久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里

過去か未来か 永遠とも思える明鏡止水の独り言

月刊星空案内 6月号

2011-05-31 01:15:41 | 流星群・天文・宇宙のこと
久しぶりの月刊星空案内。

月刊とは名ばかりで季刊のようになっていますが・・・

それでは6月の星空の見所、注目はふたつ。

ひとつ目は2日の早朝に部分日食が起こります。
ただ見れる地域が限られており、食分も僅かのため
地域によっては気付かない事も。

幸運にも見れる地域はどこかというと、
太平洋ベルトと呼ばれる地域より北。
とはいっても、金沢・新潟・仙台あたりでは
食分は僅か0.01~0.02程度。
どれくらいかといえば、太陽の1~2%が欠ける程度ですので
見るのは困難です。

食分が最大なのは北海道稚内市で0.119%。
観測グラスで見てようやくわかるくらいです。

時間は夜明けで、日の出とともに欠ける日出帯食となります。
(日出帯食とは・・・太陽が欠けながら登ってくる事です)
欠け始めは稚内で4時26分。食の最大は4時53分頃、食の終わりは5時22分となります。

これが今年日本で見れる唯一の日食なんですね。


ふたつ目は、月食。
これは16日のこちらも明け方に発生します。

見れる地域は全国各地。
ただし、西日本では皆既月食で、東~北日本では皆既食になる前に
月没となるので月没帯食となります。
(月没帯食とは・・・月が欠けながら沈んでしまう事です)
また、全経過の観察は不可能となります。

時間は
半影食始め  → 2時24分
欠け始め   → 3時22分
皆既食の始め → 4時22分
食の最大   → 5時12分
皆既食終わり → 6時02分
部分食終わり → 7時02分
半影食終わり → 8時00分

ちなみに月没時間が
札幌 3時56分
仙台 4時15分
東京 4時27分
大阪 4時47分
福岡 5時11分
那覇 5時41分
となりますので、東京以北(正しくいうと経度が東の地域)では
皆既食は見れないです。
(時間的に東京は見えそうですが、月はほぼ地平線の下となります)


そして、今月の流星群。
6月は目立った流星群はありません。
しかし、昼間流星群という昼間に活動する流星群があり、
大部分が5~6月に活動しています。
詳しくは昨年の記事をご覧下さい。

今月の大きな現象はこのふたつです。
そのほかには、
14~15日 月とさそり座α星アンタレスが接近
22日   火星とプレアデス星団(すばる)が接近
26日   明け方に月と木星が接近
29日   明け方に月と火星が接近

また、30日には金星食もありますが、日本では見れません。
見れるのは北アフリカから東南アジアにかけてです。


こんな所ですね。

最後に、日食を観測する時は絶対に肉眼で見ないで下さい。
使用するのは専用のフィルターや日食観測用グラスを使用して下さい。

また、サングラスの使用はしないで下さい。危険です。
なぜなら光量を減らすことにより、瞳孔が開きます。
その開いた無防備な瞳孔に紫外線が浴びせられます。
大変危険です。たとえUVカット加工がされていても役者不足です。
直射日光を見るためのものではありません。

フィルターや観測用グラスはどこで手に入れられるかというと、
ほぼ一般のお店では置いていないです。
専門サイトの通販を利用するのが一番確実です。


今年は既に入梅してしまったので天気が不安です。
日食・月食を観測する時はお天気に気を配りましょう。
早起きしても見れなかったら悲しいですね。

GO ENDEAVOUR!!!

2011-05-16 23:07:20 | 流星群・天文・宇宙のこと
先ほどスペースシャトルが無事打ち上げに成功しました。

スペースシャトル計画に残された2回のうちの1回。

今回のミッションコードはSTS-134。
エンデバー号の25回目の打ち上げです。


かつては日本人初のスペースシャトル搭乗員毛利衛さんが搭乗した機体ですね。

エンデバー(Endeavour)とは、キャプテン・クックの南太平洋探検の第1回航海の
帆船の名前に由来しているそうです。

今回のフライトミッションの記章は

これです。

ミッションの内容は、宇宙線を計測する機器や
特殊ロボットアームのスペア部品を
ISS(国際宇宙ステーション)へ運搬する事などだそうです。
プログラムには宇宙遊泳も予定されているとか。

もともとは4/29に予定されていましたが、補助動力装置に不具合が見つかり延期。
そして今日無事に打ち上げに成功しました。

あとはミッションを無事終えて何事もなく帰還してくれるのを待つだけですね。

今年はスペースシャトル運用から30周年。
記念すべき年が最後の年なのは寂しい限りです。

これで残るスペースシャトル計画は6月予定のSTS-135アトランティス号のみ。
もうすぐです。

はやぶさにのみ興味を持った方たちにも、
ぜひ最後の勇姿を見てもらいたいですね。

みずがめ座η流星群

2011-05-04 23:13:06 | 流星群・天文・宇宙のこと
ゴールデンウイーク、皆様どのようにお過ごしでしょうか?

僕はずっと仕事な上、体調を崩して発熱中でございます。

それはよいとして、GW締めのイベントはもちろん“みずがめ座η流星群”。

まとめます。


みずがめ座η(エータ)流星群

・活動期間      4月24日~5月28日
・極大日       5月6日 21時頃
・観測適時間帯   5月6日24時~夜明前くらい
・予想HR       5~10         
・月齢         03(月明かりなし) 
・放射点の方角   2時頃東から昇り始める
・母天体        ハレー彗星

(HR・・・好条件下で一時間に見られる流星数のことです)

放射点の位置




この流星群の特徴は、流れる方向にあります。
放射点が東の地平に近いとこにありますので
地上から打ち上げているかのような流星が見られます。
観測条件の良い所では、打ちあがった流星が
天の川に吸い込まれるように消えていく所も見えるでしょうね。


また、南半球では年間最大の規模で、
北半球のペルセウスに並ぶ規模です。

北半球で規模が小さいのに南半球では最大級なのはなぜかというと、
まず、母天体(流星の元となる彗星塵を撒き散らしている天体)はハレー彗星ですが、
これは秋に見られるオリオン座流星群と同じ天体となります。
みずがめ座流星群とオリオン座流星群は兄弟流星群とも言える関係ですね。

このオリオン座流星群の規模は、3大流星群のひとつである
しぶんぎ座流星群に近いくらいの規模が出ることもあります(HR=10~40)。
つまり、潜在的にはみずがめ座流星群もこれくらいの規模があるのです。

しかし、これくらいの規模で年間最大になるの?という疑問がでてきます。
そこでふたつ目の理由がでてきます。
今の季節、北半球では昼の時間が長くなり始め、夜が短くなっています。
南半球ではその反対、夜が長くなっているのです。
さらに、放射点の位置の関係です。
放射点は頭上高く上ったほうが流星が多く観測できますが、
北半球では2時以降にようやく東の空に昇ってきて、
空が白み始めるまでの時間、4時くらいまでの間しか見ることが出来ません。
南半球では逆に放射点が天高く上り、観測時間も長いため観測しやすいというわけです。


極大期は非常になだらかで、
3~8日まで極大に近い状態が持続する特徴もあります。
実際5月に入った頃から多数見え始めているそうです。

天気は良くもなく悪くもなく微妙な所ですが、
観測には適していると言えそうです。

今年数少ない観測条件の良い流星群。
たくさん見えるといいですね。