久遠劫より今まで流転せる苦悩の旧里

過去か未来か 永遠とも思える明鏡止水の独り言

月刊星空案内12月号とあかつき

2010-12-07 01:10:31 | 流星群・天文・宇宙のこと
夜が最も長い12月になりました。

星空を最も長く楽しめる時でもあります。
遅ればせながら12月の星空の見所をご紹介。


まずは2日。(過去の話で申し訳ありません)
水星が最大離角で夕空に現れます。
最大離角とは・・・地球から見た内惑星(金星と水星の事)と太陽の角度が
最も離れる事です。
つまりは太陽から最も離れるので、それだけ見やすくなります。
この日の水星は-0.4等級となります。

次は4日。(これも過去の話ですね・・・)
金星が最大光度(-4.7等級)となります。


そして、14日。
今月のメインともいえるふたご座流星群がピークを迎えます。
年間最大級の流星群で、非常に安定して流星が出現します。
昨年は2日間で3時間弱の観測で50数個観測できました。
今年の条件は最良とも言われていますので、期待大です。

ちなみにこの日の夕方に水星と金星が大接近しています。

そして、今月もうひとつのメインにして今年最後の大イベント。
それは今年最後の満月に起こる皆既月食です。
しかも西日本では月食が始まってから月が昇る月出帯食。

さいごに23日がこぐま座流星群の極大日となります。


また、本日7日、金星探査機あかつきが金星周回軌道に投入されます。

12分間エンジンを逆噴射する事でスピードを落とし、
金星の重力につかまる事で周回軌道に乗せる計画なのですが、
この逆噴射の加減が難しいそうです。

出力が規定どうりに安定して出ている状態なら計算どおりにいくのでしょうが、
宇宙空間は何があるかわかりません。

逆噴射推力が不足し、速度を落としきれなかったら金星を通り過ぎてしまい、
戻ってくる事は不可能となります。
また、速度を落としすぎると周回軌道で安定できず、金星の重力に捕まり
大気圏突入してしまう事になります。

そして、この逆噴射の計算をいつ、どこで行うのかというと、
あかつき自身が行います。

それは何故かというと、現在のあかつきと地球が電波でやり取りすると
往復に約7分かかります。
逆噴射は計画では12分(少なくとも9分20秒は行う予定)ですので、
地球から状況を判断して命令を出していれば間に合いません。

そのため、あかつきが事前のプログラムに基づき自律的判断で
逆噴射を行うようになっているそうです。

日本はかつて火星探査機のぞみで周回軌道投入を失敗した経験がありますので、
今回こそはとの意気込みもあるでしょう。


はやぶさ・イカロス・あかつきと今年の3本柱を
全て成功で終われる事を祈ります。