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WOWOWカンヌ国際映画祭ブログ

現地に飛んだスタッフが映画祭の様子を毎日レポート!

審査員賞受賞!『Il Divo』のパオロ・ソレンティーノ監督会見

2008年05月26日 | 現地レポート

審査員賞
パオロ・ソレンティーノ(Paolo Sorrentino)
『Il Divo』(イタリア)



『Il Divo』


パオロ・ソレンティーノ監督:
リスクのある作品だったので賞を貰えるとは考えてもみなかったよ!





この記者会見の模様は番組で!


「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!




主演男優賞受賞!ベニチオ・デル・トロ惚れ惚れ記者会見♪

2008年05月26日 | 現地レポート

男優賞
ベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)
『Che』(米国)

監督:スティーヴン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)


『Che』


ベニチオ・デル・トロ:
チェ・ゲバラがいなかったら、僕は今日この席には座っていない。だから、この賞はチェへ捧げたい。



会見で質問をした日本の記者さんがチェのTシャツを着ていたのに対し、何度も何度も「あなたのTシャツは好きだ!」と繰り返していました!



しかし、ベニチオ、ほんと、格好いいです!!
チェに似てるとは思わないけど、オーラが凄いですから。だから信憑性が湧き出たんですね。
4時間半は長かったけど、もう一度観たくなります!







ちなみに、審査委員長のショーン・ペンいわく、「数少ない、審査員全員一致での受賞だった」とのことだった。

この記者会見の模様は番組で!


「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!




サンドラ・コルベローニ主演女優賞受賞!『Linha de passe』の監督が会見

2008年05月26日 | 現地レポート

女優賞
サンドラ・コルベローニ(Sandra Corveloni)
『Linha de passe』(ブラジル)

監督:ウォルター・サレス & ダニエラ・トマス(Walter Salles & Daniela Thomas)


『Linha de passe』

女優賞を受賞したサンドラ・コルベローニは、つい先日お腹の子供を亡くしてしまったばかりなので、カンヌには来れませんでした。




ダニエラ・トマス(左)、ウォルター・サレス(右)

ダニエラ・トマス監督:
今さっきサンドラと電話で話しました。
全く想像もしていなかったのでビックリしていましたが、大変喜んでいます。

ウォルター・サレス監督:
45歳で初めて映画に出演した新人女優に、こんな素晴らしい賞を捧げてくれて心から喜んでいます。サンドラにとっても新しい人生を、そして、ブラジルのニューシネマにとっても、素晴らしい栄誉です!





この記者会見の模様は番組で!


「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
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脚本賞受賞!ダルデンヌ兄弟喜びの会見♪

2008年05月26日 | 現地レポート

脚本賞
ジャン=ピエール & リュック・ダルデンヌ(Jean-Pierre Dardenne,Luc Dardenne)
『Le Silence De Lorna』(ベルギー)



『Le Silence De Lorna』

質問:
もう、4回も賞を貰ってるから、慣れましたか?

ジャン=ピエール監督 & リュック・ダルデンヌ監督:
この世には、絶対に慣れないものがあるんだ。作品が違えば、感情も毎回違う。だから、慣れようがないんだよ!








この記者会見の模様は番組で!


「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
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短編パルム・ドール、カメラ・ドール受賞監督記者会見

2008年05月26日 | 現地レポート

短編パルム・ドール
『Megatron』(フランス)
監督:Marian Crisan


Marian Crisan監督:
今ルーマニアには、ヌーベルヴァーグが訪れてるんだ!






そして、監督第一作目の作品に与えられる、新人賞。
カメラ・ドール
『Hunger』
監督:スティーヴ・マックィーン(Steve McQueen)


質問:
今後のあなたのキャリアに大きな影響となると思います?

スティーヴ・マックィーン監督:
まだ、実感ないし、この賞のお陰で、今後どのような影響があるのか、まだわからないよ!



この記者会見の模様は番組で!


「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
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6月8日(日)午前11:00ほか
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速報!第61回カンヌ国際映画祭受賞結果

2008年05月26日 | 現地レポート

第61回カンヌ国際映画祭受賞結果速報!

パルム・ドール(最高賞)
『Entre les murs(The Class)』(フランス)
監督:ローラン・カンテ(Laurent Cantet)

→喜びの受賞コメントはコチラ


『Entre les murs(The Class)』


第61回特別賞
カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)『Un Conte de Noel』
クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)『The Exchange』



グランプリ
『Gomorra』(イタリア)
監督:マッテオ・ガローネ(Matteo Garrone)

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→気になる映画の内容は?現地試写レビューはコチラ

『Gomorra』


男優賞
ベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)
『Che』(米国)

監督:スティーヴン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)

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『Che』


女優賞
サンドラ・コルベローニ(Sandra Corveloni)
『Linha de passe』(ブラジル)

監督:ウォルター・サレス & ダニエラ・トマス(Walter Salles & Daniela Thomas)

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『Linha de passe』


監督賞
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(Nuri Bilge Ceylan)
『Uc Maymun(Three Monkeys)』(トルコ、フランス、イタリア)

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『Uc Maymun(Three Monkeys)』


審査員賞
パオロ・ソレンティーノ(Paolo Sorrentino)
『Il Divo』(イタリア)

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『Il Divo』


脚本賞
ジャン=ピエール & リュック・ダルデンヌ(Jean-Pierre Dardenne,Luc Dardenne)
『Le Silence De Lorna』(ベルギー)

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『Le Silence De Lorna』


短編パルム・ドール
『Megatron』
Marian Crisan

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カメラ・ドール
『Hunger』
スティーヴ・マックィーン(Steve McQueen)

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「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
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黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』が「ある視点」部門審査員賞を受賞!

2008年05月26日 | 現地レポート

第61回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の結果発表が24日夜(日本時間25日未明)に行われ、黒沢 清(Kiyoshi Kurosawa)監督、香川照之 (Teruyuki Kagawa)さん、小泉今日子(Kyoko Koizumi)さん主演の映画『トウキョウソナタ (Tokyo sonata)』が最高賞に次ぐ審査員賞を受賞しました!
「ある視点」部門の最高賞は、カザフスタンのセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ(Sergey Dvortsevoy)監督『Tulpan』が受賞。


『トウキョウソナタ』(日本)


→気になる映画の内容は?現地試写レビューはコチラ

監督:黒沢 清
出演:香川 照之、小泉 今日子、小柳 友、井之脇 海、津田 寛治、井川 遥、役所 広司


2008年秋、恵比寿ガーデンシネマほかにて全国ロードショー

「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
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6月8日(日)午前11:00ほか
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『The good, The Bad, The Weird』メインキャストのインタビュー風景

2008年05月25日 | 現地レポート

今回の一番のビッグサプライズインタビュー!!
インタビューに行く前は2ショットインタビューです。と言われており、イ・ビョンホン(Lee Byung-hun、李炳憲)ができないと聞いていたのに、なんといざ行ってみると、チョン・ウソン(Jung Woo-sung、鄭雨盛)、イ・ビョンホン(Lee Byung-hun、李炳憲)、ソン・ガンホ(Song Kang-Ho、宋康昊)の3ショットインタビュー!!!!
そして彼らはすでに取材の真っ只中。


雑誌の取材も受けておりキメポーズでの写真撮影は素敵過ぎてしびれる光景!!
それにしても絵になりますね。思わず横からポーズを決める3人を撮っちゃいました。





左から、チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホ

それにしても、一度にこの3人をインタビューなんて、アジアではありえない…。しかし、持って行っていたピンマイク(インタビュー時に直接衣服につけるマイク)は2本…。つまり2人にしかマイクがつけられない。
そこでハンドマイク(レポーターさんたちが持って話すマイク)に切り替え、彼らに1本のマイクを代わる代わる持って話してもらうことに…。
映像としては、まるで3人がWOWOWのレポーターのように見え、本当にありえない光景!!



まずは、彼らにカンヌについて聞いてみた。
今回の映画タイトル『The Good, The Bad, The Weird』にちなんで毎年のようにカンヌに来ているソン・ガンホ「カンヌの一番The Weirdな(風変わりな)ところはどこですか?」と聞き、チョン・ウソン「カンヌのThe Goodなことは」と聞くと、すでにイ・ビョンホンは質問しなくても「僕はThe BadなキャラクターだからカンヌのBadなところだろ?」と答えてくれ、とてもなごやかなインタビュー。イ・ビョンホンが答えている最中に雨が強く降り出し、彼も「カンヌでのBadなことは、雨の中でもインタビューをしなきゃいけないことだよ(笑)」と…。



その直後、12分間のインタビューなのに途中で場所を移動しカメラをセッティングしなおすというハプニング。
カメラをセッティングしなおす、わずか5分くらいの間に、イ・ビョンホンチョン・ウソンがバナナをほおばっているので、「あれ?食べる時間もないのですか?」と聞くと、イ・ビョンホン「ほんとにずーっと忙しくておなか空いて死にそうだ」と笑ってました。
アジアでは大スターでインタビューの最中に立ったままバナナをほおばるなんてありえない光景を目の当たりにし、思わず「アジアではありえないことですね。めちゃくちゃ周りの人がケアしてますもんね。」と思わず言うと「ほんとだよ~。」と彼らも笑っていました。



さらに場所を移動したら通訳さんが変わり(これもありえない)、しかも韓国語と英語の通訳さんなんですが、英語がそれ程出来ない…。
彼らは答える時3人で大爆笑しているのに、訳を聞くと何が面白かったんだ?というような訳。でも大笑いされたらこちらも合わせて笑うしかなくちょっと滑稽なインタビューでした。





それにしても本当に3人が仲良し!
ふざけあいながらお互いのこと、1人に対してThe WeirdなところとThe Good なところとThe Badなところについて残りの2人に語ってもらい、彼らはプライベートでも本当に信頼しあって仲も良いということが伝わってきました。
彼らの答えは是非「VIVAカンヌ映画祭2008」(6月8日(日)午前11:00ほか)を見て和やかな雰囲気と共に楽しんでください。





そして出来上がった映画も本当に最高!!
観る前は“アジア人のウエスタンってどうなの?いくらこの3人でも”と思って試写に行ったけど、オープニングから鳥肌が立つほど映像がカッコイイし、音楽も最高にあっている。このキム・ジウン監督タダモノじゃありません。


やはり特筆すべきはイ・ビョンホンの鬼気迫る演技。

個人的には大ファンのチョン・ウソンもアクション全開(他の2人のキャラの強さに押され気味ではありましたが)。

ソン・ガンホの絶妙な間の取り方(この人は天才的ですね)。

作品も大満足でしたけど、このありえない韓国スターの3ショットインタビューに大興奮しっぱなしでした。


このインタビューの模様は番組で!


■『The good, The Bad, The Weird』

監督:キム・ジウン
出演:チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホ




「速報!カンヌ映画祭2008」
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お楽しみに!







特別招待作品の韓国映画『The good, The Bad, The Weird』記者会見

2008年05月25日 | 現地レポート

24日、特別招待作品の韓国映画『The good, The Bad, The Weird』の記者会見が行われました。
映画祭最終日前日という事もあり、コンペティション作品でないし、ジャーナリストの数も減っているというのもありますが…。それにしても記者会見場は緩~い雰囲気。空席も目立ちます


が、このガラガラの記者会見場に現れたのは…。皆さん、驚かないで下さい!監督のキム・ジウン(Kim Jee-woon、金知雲)と、豪華メインキャストの3人、チョン・ウソン(Jung Woo-sung、鄭雨盛)、イ・ビョンホン(Lee Byung-hun、李炳憲)、ソン・ガンホ(Song Kang-Ho、宋康昊)ですよ!!!!
スリーショットお願いしますーの声に、会見前の写真撮影では、3人とも快くポーズをとってくれました!


左からキム・ジウン、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン


韓国風ウェスタン。Sergio Leone監督のイタリアンウェスタンのリメイク作品を、満州を舞台に描かれています。



質問:
実生活では、誰が、『The good, The Bad, The Weird』なのでしょうか?

イ・ビョンホン:
根底には、皆、The good, The Bad, The Weirdというキャラクター要素を全て持っているんだ。これらの性質は共存するもの。でも、一番The Bad なキャラを持ってるのは、監督かなあ。


イ・ビョンホン

チョン・ウソン:
僕は、この物語の中で、“The good”なんだけど、本当にこの人物が、The goodだとは思えない。逆に、彼は冷酷な人物だといえる。3つのキャラクターの人物がいるのではなく、境遇によってリアクションが変わるものなんだ。


チョン・ウソン

質問:
この作品は、韓国でも、とっても期待されていますが、カンヌバージョンと、韓国バージョンがあるというのは本当?

キム・ジウン:
韓国バージョンは、ラストの部分でもっとアクションとユーモアが強調されることになる。カンヌバージョンは、ウェスタンロックンロールだ。


キム・ジウン(左)、ソン・ガンホ(右)

質問:
ウェスタン映画で心に残ったものは?

チョン・ウソン:
ウェスタン映画は大好きだったんだ。孤独で、マッチョで、我が道を歩く男の姿ってのは、男なら誰しもが憧れるんじゃないかな。
ウェスタンは西欧人の役柄だけど、その人物を演じるってことは面白いと思った。


チョン・ウソン

ソン・ガンホ:
今回のカンヌ記者会見も、一言も喋らずに終われるかなって甘んじてたんだけど、質問を振ってくれてありがとう!(笑)
ウェスタン映画は大好きだったけど、特に名前を覚える程のお気に入り作品というのはないんだけど…。


ソン・ガンホ


この記者会見の模様は番組で!


■『The good, The Bad, The Weird』

監督:キム・ジウン
出演:チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホ




「速報!カンヌ映画祭2008」
6月1日(日)午後2:40(無料放送の日)ほか
「VIVAカンヌ映画祭2008」
6月8日(日)午前11:00ほか
詳しくは番組紹介にて
お楽しみに!





遂にベールを脱いだ!『Che』公式上映&記者会見

2008年05月24日 | 現地レポート

スティーヴン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)監督の待望作、チェ・ゲバラの半生を描いた『Che』がコンペティション部門作品として21日の夜に公式上映されました。

ソダーバーグは直前ギリギリまで編集をしていて、公式上映当日にフィルム納品したそう!
それもそのはず、なんと、エンドクレジットが入っていなかった!!!音楽だけ流れて、画面は真っ黒!
こういうハプニングも映画祭らしいですね。

しかもこの作品、配給会社にさえも10分程度のフッテージしか見せずに今日まで温められてきた秘蔵もの。
公式上映と同時に、他2カ所の会場でプレス上映もされる、という特別待遇。
今回の映画祭の中で最も逃す事の出来ないスクリーニングとなりました!

公式上映には、今回特別招待作品のドキュメンタリーで描かれた、マイク・タイソン(Mike Tyson)や、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)の姿も。二人ともチェ・ゲバラの信望者です。

合計4時間28分の『Che』は、二部構成になっていて、前半はゲバラがカストロと共にキューバで革命を起こす時代。アルゼンチン人の医者のゲバラがジャングルの中でカストロやキューバ人のゲリラや農民達から信頼をうけ、理想主義を全うしていく姿が描かれています。
後半は、革命成功後、英雄として優遇された生活を選ばずに、キューバに家族を残し革命運動を続けた、ゲバラの最後の戦いの地であるボリビアでのゲリラ活動と、彼の理想主義が行き止まりに合うまでが描かれている。

チェ・ゲバラという人物は、革命のシンボルとして有名。Tシャツの絵柄となったゲバラを見た事のない人はいないでしょう。でも、彼の生涯や思想は誰もが知っていることではない。
ラテンアメリカの団結、反植民地思想、理想主義といったゲバラの実態が、この映画の中で見えてきます。

革命をするにあたって一番大事な事は“愛”だ。
家族への“愛”、後世への“愛”を感じなくして革命はできないのだ!


などなど、作品にはゲバラの思想が詰め込まれてるんですが、メロドラマの要素一切なし、音楽の使用も最小限。ゲバラの理想主義と、理想の為なら犠牲も顧みない固い意志などを4時間半通して、着々と身に入って来る。
確かに長過ぎ~と思いがちですが、いや、この4時間半あってこそ、ずっしり入るのでは、と見終わって納得。
とーってもいいお勉強になりますよ!


そして…

解禁された翌日の22日、記者会見が行われました。



会見には、メインキャストのベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)(彼はプロデューサーでもある)、フランカ・ポテンテ(Franka Potente)、ジュリア・オーモンド(Julia Ormond)、カタリーナ・サンディノ・モレノ(Catalina Sandino Moreno)、デミアン・ビチル(Demián Bichir)、サンティアゴ・カブレラ(Santiago Cabrera)、ホルヘ・ペルゴリア(Jorge Perugorría)、ロドリゴ・サントロ(Rodrigo Santoro)と監督スティーヴン・ソダーバーグ、プロデューサーのローラ・ビックフォード(Laura Bickford)、シナリオライターのピーター・バックマン(Peter Buchman)、歴史背景顧問ジョン・リー アンダースン(Jon Lee Anderson)などの御一行の姿が。

質問:
キューバを毛嫌いし、怖れてきたアメリカに住むあなたが、チェの姿を好感の持てる姿に描けたのはなぜ?

スティーヴン・ソダーバーグ:
キューバが第一の興味の対象ではないんだ。僕は、チェという人物像を軸に描きたかっただけ。なぜなら彼の生涯は、今世紀で一番魅力的なものだから。作品を描くにあたって、僕らはボリビアでの彼の動きにアクセントをおきたかった。なぜなら、この時代はあまり知られていない時期だから。
しかし、キューバで起きた事を描かなくては、ボリビアの時代が理解できない。チェがなぜボリビアに行ったかを理解して貰う為に、キューバの時代を描く必要があったんだ。


監督のスティーヴン・ソダーバーグ

質問:
革命のシンボルを演じるにあたって準備したことは?

ベニチオ・デル・トロ:
僕がただ想像して演じたものが結果になったのではない。沢山の書物を読んだし、チェと関わった沢山の人物に会いに行った。ポジティブとネガティブ両面の部分を掘り下げた。そして可能な限り目にする事の出来る写真資料を見た。プエルトリコで育った僕は、アメリカ文化で育ったようなもの。チェについては、漠然とした悪いイメージしか目にせず、詳しい事は知らないで育った。メキシコに行った時に、本屋でチェの写真を見かけたんだが、彼の微笑んだ顔を見て、今まで持っていた悪者のイメージとは違う事に気がついて、それ以来興味を持ったんだ。チェと関わった人達、彼を愛している人達に会った。ますますチェのヒューマン性に興味を持った。そしてキューバに行ってみた。そこでは皆がチェを愛しているんだ。僕もチェをとても尊敬している。


チェ役のベニチオ・デル・トロ

ジョン・リー アンダースン(歴史顧問):
平和な西洋文化ではチェはTシャツのシンボルだが、ラテンアメリカのような第三世界(ティエールモンド)と呼ばれる国々では、未だに不平等がはびこり、今革命が起きてもおかしくない世界。そのような世界では、理想主義者で、そのためには死もいとわないチェは、大事な意味を持つ存在なんだ。


ジョン・リー アンダースン(左)、ロドリゴ・サントロ(右)

質問:
映画のスタイルについて。

スティーヴン・ソダーバーグ:
チェという人物を近くに感じた時にどうなるかを表したかったんだ。シーンは全てその考えを基に選ばれた。人物像を取り囲んで行きたかった。チェについてもっと知ろうとする動機が仕組まれている。彼のアクションには全て意味がもたらされて来るのだ。だから、4時間半になってしまった!

ベニチオ・デル・トロ:
チェを語るに、4時間半は少ないよ!画家が女を描いて、その絵を見せたら、女が、「それは私に似てないわ」という。画家は、「いつか必ず似るように描いてやる」と言う。チェについてもそう。彼については、いつまでたっても新たな発見がある。だから一度この映画を見た人も、またもう一度見ると違う発見をすると思うよ!だから、早くもう一度見に行って下さい!




質問:
字幕を読む事が苦手なアメリカ人が、大半がスペイン語のこの作品に耐えられると思う?

スティーヴン・ソダーバーグ:
チェについて信憑性のある作品をスペイン語以外の言語で描く事は不可能。映画はその物語の言語で撮られて行くべきだと思うし、今後、英語の帝国主義カルチャーがなくなればいいと願うよ。でも、付け足すけど、アメリカ人は字幕を読むのも嫌いだけど、吹き替えの映画も大嫌いだよ!

カタリーナ・サンディノ・モレノ:
何度か欧米人が作ったスペイン語の映画に携わってきたけれど、スペイン語は皆同じだと思ってるプロデューサーが多いんです。でも、国によっても、地方によっても、方言やアクセントが違うし、私はコロンビア人だから、キューバのアクセントを話す為にコーチを付けてもらったんです。ここまでスペイン語の細かいニュアンスを理解して作った映画は初めてです。


カタリーナ・サンディノ・モレノ(左から2番目)

サンティアゴ・カブレラ:
僕はチリ人。キューバ人のスペイン語は、リズミカルなんだ。(と、真似してみる。)


サンティアゴ・カブレラ

質問:
キューバ人にとって今日チェはどのように受けとめられてますか?

ホルヘ・ペルゴリア:
5歳から12歳まで、毎朝国旗の前に立って、「いつか僕もチェのようになるぞ!」と思ってたよ。今でもキューバの子供達はそう言ってるんだ。チェはいい見本なんだ。自分の快適を捨てて、自己犠牲をしてまで、平等の為に戦った人だ。




質問:
カストロの役をやるのはどんな気持ち?

ロドリゴ・サントロ:
議長になる前の若い時代のカストロを演じたので、彼は若い頃どんな人物だったか、思想はどうだったのか、キューバに行って沢山の人に会い研究した。この作品には、ラテンアメリカの沢山の役者が出演していて、僕はブラジル人だし、ベネズエラ、コロンビア、アルゼンチン等々の役者達とジャングルで生活し、まるでゲリラになって革命をしているような気分になったよ。


ロドリゴ・サントロ

デミアン・ビチル:
僕はメキシコ人。チェは英雄。カストロの役の話が来た時、僕はたまたま髭を生やしてたんだけど、鏡を見ながら、「俺のどこがカストロと似てるんだ?」って思ったよ!カンヌに来れて最高だったのは、マラドーナと握手できた事だよ!


デミアン・ビチル(左)、ベニチオ・デル・トロ(右)

質問:
撮影現場はどうでした?

フランカ・ポテンテ:
トイレするのに森の木の陰を探さないといけないし、撮影現場はまるでゲリラのキャンプ。食事の時間に地べたに座り込んで食べたって、「衣装が汚れる!」なんて注意されることもなかったわ!


サンティアゴ・カブレラ(左)、フランカ・ポテンテ(右)

ちなみに今回の記者会見、やたらと女性記者の数が目立ってました!
たしかに、この作品、ラテンアメリカのイケメン揃い!(しかし、映画の中では革命活動中なので、皆さん髭面ですが!)




やっぱり、ベニチオは色っぽい男ですもんねー。“目が合っただけで妊娠する”と表されてますから!

それから、ブラジル人の元モデル出身の役者ロドリゴ・サントロ!!!
バズ・ラーマン(Baz Luhrmann)が演出したニコール・キッドマン(Nicole Kidman)主演のシャネルのコマーシャルの相手役と言えば皆さんもピンと来るでしょうか!
あとは、『ラブ・アクチュアリー』で、ローラ・リニー(Laura Linney)がちょっと恋心を抱くあの同僚の男性役。普段は眼鏡かけてて気弱そうなのに、家に連れ込んでベッドインするとき眼鏡外して上半身裸になったら、なんとまあ、すごい美形で完璧な筋肉のついた色っぽい男だった!というシーンが忘れられませんね!
会場の係員のお姉さんたちも、「彼はなんて美しいの!!!」と感嘆していました!


ロドリゴ・サントロ

この記者会見の模様は番組で!


■Che

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ、フランカ・ポテンテ、ルー・ダイアモンド・フィリップス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、サンティアゴ・カブレラ、ロドリゴ・サントロ




「速報!カンヌ映画祭2008」
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