虚言Blog

ホントかウソかわからない私の経験談を交えながら
恋愛のことを書き連ねるBlogになっていく予定。

二人で泣いた夜

2004-08-24 23:11:12 | Weblog
本当にくだらない話をしていたはずだったのに、
彼が姪っこのことを話し始めた。

「客観的に見て、姪っこは美人に生まれたんだ。
 僕は彼女の未来って明るくて楽しいだろうな、って思ってた。
 それを見つづけられると思ってたんだ。楽しみだった。
 それなのに、まだ死ぬことの意味もわからないような小さいうちに
 何であの子が苦しまなければいけないんだろう」

そう言いながら彼は泣いていた。

「入院した次の日、たくさんの検査を受けて、
 姪っ子はもう病院が嫌になって、
 僕が、姪っ子のいつも履いてた赤い靴を出してあげて
 『帰るか?』
 って言ったら、両手に大好きなおもちゃを一杯抱えて
 『帰る』
 ってぐちゃぐちゃの顔して泣いてたんだ。
 でも今では、僕が行っても嬉しそうな顔をしないの。
 彼女にはママしか信じられなくて、僕どころか、パパもおばあちゃんも
 『あっちにいけ』
 ってするんだ。かわいそうでね」
 聞いてるうちに私も泣いていた。
 いつか彼の大好きな姪っ子に会えたらいいな、と思っていた。

 私たちは電話も切らずに泣いた。
 まるで目の前で彼が泣いてるみたいだった。