アセンションへの道 PartII

2009年に書き始めた「アセンションへの道」の続編で、筆者のスピリチュアルな体験と読書の記録です。

第2章 社会の変化 ⑬ ロシアの近未来

2016年04月11日 15時17分52秒 | 第2章 社会の変化
 前稿⑫地球の未来を書いた時点で、正直なところ筆者はかなり地球の未来に悲観的になっていた。というのも、現在の世界の情勢は、国と国、或いは民族と民族がエゴを剥き出しにして争っていて、アミに描かれた滅亡寸前の星の状況と酷似しているからだ。まして地球の統一政府が近いうちに樹立されるような気配は全く見えない。しかし、アナスタシアのシリーズを第5巻まで読み進めた処、希望の光が見えてきたように思う。ここで、アナスタシアが示すロシアの近未来について触れておきたい。

 以下、アナスタシア第5巻(以下、同書)からの引用である。

◇◇◇
 「新しい、美しい未来の芽がロシアのダーチニク(*ダーチャと呼ばれる郊外の簡易別荘で自家菜園を造っている人のこと)たちの中にある!」この言葉が、アナスタシアがそばにいないそのときに、ひとりでに私の内で響いた。その一瞬で思い出した。四年前のことだが、アナスタシアがどれほど夢中で、歓喜にふるえながらロシアのダーチニクたちのことを話していたかを。彼女はまさにダーチニクたちのお蔭で、1992年に地球規模の大惨事が避けられたのだと考えている。まさにロシアで、地球の一部を抱擁するその驚くべきムーブメントが起こったのだ。彼女が話していたことを覚えている。
「・・・何百万人もの人間の両手が、愛をもって大地に触れた。機会ではなくまさに自分の両手で。ロシアの人々は、自分の小さなダーチャの一角で、やさしく地球に触れた。そして地球はそれを感じた。地球はすべての手が触れるのを、一つひとつつぶさに感じた。地球は大きいけれど、とても、とても敏感。そして地球は、もう少し持ちこたえる力を自身の内に見出した」
 その頃、つまり四年前、私はこの発言をあまり深刻に受け取らなかったのだが、今、世界中で起こっていたスピリチュアルなエコビレッジを創ろうという人々の数えきれない試みを知り、私は突然理解したのだ・・・。 
・・・私の前に大量の記事やさまざまな論文集があり、その中ではエコビレッジに何名の人が暮らすべきかという問題を真剣に取り上げている。そして百五十人を超えないようにと提言している。また、エコビレッジの管理組織やスピリチュアルな指導者に、大きな重要性を持たせている。
一方でロシアのダーチャ共同組合はすでに何年も前から存在していて、ひとつの組合を構成する世帯は三百以上である。管理人はそのうちの一人か二人で、年金生活者であることも多い。・・・
ロシアのダーチャ・ムーブメントにおいて、集権的な機構はまったく存在しない。一方で国家統計局のデータによると、すでに1997年には千四百七十万世帯が果樹園を、七百六十万世帯が菜園を持っていると公表している。彼らが所有する土地の総面積は百八十二万一千ヘクタールである。国民はジャガイモの総生産量の九十パーセント、ベリーや果物の七十七パーセント、野菜の七十三パーセントを自力で栽培している。
◇◇◇

 要は、現在世界的なブームになってきているエコビレッジを今さら研究して立ち上げなくとも、ロシアでは既にそれと同じ効果、或はそれ以上を期待できるダーチャが確実に増加しつつあり、それが延いては地球を救うとアナスタシアが言っているのだ。それではエコビレッジとダーチャはどの程度異なるのか、両者を比較する為、先ずはエコビレッジの定義について調べてみた。以下はウィキで検索したその定義と特徴である。

◇◇◇
エコビレッジとは、持続可能性を目標としたまちづくりや社会づくりのコンセプト、またそのコミュニティ。 エコビレッジは、以下のように定義されている。
• ヒューマン・スケールを基準に設計される。
• 生活のための装備が十分に備わった住居がある。
• 人間が自然界に害を与えず、調和した生活を行っている。
• 人間の健全な発達を促進する。
• 未来に向けて持続的である。
有機農法やパーマカルチャーの実践、スモールコミュニティ、持続可能性の追求など。 持続可能な建築、水の循環利用、糞尿分離トイレなどの取り組みなども特徴的。
◇◇◇

 続いて、アナスタシアの提案するダーチャの在り方について同書から引用する。
 
◇◇◇
 ・・・その構想は、表面的にはまったく単純にみえる事柄なのだ。各家族が終身的な利用を目的として、一ヘクタールの土地を受け取り、そこに自分の一族の土地、祖国の一画を創り上げる。そして、この構想の細部が私の頭を強くつかんで離さない。その構想はきわめて単純なことであって、同時に信じられたにほどすばらしいことなのだ。
 そんなことがあるだろうか! 植物を敷地内に正しく配置すれば、たったの数年でその土に肥料をやらなくともよくなると。そればかりかあまり肥沃でない土壌ですら改善されると! そう証明したのは、土壌の専門家ではなく、タイガの女世捨て人だった。
 主な例として、アナスタシアはタイガの状況をあげた。タイガは何千年も存続し、すべてそこで育ち、誰もタイガの土に肥料などやらない。アナスタシアは言う、地球に生えるすべての植物は物質化された神の意識であり、神は、人間が食べ物を得るために苦労しなくともいいように、すべてを整えたのだと。ただ創造主の意識を理解するように努力し、創造主と共に美しい創造をしようとすればよいのだと。
◇◇◇

 アナスタシアは、一ヘクタールの土地の四分の一は森でなければならず、又その土地の境界を生きた木々でこしらえるべきだと言っている。そこで、著者のメグレ氏はその経済的な妥当性について検討し、少なくもロシアにおいては十分に生活可能であることを確信する。但し、もう一つ重要な条件がある。著者のメグレ氏はこのように言う。

◇◇◇
私は自分でも土地を持ちたいと、とても強く思うようになった。一ヘクタールの土地を得て、家を建てる。ただ尤も重要なのは、土地の周囲に様々な樹木や草花を上、アナスタシアが描いたように整備し、そしてその土地が同じように美しく整備された他の人の土地で囲まれていることだ。
◇◇◇

 この点は、非常に重要なポイントであり、同書の後半に、やはりアナスタシアに感化されダーチニクを目指す老哲学者の言葉としても掲載されている。

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・・・土地を買うことは、一ヘクタール以上の土地であろうとも私には問題ではありません。その周りにどんな人が暮らすのかが、大きな意味を持つのです。だから、同じ思想を持つ人々の中で土地を整備したいのです、自分の孫たちのために。・・・
◇◇◇

 続いて、アナスタシアが著者のメグレ氏に見せた、未来のロシアの光景を引用したい。「新しい千年紀のはじめに・・・」との書き出しなので、現時点で法律は既に施行されているかもしれないが。

◇◇◇
 新しい千年紀のはじめに、ロシア大統領の発議により、希望するロシアの家族に無償で一ヘクタールの土地を割当て、一族の土地として整備させることについての法律が可決された。その法律では、割り当てられる土地は生涯を通して使用することができ、子孫へ相続する権利もあると謳われている。一族の土地で生産されたものにはいかなる税金も課されない。
 立法府は大統領の発議を支持し、憲法もそのための改正が行われた。大統領や立法府が考えるこの法律の主な目的は、国内の失業者の減少、低所得世帯の最低生活費の確保、難民問題の解決だった。でもその後に起こったことは、最後まで誰も予想できなかったこと。
 二百世帯以上でできた入植地に最初の土地が分配されたとき、自分の土地を整備するため区画を取得しようとしたのは低所得者や失業者、災難に遭った移民たちだけではなかった。まずはじめに、あなたの読者の中間層と実業家の人たちで、用意されていた土地がすべてうまってしまったの、ウラジーミル。・・・
 まさに実業家たちのイニシアティブとその資金によって、あなたが『共同の創造』(筆者註:アナスタシア・シリーズ第4巻)の本の中で書いたような、便利な生活の為の医療施設や学校、レクリエーションホールや道路なんかのたくさんのインフラが整った入植地の設計が形になった。・・・
◇◇◇

 そして・・・

◇◇◇
 新しい入植地のことがロシアの紙面で取り上げられるようになり、多くの人々がその美しさを見たいと思うようになった。自分でもおなじようなものを創るために。そしてもしかしたら、もっとよいものを創るために。
 美しいものを創造したいという熱望のインスピレーションは、何百万人のロシア人の家族をとりこにした。最初にできた入植地に似たものが、ロシアのいろいろな地域で同時に造られていった。現在のダーチャ・ムーブメントに似た、全体的なムーブメントが始まった。
 ・・・最初の法律ができてから九年後には、三千万以上の家族が自分たちの一族の土地、自分の祖国の一画を創造するようになった。彼らは自分の美しい区画を育てていった。神により創造された、生きた永遠の素材を使って。まさにそれにより、彼らは神と共に創造をしていた。
◇◇◇

 その結果、ロシアはどのようになるのか。アナスタシアが著者メグレ氏に見せた未来のモスクワは、まったく彼が想像していたようなものではなかった。「都市の面積は広がって」おらず、「あると思っていた摩天楼もない。」「首都のほとんどすべての大通りには、木々や花が植えられていた。」植え込みによって「狭くなった道路や大通りには、ほとんど乗用車が走っていない。」走っているのは主に、外国人観光客の乗ったバスだった。メグレ氏がアナスタシアに、「何が彼らをモスクワに惹きつけるんだい?」と聞くと、アナスタシアは次のように答える。「偉大な想像の雰囲気、生命を与える空気と水。みて、どれだけの人がモスクワ川のほとりで水をすくったり、堤防からロープの付いた容器を落として水を汲んだりして、大喜びで川の水を飲んでいるかを」そして、どうして沸かしていない川の水を飲めるのかとの質問にアナスタシアは続ける。「よくみて、ウラジーミル。モスクワ川の水がどれほどきれいで、透明なことか。この川の水は生きている。世界中の店で売られているボトルに入った水のように、炭酸ガスで殺されたりしていない」。

 日本はロシアほど広大な国土を有している訳ではないが、国土の約7割は森林だと学校で習った記憶がある。更に、現在すでに抱えている多くの耕作放棄地を活用すれば、「日本版のダーチャ」を実現する可能性は大いにあるのではなかろうか。これが全てとは言えないまでも、日本を救う有力な選択肢になると筆者は考える。

PS(1): 尚、このブログは書き込みが出来ないよう設定してあります。若し質問などがあれば、wyatt999@nifty.comに直接メールしてください。
PS(2):『ヴォイス・オブ・ババジ』の日本語訳がアマゾンから発売されました(キンドル版のみ)。『或るヨギの自叙伝』の続編ともいえる内容であり、ババジの教えなど詳しく書かれていますので、興味の有る方は是非読んでみて下さい。価格は¥800です。



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