昨年11月に行われたFIBA ASIA U-16女子選手権に参加した池本朱里選手(慶進高校2年)の報告書をお届けします。
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第3回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会
慶進高等学校 池本 朱里
第3回FIBA ASIA U-16女子日本代表として11月23日から11月30日までスリランカのコロンボで行われたアジア選手権に出場しました。
山口県選抜ウィンター予選の決勝後に東京での合宿に合流して4日間東京の味の素トレーニングセンターで合宿をしました。私はそのチームの主将を務めさせてもらって1番に感じたのは日本という国を背負う責任感です。言葉にならない責任を感じました。全国から選ばれたエース12人が1つのチームとしてプレーすることは楽しく、負けていられないというプライドもあり、練習から緊張感のある練習ができました。
11時間のフライトを経て、アジア選手権の開催地であるスリランカのコロンボに到着しました。3日間調整練習をして試合に臨みました。
日本の1回戦目はインドでした。平均身長が約176cmの日本は中国の次に高さのあるチームです。リバウンドや高さで圧倒した日本は112対45でインドに勝利し、チャイニーズ・タイペイにも勢いにのったまま勝利しました。
中国戦は一色ヘッドコーチから「負けられない、絶対勝つ」と気合いを入れてもらい、出だしから日本のペースで試合を展開しました。日本は中国に高さでは勝てないのでスピードや技術、シュート力で対抗し、中国の192cmの選手に対して日本はチームDFでOFを封じました。最後まで日本のペースで、予選では中国に75対59で勝利しました。その勢いにのった日本は続く韓国、マレーシアにも圧倒して勝利し、決勝リーグ1位通過を決めました。
予選の1位から4位で行われる決勝リーグには日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイが世界選手権出場の切符をかけて試合をしました。決勝リーグは1位通過対4位通過、2位通過対3位通過の対戦でした。1位通過の日本は4位通過のチャイニーズ・タイペイと再度試合をしました。相手のエースが不出場なこともあって日本はDFからのブレイクや高さを生かしたプレーでチャイニーズ・タイペイを圧倒し、99対60で勝利しました。
韓国対中国は中国が高さで韓国を制圧して中国が勝利し、決勝で再度中国と戦うことになりました。中国との決勝の前に、ヘッドコーチやスタッフの方から「予選の中国とはまるで別のチームだから勝ったことを忘れて全力でプレーするように」と声をかけていただいて、今まで通り日本のプレーをしようとチーム全員が一つになって決勝に臨みました。
1ピリオドはお互いに主導権を掴めない時間帯が続き、なかなか点が入りませんでした。初めに得点したのは日本でした。その勢いにのって早いパス回しからのシュートや1対1、ブレイクで中国に1ピリオドは勝っていました。
2ピリオドに入って中国という国のプライドの高さ、負けられないという気持ちの大きさに私を含めた12人が圧倒されました。予選で戦った中国は10点差がつくとゲームを諦めてしまうようなチームだったのが、本当に必死でボールを取りにくる、ルーズボールを追うチームに一変しました。国を背負うということが本当にどれだけ大切かを改めて実感しました。
徐々に日本のミスが目立つようになって、中国の高さを止めることができずに逆転されてしまいました。逆転されてから日本は早く逆転しないといけないという焦りから単発なシュートが続き、点差をつけられてしまいした。3ピリオド、4ピリオドに入っても中国の意地ともいえるプレーでリズムを崩すことができずに50対62で中国に負けました。
予選では勝っていたのに決勝で負けたという結果で終わって、自分の中に敵がいるということが本当によくわかりました。自分達が負けるはずがないという自信が裏目に出てしまい、このような結果になったのだと思います。チームとしての課題は勝負所でのシュートの決定力、高さのある相手にどうやってシュートまでもっていくかという技術がまだまだ足りませんでした。個人としては主将としてチームを落ち着かせることができませんでした。また、厳しいマークにあった時のシュートまでのもっていきかたやシュートのバリエーションをもっと増やしてもっと点を取らないといけなかったです。
U-16アジア選手権は自分自身、本当に大きな経験をさせてもらいました。日本では体感することのできない高さ、スピード、シュート力、何より国の代表選手という意地やプライドを体で感じることができました。この大会で日本は準優勝になったので夏に行われるU-17世界選手権の切符を獲得することができました。私達の目標は優勝することだったので悔しい結果で終わりましたが、世界選手権で必ず中国より上位に行くことを目標に、またチーム一丸となって頑張っていきたいです。
ヘッドコーチ、スタッフ、トレーナーたくさんの方からの応援や援助のおかげで海外での食事に不自由なく万全なベストのコンディションで毎試合、試合に臨むことができました。私達が何不自由なくバスケットのできる環境に感謝して、これからも日本代表選手として慶進のバスケットボール選手として恥ずかしくないよう、全力でプレーします。
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■大会名
「第3回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会」
■期日
平成25年(2013年)11月23日(土)-30日(土)
■場所
スリランカ・コロンボ
■結果
予選ラウンド
[11月23日(土)]日本○112-45●インド
[11月24日(日)]日本○87-56●チャイニーズタイペイ
[11月25日(月)]日本○75-59●中国
[11月26日(火)]日本○83-50●韓国
[11月27日(火)]日本○87-12●マレーシア
準決勝
[11月29日(金)]日本○99-60●チャイニーズタイペイ
決勝
[11月30日(土)]日本●50-62○中国
☆日本は準優勝。第3回FIBA U-17女子バスケットボール世界選手権大会(2014年6月26日-7月6日 スロバキア)の出場権獲得
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