ポテチ
10月21日 青山円形劇場
原作:井坂幸太郎
脚本・演出:蓬莱竜太
出演:星野真里、加藤晴彦、山本亨、岡本麗、伊藤毅、梨澤慧以子
伊坂幸太郎の短編小説の舞台化。
原作は読んだことないんだけど…
きっと、原作の雰囲気は壊していないと思います。
不思議だけど、切ないお話。
黒澤の仕事(空き巣)を手伝っている忠司。
ある時、空き巣に入った部屋の電話が鳴る。
留守電に吹き込まれたメッセージは、「今から死ぬ」だった。
そのままにしておけなかった忠司は、留守録の主:若葉に会いに行く。
なぜか、若葉は忠司と同居するようになり、一緒に黒澤の仕事を手伝うようになった。
今回の仕事先は、今はスランプに落ち込んでいる野球選手の部屋。
偶然にも忠司と同じ病院で生まれた野球選手。
あの時と同じように、電話が鳴る。
女の声で「男に追われている、助けて」と。
今度も、女に会いに行く忠司。
でも、ちょっと様子が違う。
追われている女と追っている男は、一緒に逃げていく。
2人は野球選手をだまそうとしていたのだった。
男を捕まえ、殴る忠司。
忠司は野球選手に、特別な感情を抱いている。
それは、なぜか?
実は、忠司と野球選手は、生まれたときに取り違いにあっていて、忠司はそれを偶然知ってしまったのだ。
忠司の本当の母は、すでに亡くなっていた。
それを知ってか知らないのか…
忠司の母は、野球選手を見ては、「おんなじ年なのに、ぜんぜん違うね~。ああいう子の親はいいね~。」と言ったり、「忠司は自分に全く似ていない。」とか平気で言っている。
それを聞く度、忠司の心は痛むのだ。
忠司は、自分が取り違えられていたと言う事実にショックを感じているのではなく、自分が取り違えられたことで、本当だったら、りっぱな野球選手の母でいられたのに、ふがいない自分の母となってしまっている母に、申し訳なく思っているのだ。
赤ん坊取り違いも題材にしてるのだけど、視点がちょっと違う。
取り違いを、たぶん知らないであろう母が、コンソメ味のポテトチップスが好きだけど、塩味も食べてみると美味しいものだ、だからこのままでいいんだ、と言う言葉に感激する主人公に思わず涙してしまいました。
不思議な黒澤役の山本亨や母役の岡本麗。
繊細な忠司を演じた加藤晴彦、かわいい星野真里。
すべて役にぴったりとはまっていました。
人間にはいろいろな感情があって、愛情にもいろいろな表現があるんだなって感じました。
ラストシーンのボールの行方は、未来に繋がっているのかな?
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