久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里

過去か未来か 永遠とも思える明鏡止水の独り言

星の色の話

2010-01-31 02:30:52 | 流星群・天文・宇宙のこと
ブルームーン、皆さんは見れましたか?

19時頃に見たときは薄雲がかかっていたものの、
そばの火星と一緒に輝いていました。
その後、21時過ぎくらいには火星は雲に隠され、
日が変わる頃には満月すらも雲の向こうに隠されてしまいました。
少しですが見れたので満足ですね。


このところの記事で星の色の話が出ましたので、
今日はこの星の色についてまとめたいと思います。

まず、星にはいくつかの種類があります。
大雑把に分けて恒星、惑星、衛星、小惑星、彗星などに分かれます。
このうち、自ら発光しているのは恒星のみで、
その他の星はその恒星の光を反射しているだけとなります。
例外として彗星はある部分(イオンテイルと呼ばれる部分)が
発光することもあります。

そして光の色はどのようにして決まるかというと、
反射してる惑星や衛星は表面の成分によって変わります。
例えば火星は表面の成分には酸化鉄が多いので赤い光を反射します。
木星は表面が黄色い光を反射するメタンですので黄色く見えます。
金星のように表面が全ての光を反射する場合は恒星そのものの色となります。
また、地球を外から見ると青く見えるのは大気と水が青い光を反射するためです。

自ら発光する恒星の色はどうやって決まるかというと、
その星の表面温度によって変わります。

代表的なものを挙げてみます。
赤(3600℃以下)オリオン座α星ベテルギウス


だいだい色(3600~5000℃) おうし座α星アルデバラン


黄色(5000~6000℃) ぎょしゃ座α星カペラ


うす黄色(6000~7500) こいぬ座α星プロキオン


白色(7500~11000℃) おおいぬ座α星シリウス


青白(11000℃以上) おとめ座α星スピカ


並べてみるとその色の違いがよくわかりますね。
ちなみに太陽はカペラと同じ黄色に分類されます。

ちなみに、この星の色は天文用語でスペクトル型といいます。
(星の色の違い=スペクトル型の違いというような使い方をします)
そして、「おおいぬ座α星シリウス」などのα星とは何かというと、
その星座の中で一番明るい星のことです。

また、星の光は赤に近づくにつれ、大きくなり、
恒星としての寿命が尽きようとしています。
オリオン座α星ベテルギウスは約600光年離れていますので、
もしかしたらもう寿命が尽きている可能性もありますね。
(太陽の現在の年齢が約46億歳に対し、
ベテルギウスは600万~2000万歳でありながら
寿命が尽きようといている短命の星だそうです。)

仮に寿命が尽きたとしたら、超新星爆発が起こります。
600光年離れた場所で起こった超新星爆発は
マイナス12等星くらいに輝くといわれています。
このマイナス12等星がどれくらいの明るさかというと
満月と同じくらいの明るさになります!
とはいえ、地球上では600年後に見る事になりますが、
600年前に爆発していれば明日見る事になりますね。


最後は余談で少し難しい話になりましたが、
一言でまとめると、星の色の違い=温度の違いという事なのです。
この記事を作成していると理科の授業を思い出しますね。

非常に長くなり申し訳ありません。

30日の満月は・・・

2010-01-28 02:25:06 | 流星群・天文・宇宙のこと
先日の火星接近の記事の中で少し触れましたが、
30日は満月です。

そしてこの満月には別名がつきます。
その名はブルームーン(Blue Moon)

ブルームーンと呼ばれる月には2種類あります。
ひとつはその名の通り、空気中のチリなどの影響で
青く輝いて見える月の事。

そしてもうひとつはその月の中での2度目の満月の事です。

月の満ち欠けは平均で29.5日で1周します。
ひと月は2月を除き30~31日ありますので、
タイミングが合えばひと月に2回満月と巡り会います。

1月は1日が満月でしたので、30日が2回目、ブルームーンというわけです。

このブルームーンという言葉は天文的には正式な言葉ではありません。
辞書にも載っていないと思います。(Wikiにはありました)
1946年にある雑誌で誤解によりこう呼んだのが始まりといわれているようです。

また、めったに起こらない珍しい事という慣用句で使われる事もあるそうです。
"once in a blue moon" (めったにない)という熟語ですね。

ちなみにこの日の満月は今年で最も大きい満月だそうです。
つまり最接近した満月ですね。
再接近している満月に、接近中の火星が寄り添うように夜空を旅します。


最後に誤解を生まないように書いておきますが、
このブルームーンはお月様自体に何か特別な変化があるわけではありません。
ごく普通の満月ですのでお気をつけ下さい。




次は火星接近

2010-01-26 01:08:04 | 流星群・天文・宇宙のこと
すばる食も無事終わり(見れませんでしたが・・・)、
次は28日の火星接近(小接近)ですね。

火星接近といえば2003年にもニュースになりました。
その時は5575万kmの大接近だったのに対し、
今年は9933万kmと1.78倍の距離ですので、
見かけ上の大きさも半分位になってしまいます。

何故接近が起こるかというと、
太陽系の惑星は太陽の周りを回る運動、公転をしています。
地球の公転期間が約365日に対して、火星は約687日です。
地球のほうが公転期間が短いので、回っている内に火星に追いつきます。
その時が接近となります。

さらに、ほぼ円に近い地球の公転軌道に対して、
火星はやや楕円気味となるため、
接近する場所により、距離が大きく変化します。
最も遠い場所で約1億km、近い場所で約5500kmとなります。
この距離の違いにより大接近、中接近、小接近と呼ばれます。

今年は小接近にあたりますが、明るさはマイナス1.2等級くらい。
おおぐま座のシリウスとほぼ同じ明るさとなります。
シリウスは太陽系の天体を除いた中で最も明るい天体ですので
容易に見つけられると思います。
それと同じだけの明るさをもつ星が火星です。

さらによく見ると、シリウスは白く瞬いているのに対して、
火星は赤く、ほとんど瞬きませんので見分けはつくと思います。

場所はというと、日の入りと同じくらいに東の空から昇ってきます。
そして、お月様の後を追うような動きをし、
午前0時頃に南の空に到達します。

そして、30日には満月と火星が大接近し、
また冬の大三角(こいぬ座プロキオン、おおいぬ座シリウス、
オリオン座ベテルギウスを結んだ三角形)も近くにあるため、
明るい星が見た目の近い距離に集まる事になります。

冬の大三角イメージ図


さらに、この30日の満月には別名があります。
それはまた後日記事にしたいと思います。

この火星接近は2~3年に一度起こります。
次は2012年3月6日に約1億kmの小接近となります。
次の大接近は2018年7月31日の約5759万kmですね。
7月31日だと小規模ですがみずがめ座・やぎ座両流星群の活動期中ですね。
どちらも一度に楽しめるのならお得ですね。


今年は小接近のため非常に地味ですが、
夜空を見上げる機会はそうそう無いと思います。
お隣の惑星、火星の赤く美しく輝く姿をぜひ見てみてください。

すばる食

2010-01-22 02:12:52 | 流星群・天文・宇宙のこと
来る1月25日に“すばる食”があります。

“すばる食”とは星食(恒星食)のひとつです。
(星食とは・・・お月様が恒星を背後に隠してしまう現象です)

すばるという名前は聞いたことある方も多いと思います。
おうし座にあるプレアデス星団という散開星団の和名で、
肉眼で6~8個くらいの星を見る事ができます。
富士重工(スバル)車のエムブレムになっていますね。
(散開星団とは・・・ほぼ同時に誕生した恒星たちが
距離的に近い位置に固まっている状態の天体の事)

プレアデス星団

(Wikiからお借りしました)

今回の食では一部の地域を除き、3個の星が次々とお月様の陰に隠れます。
隠される星の名前は、「エレクトラ」、「アルキオーネ」、「アトラス」の三つで、
それぞれ、19:08(19:18)、20:23(20:33)、21:19(21:27)から見えなくなります。
(時刻は大阪基準でカッコ内は東京の時間です)
ちなみにエレクトラに限り北海道では隠されません。

場所はもちろんお月様の近くです。
それぞれの時間にお月様の方角で起こります。
天頂付近の南~南西の空になります。

しかし、この“すばる食”は肉眼で見るのは困難です。
なぜならお月様が明るすぎるため、すばるの星々が見えません。
だったらどうやって見るかといえば、双眼鏡の出番です。
双眼鏡を使うとはっきり見えますが、お月様の明るさも増幅されるため、
目に優しくありませんので、休みながら見る事をお勧めします。


実はこの“すばる食”、2006年から何度も起こっています。
一番最近では昨年12月1日にありました。
この期間はお月様の通り道がすばるのすぐ近くにあったためです。
この月の通り道、天文的には白道(はくどう)と言います。
白道は18.6年周期で変化しており、
約19年ごとに一定期間“すばる食”が起こります。
しかし、今回がこの周期では最後となります。
次回は2024年となるそうです。

日食月食は肉眼でも容易に見る事ができるため、話題になりますが
星食は見た目ではさっぱりわかりません。
もともとの星の配置を軽く頭に入れて見ればよくわかりますので、
一度見てみて下さい。
夜空を見る目が少し変わるかもしれません。

ちなみに僕はと言うと、仕事中のため見る事はできません・・・

雲の向こうの部分日食

2010-01-16 01:39:08 | 流星群・天文・宇宙のこと
残念ながら日食は見れませんでした・・・

ちょうど西の地平あたりに厚い雲が・・・

珍しい日没帯食はぜひとも見たかったのですが、
またしても天候に見放されました。

せっかくですので画像付きニュースのリンクを。
沈む太陽まるで三日月、肉眼でくっきり日食

西日本などで部分日食

西に行くほど条件がよくなるので、うちの方ではどれだけの物が
見れたのかはわかりませんが、見たかったですね。

次に日本で部分日食があるのは2011年6月2日。
東北以北となりますのでまた縁がありません。