久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里

過去か未来か 永遠とも思える明鏡止水の独り言

南極と隕石

2010-02-10 01:55:17 | 流星群・天文・宇宙のこと
隕石635個を採取=「世界一」奪還はならず

日本は約16,200個の隕石を採取・保有しているそうですね。
そして、今回届かなかった世界一に君臨しているのは、
保有数約17,300個保有のアメリカ合衆国。

そんなに保有している事に驚きですね。
しかしほとんどは南極で採取されたもので、
日本国内に落下し、認定された物は50個ほどらしいです。
南極で採取された物は南極隕石と呼ばれるそうです。

ちなみに、隕石の命名の慣習として、落下地の郵便局名をつけます。
世界各国どこの地域にも必ず管轄とする郵便局があるためらしいです。

そして何故南極でそんなにたくさん採取できるのかというと、
氷のおかげです。

南極に落下する隕石が特に多いわけではなく、
落下した隕石が氷の中に閉じ込められ、
氷河の一部としてゆっくり長い年月をかけて流れ、
そのまま海に流れる物もあれば、山の陰などの
それ以上流れる所が無い窪地の様な所に行き着くものもあります。

そこへ行き着くと、氷は徐々に蒸発していきますが、
隕石はそのままその場に残ります。

それが長い年月繰り返されて、一箇所に大量の隕石が集まります。
そのため、南極で大量の隕石が採取されるというわけです。

そして、氷漬けにされているという事は、
鮮度も比較的よい状態で保存される事になり、
貴重な隕石も多く、学術的には好条件だそうです。

また、「100年前のウイスキーとブランデー、南極の氷から発掘」というようなニュースもあり、
いまや残されていない当時の調合法を再現できるか注目されているようですね。

かつて、1984年に南極で採取され、96年に微生物の痕跡が残っていると発表され、
大きな話題となった隕石もありました。
昨年12月に発表された「火星の隕石やはり生命痕、NASAが新証拠」というニュースにもあるように、
いまだ激しく論争が続いています。

近い将来、もっとはっきりとした痕跡が見つかるかもしれませんね。

スペースシャトル無事打ち上げ

2010-02-09 00:49:49 | 流星群・天文・宇宙のこと
<スペースシャトル>エンデバー打ち上げ成功

悪天候のため、24時間延期して行われた最後となる夜間打ち上げが
アメリカ・ケネディ宇宙センターにおいて無事に終了しました。



エンデバーとして24回目、
スペースシャトルとして130回目の打ち上げとなる今回のミッションは
国際宇宙ステーション(ISS)の組立・補給です。
組立フライトとしては32回目となるフライトは
10日にISSとドッキングし、18日に分離、20日に帰還という
13日間の予定だそうです。

そして、ここで先日の記事に間違いがあったので、訂正します。

それはこの部分、
>後継機には「オリオン」という使い捨てのタイプ(アポロなどのような)になるようです。
>「アレス」という打ち上げ推進ロケットに乗せて宇宙まで飛ばすようです。
>2015年運用開始になる予定とのこと。

これは今月2日、米オバマ大統領の方針によって白紙に戻されていました。
背景には深刻な財政赤字と10%の失業率があるようです。
また、宇宙開発にはISSという大きな柱があるため、
そちらに予算を集中させたという事でしょう。

2004年にブッシュ前大統領が承認した「コンステレーション計画」という
アポロ計画以来の有人月探査を柱とする米航空宇宙局(NASA)の宇宙開発政策
の一部に後継機「オリオン」の開発が組み込まれていましたが、
この全ての計画が打ち切られる事となりました。

日本でも有人月面探査が検討されていますが、
アメリカのこの決定によって大きな影響があるでしょう。
月は夢のまた夢という事ですね。

遠くて近いお月様。
地球の内部の事もよくわかっていないのに、
お月様の事なんてまだ早いという事でしょうか。

スペースシャトル

2010-02-06 01:33:58 | 流星群・天文・宇宙のこと
スペースシャトルが今年で引退します。

残された打ち上げはあと5回。
1回目が2月7日18:39(日本時間)に行われます。

これが最後の夜間打ち上げで、
打ち上げられる機体は「エンデバー」。

日本人初のスペースシャトル搭乗員毛利衛さんが搭乗した機体ですね。
(秋山豊寛さんは旧ソ連の宇宙船ソユーズであるという屁理屈です)
他にも若田光一さん、土井隆雄さんも搭乗しました。

ニコニコ生放送でも恒例の打ち上げ生放送するようです。

そして、3月18日には日本人のクルー、山崎直子さんらを乗せて
「ディスカバリー」が打ち上げられる予定です。


現存している機体は全部で3機。
残りの1機は「アトランティス」ですね。


宇宙を飛行できるスペースシャトルは全部で5機存在しました。
(宇宙飛行能力を持たない初号機(実験機)としてエンタープライズも存在しました)


残りの2機は「チャレンジャー」と「コロンビア」。
どちらも悲惨な事故によって搭乗クルーの命共々失われてしまった機体です。


チャレンジャーは24年前の1986年1月28日に打ち上げ73秒後に爆発し、
大西洋に落下しました。



コロンビアは7年前の2003年2月1日に宇宙から帰還時、
大気圏に突入した10分後、空中分解し、墜落しました。


各機の画像貼ってみましたが、見た目の違いはほぼありません。

今年で退役する理由としては、
スペースシャトルは何度も繰り返し使用する事により、
打ち上げ費用を削減し低コストでの運用を目的のひとつとしていますが、
実は実際運用し始めると全く逆の事が起こりました。
莫大なメンテナンス費用がかかるという事です。
打ち上げ費用も開発時の見積もりの約17倍かかっているそうです。

そして、前述した2度の大事故もあり、老朽化による安全面での懸念もあり、
引退を決定したそうです。

後継機には「オリオン」という使い捨てのタイプ(アポロなどのような)になるようです。
オリオンのイメージ


「アレス」という打ち上げ推進ロケットに乗せて宇宙まで飛ばすようです。



2015年運用開始になる予定とのこと。

退役したスペースシャトルはどうなるのかというと、
ディスカバリーはワシントンD.C.の国立航空宇宙博物館に引き取られるそうです。
アトランティスとエンデバーの行き先はまだ決まっていません。

当初38億円に設定していた払い下げ価格は26億円まで値下げされました。
運搬費や展示作業費など全て込みだそうです。
ただし、屋内展示限定とのことで、高いのか安いのかさっぱりわかりません。


スペースシャトル退役からオリオン運用までの空白期間はどうするのかといえば、
人員はソユーズ、物資は日本やヨーロッパ各国のロケットと協力していくそうです。

せっかく国境線の存在しない宇宙なのですから、
各国共同で開発を進めていくのが一番いい事だと思いますね。

カノープス

2010-02-02 02:33:33 | 流星群・天文・宇宙のこと
今日はまた星のお話をしようかと思います。

先日より、すばる食、火星接近、ブルームーン、星の色などのお話をしましたが、
今回は「カノープス」についてまとめてみようと思います。

「カノープス」という星はご存知でしょうか?
最も明るく輝くシリウス(-1.4等星)に次ぐ-0.7等級と全天で2番目に明るい星です。
聞いた事あるという方はいても、実際見た事ある方は非常に少ないと思います。

それはなぜかというと、この星は南天(南半球)の星座「りゅうこつ座」のα星だからです。
しかし、南天の星といっても、実は北半球からでも見えているのです。

場所はというと、南の地平線すれすれの位置です。

文字が見づらいですが、南の文字の上にある星がカノープスです。

しかし、北半球では見える緯度の限界(北限)があります。
大気差を考慮すると、新潟県から福島県にかけてくらいが北限だそうです。
(大気差・・・地平線すれすれの天体は大気の影響により実際の位置より高く見えます。
それが大気差です。)

この星は、中国では「南極老人星」「南極星」と呼ばれ、なかなか見るのが困難なので
見ると寿命が延びるといわれています。

では、何時に見えるのかというと、2月2日の星空を例に出しますと、
東京 出 →19:40頃 南微東
    南中→21:15頃 高度2度
    入 →22:45頃 南微西
大阪 出 →19:40頃 南微東
    南中→21:30頃 高度3度(上の画像の配置)
    入 →23:20頃 南微西
那覇 出 →日没時  南南東
    南中→22:00頃 高度10度
    入 →1:30頃  南南西
新潟 出 →21:00頃 南
    南中→21:15頃 高度1度以下
    入 →21:30頃 南
(南微東・・・南南東と南の間の方角)
(南微西・・・南南西と南の間の方角)

というように、那覇以外はほんの短時間しか見えません。
新潟ですと星の半分程が見えるくらいですので、
現実的に見るのは不可能だと思います。

見るためには、南の地平線(水平線)の見える開けた場所、
太平洋に面した場所で見るしかないかなと思います。
もしくは非常に高い場所、高い山の南斜面などですね。

それくらい見るのが困難な星なのです。
見る事ができれば長寿になるといわれるのも納得です。

この星にはもうひとつおまけの話があります。
前述していますが別名のひとつに「南極星」がありますが、
これは南極老人星を略した名前です。
この星が約1万2千年後には本当の南極星(天の南極にある星)になる予定の星だそうです。

もし機会があれば、見てみると寿命が延びるかもしれませんよ。