シニア留学風土記

リタイア後、日本を脱出して世界を散策したいと旅立つ。英語生活の勉強も兼ねている。その様子を書き綴る。

プレゼント用のリボンを買い、考えたこと

2008-11-17 09:43:29 | Weblog
 昨日ようやくシティに行ってプレゼント用のリボンを手に入れた。クリスマスが近いのでクリスマス商戦華やかである。サンクスカードも買った。リボンは不細工な結び方しかできなかったが、ないよりましだと思って良しとする。

 クリスマス商戦華やかなのだが、土曜日休んでいる店が多い。開いている店も昼で閉める。そういえばフリーマーケットも土曜・日曜は半日だけだった。日本なら、お店のような小売ビジネスなら土・日こそ長く店を開ける。働いている人は土・日に買い物に出るからだ。店で働いている人も土日は休む権利があってそうするのかと思っていたが、それもあるかもしれないが、どうも人口との関係かなとこの頃思っている。

 オーストラリアの人口は2200万人ぐらいだったろうか。ケアンズは市内だけの人口かもしれないが10万に満たないそうである。つまり人口が少ないのである。ケアンズは日本では有名である。自分にとって有名な場所は大きいと思いがちだが、実は最初ケアンズに来たとき、なんとこじんまりした市町だと思った。オーストラリアは土地が広大だからなんでも小さく見える、こじんまりと見えるということはあるだろう。しかし、高層建築(規制があるからであるが)はないし、ペタッとした印象の町である。個人の家でも2階建ては少ない。平屋が多い。土地が広ければコストがかかる2階建てにする必要はないのだ。だからペタッとした印象になるのである。

 人口が少なければ自然そうなる。この頃そう思っている。人口が少ないということはお客が少ないということである。観光客は呼び込めば呼び込むほどよいが、それも限度があるだろう。つまり最大限のお客を見込んでもそのパイが小さいということがビジネススタイルを限定しているのだ。

 オーストラリアには国独自の自動車産業がないと聞いた。オーストラリアは土地の広さに比して公共交通機関も発達していない(これも建設コストと利用客の関係で限定され、建設できないのだ!)し、生活に自動車は欠かせない。それでも自前の自動車産業が創出できないのである。トヨタが自動車工場を造ったとか、造るとか聞いた。日濠合同かもしれないが、自前ではない。それは自前で自動車産業を興しても人口が2000万ちょっとではコストに見合うビジネスができないというのである。自動車産業は大きな産業である。大きな産業は大きな人口を有していないと起こせないのではないか。1億3000万人もいる日本と客数のパイが違うのである。経済の構造は人口数でも違ってくるということだ。

 小売も同じで、10万に満たないケアンズでどこの店でも年中無休、しかも朝から晩まで全日というようなやり方は無駄が多いと考えられているのではないか。フリーマーケットは金・土・日だけ、土日は午前だけ、普通の店は土日午前だけ、スーパーも土日は夕方4時に閉めると聞いた。逆にナイトマーケットというのがある。夜だけ開くらしい。夜は出かけたことがないので見たことはないが、名前だけからするとそうに違いない。そういうことがお客に徹底して知られれば、お客はその時間に行けばよいと考えられているのだろう。つまり時間の棲み分けである。観光客もそういうことを予め頭にいれていけばいいのである。

 リボンを買いに行っただけで、人口と経済構造の関係まで、多くのことを考えついた。海外へ行くと「オヤッ?」と思うことにぶつかりやすいので、そこから「なぜかな?」と考えはじめ、多くのことが学べるということだ。面白い。