久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里

過去か未来か 永遠とも思える明鏡止水の独り言

流星群観測

2010-08-13 03:50:10 | 流星群・天文・宇宙のこと
前回のペルセウス座流星群のまとめ記事が
いつもの倍以上のアクセスを頂いていたようで驚きました。

みずがめ座やこと座のときも1.5倍くらいには伸びていたのですが
さすが3大流星群、注目度が違いますね。
ふたご座のときも2倍以上のアクセスがありました。

今日は0時50分頃から2時30分頃まで観測。

いつもの観測場所に着いて見上げたら雲ひとつ無い快晴!
そこにいきなり流星が!
群流星ではなく散在流星でしたが、
その直後に流星痕が残る流星が現れました。

群流星・・・流星群に所属する流星
散在流星・・・群流星以外の通常流れる流星

30分で9個、内群流星5個、散在流星4個。
やはり空が明るかったのが災いしているようです。
月は無かったのですが街の明かりが強く、
暗いのは天頂付近のみ。
見える数がずいぶんと減りそうです。

そして問題はもうひとつ。
お盆休みのせいか、観測場所の近くの飲み屋さんが盛況なため、
人の出入りが激しかったのです。
暗闇の中で空を見上げている僕の姿が見えているようでした。

事情により2時半で撤退。
最終的に約90分観測していて
群流星12個、散在流星5個の合計17個でした。

うーん、かなり少ない。
明日こそはもっと見たい。

3時以降の報告を見てみると、2時までの倍以上になっています。
見たかったなぁ・・・


ちなみに、撤退した事情というのは
酔っ払い連中に不審者扱いされつつあった雰囲気を感じ取ったためです。

最近カーナビ盗難が多発しているため、
それじゃないかと疑われてるっぽく、
警察を呼ばれそうな雰囲気となったため、
急いで撤退してきました。

酔っ払いに不審者扱いされたくないなぁ。


明日も観測予定ですが、
場所が変えられそうに無かったら中止するかもしれません。
もし通報されていたら明日は巡回しているかもしれませんからね。

別にやましい事しているわけではないので、
堂々としていれば良いのですが、
観測を邪魔されるほうがイヤなのです。

といっても、多分そのまま同じ場所で観測していると思いますが。

ペルセウス座流星群

2010-08-10 01:49:00 | 流星群・天文・宇宙のこと
今週はいよいよペルセウス座流星群の極大日を迎えます。

では先にさらっとまとめます。

ペルセウス座γ(ガンマ)流星群

三大流星群のひとつで、夏の風物詩ともなってきつつある流星群。

・活動期間      7月17日~8月24日
・極大日       8月13日 午前8時
・予想HR       40~100個ほど         
           (HR・・・好条件下で一時間に見られる流星数のことです)
・月齢        12日2、13日3  影響は全くありません
・放射点の方角   12日20時頃北北東に昇り始め、北東の方角で高度が高くなります
・天気予報      12~14日 曇時々晴(大阪)
・母天体       スイフト-タットル周期彗星 109P/Swift-Tuttle



特徴としては、速度が速く明るい流星が多く見られます。
また、痕(流星痕)が残りやすい傾向がありますので、
とても見ごたえのある流星群です。
天気さえよければ、毎年当たり外れの少ない群のため、
安心して観測できると思います。

かつて1862年には、ZHR(放射点が天頂にあると換算した流星/h数)=4800個という
大流星雨を記録した事もあるそうです。
最近では1992年に天気が悪かったものの、多く出現を記録しています。

今年は極大時間が夜明け後のため、一番良い観測時間帯は
13日午前の日の出前の空が白む直前頃です。
それと、13日夜から14日深夜にかけてですね。
一般的な条件下の空では3~15個程度になる可能性がありますが、
暗い空では50個ほどは見られる可能性が高いです。

情報によると、既に7日くらいには1時間当たり10個ほどの
出現がされているようですので、日にちが少しずれても見られるでしょう。


そして、観測時の注意点ですが、
流星群の記事は検索で見られる方も多いようですので記しておきます。

まずは、どの方角の空を見れば良いの?という疑問ですが、
基本的にどの方向でもOKです。
できれば広く見渡せる所がベストです。

また、よく勘違いされがちなのが“放射点を見ていればたくさん見られる”というもの。
これは基本的には逆です。
放射点付近では流星が無いわけではありませんが、
軌跡が短く、一瞬の輝きとなるため非常に見つけづらいです。
放射点より遠く離れれば軌跡は長く、見つけやすくなります。
原理的には90°程離れた所が一番長くなります。
全ての群流星の流れる経路を逆に伸ばして辿っていくと、1点に集中します。
そこを放射点と呼んでいるだけですので、特に気にする事はありません。
(群流星とは・・・流星群に所属すると思われる流星の事。
        それ以外の流星は散在流星と呼びます)

観測方法ですが、基本的に肉眼でOKです。
双眼鏡や望遠鏡を使うと非常に視野が狭くなりますので
見られる確率が低くなります。

屋外に出てから15分くらいで暗闇に目が慣れ始めてきますので、
それまでは空をぼんやり眺めていると良いでしょう。
だんだんと星がたくさん見えてくることに気がつくと思います。
そうなると、広い範囲を見渡せるように空を眺めます。
状況が許せば寝転がるのが一番楽な見方です。
レジャーシートなどを用意しておくとベストです。

今回は月明かりが無いため、条件は良いのですが、
そのため、街の明かりが目立つようになります。
空が明るいのは仕方がありませんが、
街灯などが近くにある場合、光が直接目に入らないようにするなどして
工夫すると良いでしょう。
それだけで見えやすさは格段に上がり、比較的暗い流星も見えやすくなります。

また、懐中電灯などの明かりはNGです。
危険回避のために持っておくべきですが、
赤いセロファンなどを貼って目が眩まないように
減光しておかないといけません。
人が多いところで観測をしているのなら特に気をつけないといけません。
携帯のライトも非常に明るいので使わないか、バックライトを消し、
その上でセロファンを貼るなどの工夫をしておかないといけません。

最悪なのが、たくさんの観測者がいるところへ車で乗りつけることです。
絶対にしてはいけません。
少し離れた所に交通法規を守って駐車しておきましょう。

冬場と違い、気温に対する備えはしなくても大丈夫
(場合によっては暑さ、地域によっては寒さ対策は必要)ですが、
夏は夏で気をつけないといけないことがあります。

それは虫刺されです。
蚊でしたらまだ大丈夫なのですが、
非常に厄介なのがダニ。
僕は昨年、油断して虫除けを足に塗り忘れ、十数か所刺されてしまいました。
今でも数箇所は痕が残っています。

しかし、どんなに準備をし観測に望んでも、
絶対に越えられない壁があります。
それはもちろん天気です。
雨は当然ですが、薄曇でも格段に確率は下がります。
今年は極大にあわせて台風が接近しているため、
雲が多い可能性が高いです。
特に今のままの予報では東日本はかなり厳しくなりそうです。


流星群に限らず、天体系はニュースで紹介されると
天気が崩れるというジンクスがあるのですが、
(最近では皆既日食が雨でしたね。流星群も曇りが多いです)
実際1年の半分ほどは雲で覆われる天気なので仕方が無いでしょう。


国立天文台では「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーンを行います。
PC向けURLhttp://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20100811/
携帯向けURLhttp://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20100811/

これはペルセウス流星群をきっかけに多くの人に夜空を眺めてもらう事を目的に、
見えた流星数の数を報告してもらおうというキャンペーンです。
こちらのサイトには観測の際の注意点などがまとめられているので、
見慣れない方、どうやって見れば良いかわからない方はぜひご覧になってください。


深夜ですので、くれぐれも事故には注意して観測してくださいね。
たくさんの方により多くの流星が見られることを祈っております。

月火水金、少し前に日

2010-08-06 01:23:45 | 流星群・天文・宇宙のこと
数ヶ月ぶりにテンプレートを星空にしてみました。

そして今日もまた星空のお話で。

以前から何度と無く紹介している3惑星集合。


ここ数日間が一番接近する期間となります。


これは今日、以前の洗濯の悲劇後、買い換えた
コンパクトデジカメで撮ってみたのですが、
-4等級の金星はよく写っているのですが、
1等級クラスの火星と土星は写っていないです。

しかし、よく見てみるとかすかに火星と土星が、本当に微かに写っています。



この位置です。

ほとんど見えませんね。


そして、この後13日には

上図の様に細い三日月がセットとなり、
右下のかなり低い所に水星が見えるようになります。


これらを見るための目印は金星。
写真にも金星だけが写るように飛び抜けた明るさで輝いています。
まだまだ明るい時間から金星のみが見えていますので、
暗くなるまでしばらく待たなければいけません。
気長に眺めていてください。
13日は月も目印となります。

まだ火星や土星は見やすいのですが、
水星はかなり厳しいですね。
暗くなってくる頃には高度が低く、
見渡せる所でしか見えないですね。

ちなみに高度は今は日の入り30分後くらいの時間で
約10度(地平線から握り拳1個分くらいが目安)、
13日頃には約5度くらい(地平線から指2~3本分くらいが目安)と
ものすごく低いですね。


そして話は変わりますが、
今日の夕焼けは非常にきれいでした。

まだ薄オレンジ色の西の空から天頂にかけて緑から青に変化し、
さらに東にかけて青が深みを増し、夕闇と変わっていきました。
薄オレンジの西の空にも紺色の部分がまだ多く残っていて、
地平からオレンジの光が吹き上げているかのような感じになっていました。

この時にカメラは持っていなかったので残念ながら撮影できませんでしたが、
今日はきれいな朝焼けも見る事ができましたので、
朝夕ともにきれいな空を見られて満足でした。

天気もよかったので、このままペルセウスまで夜は良い天気が続いてほしいですね。

アステリズム その2

2010-08-05 03:21:23 | 流星群・天文・宇宙のこと
それでは昨日に引き続き、アステリズムについて。

今回は“小北斗七星”から。



そのまんまこぐま座ですね。

北半球では1年中見られ、しっぽの先が北極星であるため、
昔の船乗り達が必ず見ていた星座。

そしてこちらが本家北斗七星。


神話では、この二つには大きな絆があります。

森に住む妖精ニンフの娘カリストが
ゼウスに見初められ、アルカスという息子をもうけました。

これを知ったゼウスの妻・ヘラは怒り、
カリストを見るからに怖そうな大きな熊の姿へと変えてしまいました。

年月が過ぎ、息子アルカスは成長し、立派な狩人となっていました。
そのアルカスの前に、大きな熊が姿を現します。
その熊は母カリストが姿を変えたあの熊でした。

もちろんアルカスはそんな事など知りようがありません。
獲物を仕留めるために、熊となった母に向かって弓を引きます。

まさに放たれようとしたその瞬間、
その事態に気付いたゼウスが、間一髪二人を夜空に上げ、星座に姿を変えました。

母カリストがおおぐま座、息子アルカスがこぐま座となり、
一晩中夜空で同じ所を回っている息子を心配するかのように周りを回る母親。

それがこの2星座にまつわる神話。母と息子という大きな絆があります。
最近はこの絆など感じさせない様な悲しい事件が多いですね。



次は“南斗六星”です。

この星は名前の通り6個の星をつなげています。


拡大


上の星図を見てもらったらわかりますが、
この南斗六星はいて座の一部です。
さそり座を狙う弓矢の部分ですね。

形が北斗七星に似ている事と、星の数、
そして天球上の位置にちなんで名付けられたといわれています。

この星のおかげで、いて座は比較的見やすい星座となっています。

中国道教の思想では、北斗七星と南斗六星は神格化され、
北斗星君(北斗七星の事)は死を象徴し、
人の死後、生前の行動に基づいて地獄の行き先を決める
いわゆる閻魔大王の役割をする神とされます。

一方、南斗星君(南斗六星の事)は生を象徴する神とされています。

北斗星君は老人の姿で、厳格な性格を持つのに対し、
南斗星君は青年の姿で、温和な性格とされています。
全てを対となるようになっていますね。

この北斗七星や南斗六星等は、北斗の拳を連想する方も多いのではないでしょうか。
残念ながら僕は読んだこと無いので知りませんが、
むしろ、星座というと聖闘士星矢を思い出します。
というより、聖闘士星矢から星座に興味を持ったんですけどね。


まだまだアステリズムはありますが、
残りはまたの機会にさせていただきます。

アステリズム その1

2010-08-04 02:33:14 | 流星群・天文・宇宙のこと
“アステリズム”もしくは“星群”という言葉はご存知ですか?

言葉は知らなくても、必ず見たことはあると思います。

まずは言葉で説明すると、
“複数の明るい恒星が天球上に形作るパターンである。
しばしば、星を線で結んで表現される。”
(Wikipediaより)

つまり、
オリオンの三ツ星や


北斗七星


夏の大三角形


等が代表格ですね。

また、恒星を結んでパターンを作る88星座は、
アステリズムから派生したものになります。

種類としては、前記の3個を合わせて20個弱(南半球でしか見えないものを含めて)
あるようです。

今の季節に見えるものとしては、
北斗七星、夏の大三角形、ペガススの四辺形、北十字星、
小北斗七星、南斗六星、等ですね。

ペガススの四辺形


この四辺形はペガスス座α星マルカブ、β星シェアト、γ星アルゲニブ、
アンドロメダ座α星アルフェラッツの2星座4つの星を結んだ四辺形で、
分類としては秋の星で“秋の四角形”とも呼びます。

アンドロメダ座の星が含まれるのに、何故ペガススの四辺形なのかというと、
もともとはこの4つの星は全てペガスス座(δ星)でした。
というよりはアンドロメダ座α星=ペガスス座δ星で、
二つの星座を掛け持ちしていた星でした。
しかし、1928年にアンドロメダ座のみの星と決まり、
ペガスス座から外された経緯があり、
それ以降もそのままの名称で呼ばれ続けたため、
ペガススの四辺形と呼ばれています。


これらの星の明るさは2等級程度なので、
明るい所では見えにくいかもしれませんが、
比較的簡単に見つけることができます。
今の時期なら、21時頃に東の空に昇ってきて、
3時頃に天頂付近にあります。


10月末から11月にかけて位の時期には
21時頃に天頂付近にあります。

この四辺形の囲む中にはもちろん星はありますが、
かなり暗いのでほとんど見ることができません。
そのため、ギリシャ神話では四辺形を神が地上を覗き見る天の窓、
四辺形の中の星を神の眼と喩えられました。

また、この四辺形の一部を含めて秋の大曲線が形成されます。


次は、北十字星。


これはそのまんま白鳥座です。
南半球で一番有名な星座“南十字星”と対比されます。

キリスト教では、この十字をキリストの磔の十字架と重ねて考える事があるそうです。

また、この十字を形成する星のひとつ、白鳥座α星デネブは
夏の大三角形のひとつを形成する星でもあります。


ちょっと長くなってしまったので、
次回、小北斗七星と南斗六星を紹介します。