とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

ともに暮らす

2017-08-14 22:01:47 | 日記

私と夫とが結婚してともに暮らして、20年を超える。


今朝は、お腹が痛かった。2年ほど前だが、胃カメラで腸の入り口までの画像を見たが、特に異常がなかった。精神的なことでしょう、という。
今朝のそれも、たぶん、行きたくないのだ、会社に。

朝の時間はすぐと過ぎて、身体はまだ目覚めていないのに、家を出る刻限となる。

通勤途中、ストッキングの足が靴の中で滑って歩きにくい。いつもの靴なのだが。要するに、靴が大きくて、いちいち一歩ごとに脱げそうなのだ。

何故だろう? 答えは今もって分からないのだが、ターミナル駅で乗り換えのホームめざし、階段を必死に上り、電車に乗ったら、靴底に違和感。

ガム だ。

ガムを踏みつけたらしい。マナーを守らない人がいるのだ。それに私もよく見て歩いていなかったということだ。

なんてこと。めったにないわ。電車では心を鎮めるのに必死。

ほどなく埃や何かでガムはぺったんこになって、ベタつかなくなった。お陰であまり気にせず定時で上がったが、靴裏を思うと落ち込む。

帰宅すると夫が居てくれてホッとする。早速、ねぇねぇ、聞いて聞いてぇ~。

「ガム踏んづけちゃってさ」

「え~ぇ~?」

向こうは顔を洗いながらだからちゃんと聞こえないらしい。

「ガムが」

「はぁ~ん?」

「だから、ガム!」

夫は子供をあしらうように笑って、耳の聞こえないおじいさんとおばあさんの会話だねぇとはぐらかす。しかし私の落ち込みは少し癒されて、一緒に笑った。

夫はいそいそと秘密兵器を出してきた。ドクターディゾルビットとかいう洗剤。古歯ブラシでこすってくれたようだ。シールやガムをはがすものであるらしい。

…なんで持ってたんだろう。

しばらくして夫が「取れたよ」と靴を見せてくれた。綺麗に取れてた。

私の不運も取れた。

夫のしてくれたことに感謝しつつ、私は振り返る。
慣れないながらに二人で育児してきたし、互いに悪いところがあれば窘(たしな)めた。夫に何をしてあげられただろうか。


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