総天然色日記

映画、怪獣、プリパラなど好きなものについて色々書いていきます。

話題沸騰中の「書き時計」見てきた。プロダクトデザインはいいぞ!

2016-02-12 09:17:28 | その他
噂のアレを見てきました。

天才か!卒業制作「書き時計」に驚嘆の声 時計に時間を書かせる発想 - withnews

元のツイートがTwitterで流れてきたときは、東京芸大とかあっちのほうの人なのかなーって思ってたんですけど(美術系大学にもランクがあって、特に東京芸大やタマビ、ムサビは美術にあまり明るくない人でも聞いたことはあると思います)、
なんと自分の大学の先輩でした。

山形市にある東北芸術工科大学の卒展は、2/14(日)まで開催中です。入場無料、各地から送迎バスも出ています。

ソウゾウリョクと旅に出る。東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展


ということで、行ってきましたよ卒展。
見てきましたよ書き時計。

この「書き時計」は、プロダクトデザイン学科という、製品デザインやインターフェースなど、文字通り「問題解決」としてのデザインを中心に勉強している学科の作品です。

プロダクトデザイン学科の会場は体育館。
こういう展示って、落ち着いた雰囲気の会場で、あんまりおしゃべりとかしないほうがいいのかな、という印象があって、人によってはそういう点で敷居の高さを感じてしまう方もいらっしゃると思います。
しかしこの芸工大プロダクトデザイン学科の卒展、特に今年は、そういった堅苦しい印象がなく、楽しい雰囲気に包まれた会場です。
ほぼ全ての作品(作品数は53点)に制作者の方が隣に立っていて、制作の意図や作品の解説など、ご本人から直接お話を聞くことができます。
また、多くの作品が、実際に触れて楽しむことができるのが特徴です。


▲タイトルだけでも面白そうな作品ばかり!

「書き時計」は、正式名称は「書いて時間を表す時計」。鈴木完吾さんの作品です。

展示1日目は「プロダクト・インターフェースデザイン」のスペースに、他の方の作品と同じく展示されていたのですが、
人だかりができてしまった等の事情で、2日目からは会場奥のイベントスペース付近に移動、
制作者の鈴木さんによる解説と実演も時間が決められてスケジュールが貼り出されていました。
メディアの効果ってすごい......!!
私が会場に着いたときも取材のカメラが入っていました。

私は2日目12:30〜の実演・解説を見に行きました。
もう、ものすごい人だかりで、ルーブル美術館のモナリザかよっていうくらい人人人で、後ろの人は全然作品が見えないので、前の方の3列くらいはしゃがんでいました。
芸工大の学生はもちろん、親子連れやおじいちゃんおばあちゃん、4月から入学する新入生や入学希望者の高校生など、まさに老若男女が時計を見るために集っていて、私の隣にいた男子小学生は終始小声で
「いや天才すぎるでしょどんだけ頭いいの?意味わかんねぇ頭よすぎ 天才 やばすぎ」
と半ギレでつぶやいていたのが面白かったです。

作品の仕組みや解説などは、鈴木さんのTwitterや各ニュースサイトなどを見てもらえるとだいたい書いてあると思うのですが、一応私が覚えていることを書いておきます。

・パーツは全て木材。電動糸のこで自分で切り出した
・数字を書く仕組みは、カムというパーツの形が数字を書く軌道になっていて、当然0から9まで全部形が違っていて、それぞれ4カ所(00:00という時間表時のため)に数字のカムが組み込まれている
・文字盤は磁石で絵を描く知育玩具のパーツ
・分の数字だけ書き換えられるのではなく、1分ごとに全ての数字を消して書き直している
・原動力は下にぶら下がっているおもり。このおもりの長さの縛りがあるので、現時点でこの時計が連続で動くのは1時間ほど。
・手作業でのカムの切り出しの誤差や動きの誤差などがあるため、数字のバランスが崩れることがあり、特に8を書くのが難しい
(鈴木さん「あ、ちょうど次は8分ですね...」 私の隣の小学生「どうせ書けっから!」→書けた)

実演中は時計がリアルタイムで数字を書き続けていましたが、何度見てもこれは感動もので、動くたびにお客さんたちはどよめいていました。

複雑に組み合わされたパーツがかちゃかちゃと音を立てて、一瞬で4つの数字を書く様子はとても美しく、不思議でした。本当にこれは飽きずにずっと見ていられます。
数字を書いていない間の、お客さんのまだかまだかというわくわくしている空気が面白かったです。

1人でも多くの方に是非直接本物を見て、制作者の鈴木さんのお話を伺ってほしいです。

書き時計以外も、プロダクトデザイン学科の卒展は楽しいものばかりですし、他の学科の展示も素晴らしいものばかりなので、是非みなさん日本中からお越しください。
次回の更新では、他の学科の展示の感想を書きます!

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