、ノラネコぐんだんはシリーズを通じて、ワンワンちゃんから実に多くのことを学んでいるのです(笑)

今回の作品で笑ったのは、ノラネコぐんだんが「おやぶん」にされるがままに「ノラトラ」になるところ(笑)(笑)

ネコだもんね、そりゃトラは親分だよね(笑)

ちょっと残念なのは、ワンワンちゃんが、最後のシーン以外ずっと、後ろ姿なこと。。。

いつも真面目で働き者、責任感も強く、そして優しいワンワンちゃんが、私は大好きなのです~

 

ワンワンちゃんが好きすぎて、最近アマゾンで買ったのがこちら。

ワンワンちゃんデラックス 工藤ノリコ 白泉社

『がんばれワンワンちゃん』①②と、『さすらいの就職犬!ワンワンちゃん』は、アマゾンのキンドルにダウンロードして読みました。ってか、今でも繰り返し繰り返し読んでいます。好きなんだもん。

そしてこの『ワンワンちゃんデラックス』はそれら3冊の次にあたるのかな。

そしてさらに『デラックス』の次の『ノラネコぐんだんコミック』ではついにタイトルまでノラネコに奪われてしまったワンワンちゃん。。。この『デラックス』でも表紙の絵でどどんと目立っているのはマーミーちゃんです(笑)

『デラックス』のほうが後に購入して読んだわけですが、『コミック』と重なっているエピソードも多いのがちょっと残念。

  

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