アセンションへの道 PartII

2009年に書き始めた「アセンションへの道」の続編で、筆者のスピリチュアルな体験と読書の記録です。

第2章 社会の変化 ③ 海面上昇

2015年06月29日 11時10分04秒 | 第2章 社会の変化
今年の6月18日に、毎日新聞に載った記事(インターネット版)であるが、ローマ法王が世界の環境問題に重大な懸念を示し、回勅を出した。以下同紙の引用である。

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 フランシスコ・ローマ法王は18日、環境問題への対処指針を示した重要文書を発表した。地球温暖化について「今世紀にとてつもない気候変動と、生態系の未曽有の破壊が起き、深刻な結末を招きかねない」と警告し、国際社会に迅速な行動を呼びかけた。今年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)本会合の論議に影響を与える狙いがある。
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 『不都合な真実』を世に出した、アルバート・ゴア(元米国副大統領)がこれを聞いて、どのように思ったかは知る由もないが、少なくも筆者は、アル・ゴアが10年近く前に映画まで作成して警鐘を鳴らしているのに、今更言っても遅きに失していると思わざるを得ない。ここで、筆者がこのブログを書き始めた2009年11月の第1章「不都合な真実」から、その一部を再掲したい。

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 アメリカの元副大統領、アルバート・ゴアしが企画し、自ら主演した映画、『不都合な真実』は、本当に不都合な真実の全てを語っているのだろうか?と云うのが、筆者が同映画を見た際の率直な思いであった。『はじめに』の章でもふれたが、筆者の記憶が正しければ、温暖化によってグリーンランドを覆う氷河と南極の氷床の一部が融けて海に流れ出すと海面は6-7mも上昇する可能性があり、それはニューヨーク、上海などの大都会のかなりの部分を水没させ、東京の東半分をも水で覆ってしまうという内容であった。

この海面上昇の部分に就いては、即座に英国の研究機関による否定的な見解、すなわちグリーンランドの氷河の海への流出については科学的な根拠に乏しいとの意見が表明され、IPCCの第4次報告書においても、より影響の少ない形、即ち2100年迄に1m以内と書き改められたようである。

然し真実は多数決で決まるものではない。ガリレオは、宗教裁判で負けたが、今や彼の主張した地動説が間違っていたと考える者は皆無に近い。筆者にはこのIPCCの報告書も、不都合を隠す為の宗教裁判のようなものであったように思えてならない。それどころか、アル・ゴアが発表した以上に温暖化と環境破壊の事態は深刻であるように思われる。
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 そして筆者は、当時同ブログに掲載した通り、NASAゴダード宇宙研究所(以下、同研究所)のジェームズ・ハンセン博士が言う、Tipping Point(臨界点)に関する懸念を共有している。その部分に就いても再掲したい。

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 2008年1月2日、NHKのテレビ番組『未来への提言(シリーズ地球温暖化に挑む)』に於いてNASAゴダード宇宙研究所(以下、同研究所)のジェームズ・ハンセン博士(以下、同博士)が紹介された。

同研究所は、17の衛星とスーパーコンピュータから構成される『アース・オブザービング・システム』を使って地球規模の気象を長年観測し続けており、同博士は同研究所の所長でもある。そこで、地球温暖化に関連して特に同博士が注目しているのは南極の氷床である。即ち、南極を観測すると、特に大陸の西側の氷床の上に大きな水溜りが出来始めており、同博士はこの水溜りが大規模な氷床の崩壊を惹き起す可能性が有ると指摘している。

このメカニズムは、絵を使わないと説明し難いのであるが、以下判り易い説明を心掛ける。先ず南極が大陸と呼ばれる所以は、それが北極とは違って陸地であるからであり、その陸地は氷床と呼ばれる平均で2000mもの厚みがある氷の層で覆われている。そしてこの氷床が海に張り出して、下に陸地の支えが無い部分(家に喩えれば、壁から張り出している屋根の庇の部分)を棚氷(タナゴオリ若しくはホウヒョウ)と呼んでいる。ここで重要なのは、この棚氷がある意味で、より内陸にある氷床が海に滑り落ちるのを防ぐ、つっかい棒のような役割をしている事である。

ところが、氷床にたまった水の部分は、他の氷の部分と比べて太陽光線を反射し難い分だけ温度が上がり易く、徐々に氷床の下部に向かって浸透して行き、海若しくは地表(岩盤)まで達する。実際氷床の下と地表の間にはこうしてできた湖やその湖から流れる川があり、普通我々素人が考える以上に氷床を滑り易いものにしている。

このように氷床の表面に溜まった水は、至るところで岩盤或いは海に向かって浸透して行くことで氷床を虫食い状態のようにして分断して行く。結果として先ずは陸地の支えが無い棚氷の部分が海中に落下し(『不都合な真実』を見た方はその映像を記憶されていると思う)、その後棚氷の支えを失った内陸部の氷が、海に近い部分から次々と海に向かって滑落して行くことになる。

これが南極において大規模に起こったのが、ラーセンBと云う地点であり、この時(2002年)には東京都の1.5倍に相当する氷床(7500億トン相当の氷)が僅か35日で一気に海中に滑り落ちたと云われている。こうした氷床の崩壊・海への滑落は、当然ながら海水全体の水量を増加させ、海面上昇の原因となる。

それではIPCCの海面上昇に関する予測、2100年迄に59cmの上昇と云う数値は何に基づくものであろうか? 同博士の説明に拠れば、これは主として海水全体の体積が、温度上昇によって膨張することで齎されるものであり、南極やグリーンランドの氷床が融けて海に滑落する要因に就いては、いまだ科学的な予測が難しいとの理由で、この影響を除外するとの但し書きが付いているとのことである。

同博士が番組の中で説明しているもう一つの重要な概念があるので、説明しておきたい。それは、Tipping Pointと呼ばれており、敢えて訳せば臨界点という意味である。博士が云うには、これ迄温暖化は地球全体の気象や生態系を含むバランス・システムに或る程度支えられることで徐々にしか進行して来なかったが、或るポイントを過ぎると温暖化が連鎖的な反応を起こして加速すると同時に、後戻り出来なくなると云う。Tipping Pointとはそのような臨界点を意味している。

連鎖的な反応の例をあげると、北極の氷が融けることで、北極海の中に占める海の面積が増加する。海面は氷のように太陽光の熱を反射しないので太陽熱は海に吸収されて海水の温度を押し上げ、それがさらなる北極の氷の溶解を惹き起す。然し、北極の氷は海に浮かんでいるので、融けても海面上昇は起きない。一方南極の氷床と棚氷、これらは海に浮かんでいる訳では無いので、これらが海に滑落すれば、それはその体積の分だけ海水の量を増加させ、海面上昇を惹き起す。加えて、それは前述したように、棚氷の海中への落下に止まらず、それに続く氷床の滑落というより劇的な事象を惹き起す可能性が高い。仮に現在のペースでCO2の排出と温暖化が進んだ場合、同博士は数年以内にこのTipping Pointを迎えることになろうと警告している。
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 筆者は又最近、上記を裏付けるような記事をインターネットで見つけた。2013年8月の記事なので少々古いが、Huffington Postが、今世紀中に米国の1700の都市が、そして10年以内(つまり2023年まで)に米国の80の都市が水面下に沈む可能性があると警告している。

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 地球温暖化に起因する海面上昇によって、米国の1700以上の都市や街が水没する可能性がある。

米国の科学専門誌『米国科学アカデミー紀要』に7月29日付けで発表された研究によれば、ニューヨークやマイアミを含む1700を超える都市や街が、今世紀中に、海面よりも低くなる可能性があるという。

同研究は、直ちに温室効果ガスの厳しい規制等を行わない限り、少なくとも80都市が今後10年以内に海面下に沈む可能性があると指摘している。

同研究の著者であり、Climate Centralの研究員であるベンジャミン・ストラウス氏は次のように述べている。「明日すぐに温室効果ガスの排出を止めたとしても、フロリダ州のフォートローダーデールやマイアミガーデンズ、ニュージャージー州のホーボーケンといった都市は海面下に沈んでしまうだろう」

「何百もの米国の街が、すでに水没が運命づけられている。我々はさらに、(対応を遅らせることで)、そのような街を急増させている」とストラウス氏は述べている。

ストラウス氏の言う「運命づけられる」とは、地球温暖化がもはや抑制できなくなり、それらの都市が後戻りできない状態になってしまうことを意味している。温室効果ガスの排出をゼロにしても、気候に影響を与えるには時間がかかるため、すでに危機に瀕している都市は沈んでしまうというのだ。

ますます予測が難しくなり、威力を増しつつある異常気象に対して、オバマ大統領は「野心的」という評価を得た計画を立てた。その計画には、地方自治体における悪天候への防備体制の強化と、再生可能エネルギー技術への巨額投資が含まれている。

しかし、ストラウス氏の分析が正しければ、オバマ大統領の計画も十分とはいえない。同論文は、上述の1700都市では、2100年までに、その人口のうち25%が暮らす地域が水没する可能性があると結論づけている。

そして、そうした地域の人々の多くは、2100年よりかなり前から、気候変動の影響を直接受けることになるだろう。「大規模な堤防や土手を築かないかぎり水没するという地域はかなり多い」と、ストラウス氏は分析している。
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 既に海面上昇が急激に起こり始めている証拠は枚挙に暇がない。次はURLの引用に留めるが、ヴェニスが既に冬の高汐の時期には水没し始めたことを示すロイターの証拠写真である。

 しかし、このようなことは『不都合な真実』以外でも、ずっと以前から予告されていたのである。筆者のブログでも引用したことのある、『バシャール・スドウゲンキ』(初版2007年11月)には次のように書かれている。以下の引用でSはスドウゲンキ氏、Bはバシャールの発言を示す。

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S:オーストラリアのティム・フラナリー博士(Tim Flannery)は、『地球を殺そうとしている私達』(ヴィレッジブックス刊、以下、同書)という本で、地球の陸地上の氷が全部溶けると、海面が60~70m上がると指摘していますが、実際、このまま温暖化が進むと、将来的にそうした事態がやってくるのでしょうか。そして、もし来るとしたらそれはいつ頃になるのでしょうか。
B:それは、これから10~15年の間に起きるであろう可能性がきわめて高いです。
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 前述の通り、同書の初版は2007年に出ているので、「これから10~15年の間」とのバシャール発言は、2017年から2022年の間を指していることになる。これと些か矛盾するようではあるが、続いてバシャールは、2025年から2033年の間に地球の氷の三分の二が溶けると言っている。同書からの引用である。

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S:・・・地球上の氷が溶けはじめるのはいつ頃ですか。氷がすべて溶けるのがいつ頃で、どういう経過をたどるのか教えて頂いていいですか。
B:地球の氷の三分の二が2025年から2033年の間に溶けるでしょう。多くの都市が水位の上昇に備えてバリアをつくる必要があります。また、内陸部に移動する都市も出てくるでしょう。・・・2025年から2033年の間に、自然の変化がもうひとつおきます。雲の密度がどんどん濃くなって太陽光が遮られることで低温化し、再び氷ができるようになるでしょう。・・・
S:地球上の三分の二の氷が溶けるとなると、海面が20~30mくらい上昇することになるのですか。
B:建物で言うと、だいたい2~3回分に相当します。
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 以上から、筆者は次のように結論付けている。今後CO2の排出量を抑制したところで、温暖化の流れは2025年くらいまでは続くと観た方が良いであろう。そして、少なく見積もっても、我々はアル・ゴアが言った通り、6~7mの海面上昇を2025年頃まで(即ち10年以内)には経験することになると覚悟しておいた方が良さそうだ。蛇足ながら、これを防ぐ為の堤防を作るだけの予算を日本政府が持ち合わせているかどうかも、大変気になるところである。

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